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On the Production
by 井口健二
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■毎日がアルツハイマー2、野のなななのか
普遍な悲劇として描いている。
ただし本作の脚本も手掛けた大林監督は、それを単なる悲劇
としてではなく、未来への希望の物語としても描いて行く。
しかもそこには謎の女性を配して、何やらミステリアスな物
語にも仕上げている。
出演は、品川徹、常盤貴子、村田雄浩、松重豊、窪塚俊介、
寺島咲、さらに安達祐実、左時枝、伊藤孝雄、原田夏希、根
岸季衣らが物語を彩る。
前作は上映時間が2時間40分だったが、本作はさらに2時間
51分、間違いなく長大な作品だが、観ている間は飽きさせる
こともなく、別段瞠目のアクションがある訳でもないのに、
あれよあれよという感じの作品になっている。
それに本作ではディジタルで撮影された上に映像合成が多用
され、その合成の映像には大林監督の初の商業映画であり、
僕が初めて大林作品に接した1977年『HOUSE ハウス』を思い
出していた。
実は本作に関しては、先に1月末に行われた完成披露試写も
観させて貰って、その際に安達祐実が、「今までブルースク
リーンの前で演技したことは何度もあるけど、自分がブルー
スクリーンになったのは初めて」と挨拶した。
そのシーンはかなり強烈なものだったが、ふと1977年の作品
でも、確か神保美喜がそんなことをやらされていたのではな
いかな、そんな気もしてきた。大林監督が原点に戻ってくれ
たような、そんな気分にもさせて貰えた作品だ。
僕は「尾道三部作」なども認めない訳ではないが、本作では
一旦原点に戻っての、ここからの新たな大林作品の展開にも
期待したいものだ。
公開は5月10日、11日に北海道で先行上映の後、5月17日よ
り、東京は有楽町スバル座、T・ジョイ大泉他で、全国順次
ロードショウとなる。
05月04日(日)
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