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On the Production
by 井口健二
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■復讐したい、夜会VOL.18−橋の下のアルカディア−劇場版、SHERLOCK 忌まわしき花嫁、リップヴァンウィンクルの花嫁、華魂 幻影
て共演には、やはりシンガーソングライターの中村中、石田
匠が出演している。
生の舞台の迫力がこの映像作品で完璧に再現されているかに
ついては多少疑問に思うところはあるけれど、中島みゆきの
圧倒的な世界観は充分に感じることができた。つまりその世
界観の物凄さが、映像を通しても伝わってくる作品だ。
それは哀しい物語とも相まって、見事に「みゆきワールド」
を構築しているとも言える。ただ最後の描かれる希望のとこ
ろで第2次世界大戦の兵器が登場することには、僕の個人的
な思想の面で疑義を感じるが、これも時代なのだろう。
いずれにしても中島みゆきの歌唱力も含めて、最初から最後
まで圧倒され続ける作品であることは間違いない。
公開は2月20日より、東京は新宿ピカデリー&丸の内ピカデ
リーほかで、全国ロードショウとなる。

『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁』
          “Sherlock: The Abominable Bride”
2012年5月に紹介したベネディクト・カンバーバッチ、マー
ティン・フリーマン共演のテレビシリーズの特別版で、今年
1月1日に本国イギリスで放映された作品が、日本では劇場
公開されることになり試写が行われた。
映像の舞台はヴィクトリア朝のロンドン。おや?本シリーズ
は現代が背景ではなかったの…?という展開だが、ちゃんと
シリーズとの繋がりも付けられている。そして本作では、正
にコナン・ドイル卿のホームズが再現されるのだ。
その物語は花嫁姿の女性が銃を乱射した挙句に、自分の頭を
撃って自殺するところから始まる。ところがその後に今度は
花婿が花嫁の女性に射殺される事件が発生。果たして花嫁は
甦ったのか…?ということで、名探偵の登場となる。
共演は、アマンダ・アビントン、マーク・ゲイティス、ルイ
ーズ・ブリーリー、ルパート・グレイヴス、ユナ・スタブス
らテレビシリーズのレギュラー陣が、普段とはちょっと違っ
た雰囲気で登場。その捻り具合も良い感じになっている。
製作と脚本は、出演者でもあるゲイティスとスティーヴン・
モファット。彼らは2015年5月紹介『ドクター・フー』にも
関っているコンビで、その流れで観ると本作の仕掛けも納得
できるところだ。監督も『ドクター・フー』のシリーズから
ダグラス・マッキノンが起用されている。
という作品だが、本作では謎解きが見事にその時代を捉えた
壮絶なもので、これがテレビシリーズとは思えないほどのも
の、これには正に脱帽という感じだった。現代版のシリーズ
との繋げ方といい、特別版に相応しい作品と言えるものだ。
公開は2月19日より、東京は各TOHOシネマズ系の映画館で、
期間限定特別ロードショウとなる。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』
2012年8月紹介『ヴァンパイア』などの岩井俊二監督が、劇
映画では同作以来となる4年ぶりに発表した作品。本作では
原作、脚本も手掛けており、作品は上映時間3時間の大作と
なっている。
主人公は、SNSで知り合った男性と結婚することになった
派遣教員の女性。しかし彼女には親族が少ないためSNSの
伝手で「なんでも屋」の男に結婚式の代理出席を依頼する。
ところがその時から彼女の周囲が変わり始める。
式は挙げたものの代理出席が露見し、不倫疑惑などで家を追
い出された主人公は、「なんでも屋」の男から月収100万円
のハウスメイドの仕事を斡旋され、そこで先輩メイドの女性
と知り合い、意気投合するのだが…。
主演は、2015年11月紹介『母と暮らせば』などの黒木華、相
手役に2014年2月紹介『そこのみにて光輝く』などの綾野剛
と、シンガーソングライターで2012年2月『KOTOKO』
などのCocco。他に原日出子、毬谷友子、りりィ、金田明夫
らが脇を固めている。
黒木華に関しては、ベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞した
2013年12月紹介『小さいおうち』での演技は実はあまり評価
していなかったが、昨年公開された『幕が上がる』での演技
指導のシーンには、これはと思わせるものがあった。

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01月17日(日)
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