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On the Production
by 井口健二
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■2014年Best10、TM NETWORK THE MOVIE 1984 30th ANNIVERSARY
思われるアイデアは面白いが肝心の話の詰めが甘い。後半の
新たな超能力も唐突だし、ゲームならもっと何度も繰り返し
トライして徐々に進んで行くはずのものが、後半を素っ飛ば
されると達成感も乏しくなる。この展開は原作通りなのかも
しれないが、登場異人物のキャラクターも変えたという脚色
は、もっと徹底して欲しかったところだ。
9位は、フランスのコミックスを韓国の監督が脚色・映画化
したという作品。話はそれなりに壮大で、映像も悪くない。
それに韓国映画にありがちなアクションに走ることもなく、
真面目にSF映画が作られている。しかし全体的に何となく
物足りなさも感じてしまった。何が足りないのかその辺も定
かではないが、ポン・ジュノ監督の作品では『グエムル−漢
江の怪物−』のときもどこか違うと感じたもので、結局この
種の作品に合っていないのかな。
10位は、毎年1本はエントリーされるスペインからの作品。
と言っても今年はお得意のダークファンタシーではなくて、
ちょっとオフビートな感じのコメディ作品だ。映画マニア的
には好む人も多いと思われる作品だが、SF映画ファン的に
はちょっと違うかもしれない。でも公開前に来日した監督の
イヴェントでの見るから「映画が好きです」という雰囲気が
嬉しくて、この監督の作品には1票入れたくなった。ポラン
スキーほどスマートではないが『吸血鬼』を思い出した。
後は一般映画でこちらはベスト5だけ書いておこう。
1位:サード・パーソン(3月23日紹介)
2位:KILLERS/キラーズ(2月2日紹介)
3位:監視者たち(8月10日紹介)
4位:ディス/コネクト(3月23日紹介)
5位:イフ・アイ・ステイ(8月24日紹介)
この5作にSF映画枠で選んだ上位5作を加えた10本が、
僕の2014年の映画ベスト10としておきたい。
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『TM NETWORK THE MOVIE 1984 30th ANNIVERSARY』
1980年代〜90年代に絶大な人気を集め、その後の日本の音楽
シーンに多大な影響を与えた音楽ユニットTM NETWORK(TMN)
のデビュー30周年を記念して製作されたライヴムーヴィ。
内容は、1984年のデビューから最初の10年間に各地で行われ
たライヴコンサートの模様を纏めたもので、その中には当時
としては珍しい演奏者の宙乗りなどもあってファンの人には
懐かしい貴重な映像が集められているようだ。
僕自身は、正直に言って音楽のことはよく判らないのだが、
流石にこのユニットは知っていたし、相当数流れる楽曲の中
でも2曲くらいは聞き覚えがあった。それはそれなりに僕に
も懐かしかったが、これはやはりファンのための作品だ。
そんな訳で僕は、内容よりも技術的な面に興味を持ったのだ
が、作品の全体は4:3のスタンダードの画面で、しかも最
初の方はかなり画質も劣っている。しかしそれが後半になる
と格段に画質が安定してくる。
これは最初の部分は当時普及が始まった民生用VTRで保存
されていたと思われ、後半になるにつれてプロ機材での保存
が行われたのだろう。素材はソニーに保存されていたという
ことだが、案外プロ機材の普及は遅かったようだ。
因に最後の楽曲だけが複数のライヴ映像からのコラージュに
なっていて、その中には16:9のハイヴィジョン映像が含ま
れる。ただし今回は全体がスタンダードのためレターボック
スだが、これは次の10年分には高画質を期待させるものだ。
一方、画面に映る機材の中では小室哲哉が演奏するシンセサ
イザーの中央にCRTディスプレイが置かれていて、これは
マニアックに懐かしさを感じさせた。他にも照明など観る人
が観たら懐かしいものがありそうだ。
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01月04日(日)
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