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On the Production
by 井口健二
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■第27回東京国際映画祭《コンペティション以外》
その前後をしっかり描いて欲しかった。
『リアリティ』“Réalité”
互いに繋がりのないいくつかの物語が並行して進む作品で、
しかもその一つでは夢の中の話が他方では現実であったりも
するトリッキーな作品。タイトルは登場する少女の名前でも
あり、彼女を中心に現実と非現実が入り混じる。かなり複雑
な作品だが、実はそれなりに整理されていて理解はし易く、
この監督カンタン・デュピューは気になりそうだ。
『ミッドナイト・アフター』
“那夜凌晨,我坐上了旺角開往大埔的紅VAN”
今回の上映作品の中で日本映画以外では唯一SFにジャンル
分けされていた作品。深夜の酔客などを乗せた郊外行きバス
がトンネルを抜けるとそこは無人の世界だった。ということ
でサヴァイヴァル劇が展開されるかと思いきや、監督の興味
はそこには無いらしく、グダグダした人間模様が綴られる。
SFとしてみるのはかなり酷だが、他でもないか?
『遺灰の顔』“The face of the Ash”
イラン・イラク戦争の時代の話。クルド族の村で婚礼が行わ
れている最中に棺が到着し、一家の息子が戦死してその遺体
だと告げられる。ところがその遺体には息子の特徴がなく、
該当するのは別の一家の息子だった。混乱した当時の状況で
はこんなことも間々あったそうだが、そんな悲喜劇が巧みに
描かれており、作品の出来も上々だった。
11月03日(月)
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