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On the Production
by 井口健二
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■ヘイトフル・エイト、珍遊記、断食芸人、頭文字D−夢現−4DX
に言って、その印象は今回もあまり変わらない。
ただしかしこの作品に関してはそれが目的なのだし、原作の
読者にはそれが好まれているのだろうから、それは仕方ない
ことと言えるだろう。それが何とか許容できるくらいには、
少しは作品のレヴェルも上がったかな。
山口監督作品では、2005年4月紹介『魁!!クロマティ高校』
などはそれなりに評価しているつもりだが、中々洗練されな
いというか…。でもその洗練されなさが評価のポイントなの
だろうとは思ってしまうところだ。
日本での公開は2月27日より、全国ロードショウとなる。

『断食芸人』
『変身』『城』などの作品で知られるチェコの文豪フランツ
・カフカが1922年に発表した短編小説を、2012年6月『美が
私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』という
ドキュメンタリーを紹介している足立正生監督が映画化した
作品。
物語は1人の男が街角に座り込むところから始まり、その男
の行動に対する周囲の者の反応や、周囲に与える影響などが
描かれて行く。そこには政治的なものや人間の欲望など様々
なエピソードが描かれる。
主演は、2014年1月紹介『魔女の宅急便』などの山本浩司。
他にテント劇団「風の旅団」リーダーの桜井大造、演劇演出
家の流山児祥、伊藤弘子。さらに2009年9月紹介『ゼロ年代
全景』などの本多章一らが脇を固める。またナレーションを
田口トモロヲが務めている。
カフカの原作は「断食芸」というものが認知されている状況
に基づいており、本作の展開とはかなり違っている。しかし
「断食芸」のルールみたいなものは踏襲されているようだか
ら、これを映画化としていいのかな。
ただし物語はかなり現代化されていて、カフカの時代では考
えられなかったお話が展開される。それがまた足立監督らし
さというか、正直に言ってちょっとレトロな感じも漂うとこ
ろは…。それを狙いとしているのだろう。
なお巻頭に置かれた災害の記録映像はかなり衝撃だった。
公開は2月27日より、東京は渋谷ユーロスペース他で、全国
順次公開となる。

『頭文字D−夢現−』4DX
2015年12月に紹介した作品で、その折にも告知した4DXに
よる上映を体験したので報告する。
その体験では、加速やブレーキ、コーナリングなどの荷重の
感じががかなり再現されていたもので、実際に主人公らと共
に車の乗車している気分は味わえたという、ある種の満足感
みたいなものが体験できた。
と言っても僕は自動車レースに同乗した経験などはないし、
実際はさらに激しいものだろうという感じもしたが、少なく
ともシミュレーションとして体験するには充分にその気分は
味わえたというところだ。
因に当日は監督らによる記者会見も行われたが、その発言に
よると、4DXのシミュレーションは乗車している車種毎に
よっても微妙に違えられていたのだそうで、これはかなり本
格的なものだったようだ。
公開は2月6日より、4DXも同時公開となっている。

この週は他に
『黒崎くんの言いなりになんてならない』
『スティーブ・ジョブズ』“Steve Jobs”
『インサイダーズ 内部者たち』“내부자들”
『アーロと少年』“The Good Dinosaur”
『緑はよみがえる』“torneranno i prati”
『風の波紋』
『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
               “Banksy Does New York”
『LOVE3D』“Love”
を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。

01月31日(日)
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