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On the Production
by 井口健二
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■僕がジョンと呼ばれるまで、KILLERS/キラーズ、ダーク・ブラッド
ところが東京の男に自らの秘密を隠さなければならない女性
が現れる。またジャカルタの男は追求していた大物の核心に
近づいて行く。そしてそれらは2人を究極の状況へと導いて
行くことになる。
実は昨年末に記者会見があって、その席で北村は「オファー
を受けた時に役柄を理解できず、監督にその点を質問した」
と語り、脚本家でもある監督の答えは「彼はGODだ」という
ものだったそうだ。
確かに北村の役柄には相手を操っているような面もあり、そ
れは神の所業とも言える。しかし今回の試写会の舞台挨拶で
監督は、「アジアの映画が世界で勝負するには、このやり方
しかない」とも語り、それは手段だったようだ。
ただし物語として北村の役柄には根拠が薄弱な面もあり、映
像だけで観せ切るにしても何か物足りない気分にはなった。
なおその映像は日本ではR18+指定、本国でも鑑賞制限とな
るものだが、監督は自国のことは気にしないとのことだ。
北村は昨年12月紹介『猫侍』が3月1日公開で、両極端な役
柄の変化も面白い。インドネシア側のオカはミュージシャン
出身で多数の映画やCMにも出演歴のあるベテラン俳優のよ
うだ。
共演は、2009年『侍戦隊シンケンジャー』などの高梨臨と、
バリ島出身で多数の映画出演歴のあるルナ・マヤ。他に黒川
芽以、でんでん、2012年『ザ・レイド』などに出演のレイ・
サヘタピーらが脇を固めている。
公開は2月1日から、東京はテアトル新宿ほかで全国公開と
なっている。
『ダーク・ブラッド』“Dark Blood”
1993年に23歳で亡くなったリヴァー・フェニックスの遺作。
当時撮影半ばだった作品をジョルジュ・シュルイツァー監督
が特別の思いを込めて「完成」させた作品。
物語の舞台はユタ州の砂漠。登場するのは夫が映画俳優とい
う夫婦。実は離婚の危機にあるが、その関係を修復するため
週末の砂漠ドライブに愛車のベントレーで来ている。その道
の脇には放射能注意の道路標識が並んでいる。
ところがその車が砂漠の中で立ち往生してしまう。それでも
夫は夜が明ければ何とかなると寝てしまうが、心配な妻は深
夜に灯りを見つけ、砂漠を歩いて小屋にたどり着く。そこに
は1人の若者が住んでいた。
その若者はインディアンの血を引くと称し、夫婦を居留地の
修理工場などに案内はするが、夫婦が駅のある町まで連れて
行くように頼むと、言を左右してなかなかその依頼を聞き入
れようとしない。
そして徐々に奇妙な雰囲気が彼らの周囲に漂い始める。祭壇
のような原住民の遺跡や、今も立ち入りが制限される原爆実
験場の跡地。さらに実験のため追い出された原住民の歴史な
どを背景に物語は進められて行く。
出演は、夫婦役に1985年『未来世紀ブラジル』や『POTC』な
どのジョナサン・プライスと、2006年12月紹介『マリー・ア
ントワネット』などのジュディ・デイヴィス。そして砂漠に
暮らす若者役にフェニックス。他に、昨年他界したカレン・
ブラックが出ていた。
監督のシュルイツァーはオランダ映画の出身。1992年『マイ
セン幻影』が自身2度目のベルリン国際映画祭出品となって
ハリウッドに進出。1993年には自作をリメイクした『失踪』
の公開に続いて本作に取り掛かっていた。
しかし、ユタ州でのロケーション撮影を終えてハリウッドで
セット撮影を開始した矢先に主演者が他界。そのまま撮影は
中断されてしまった。そのため本作では、撮影未了の部分を
監督のナレーションによって補完している。
なお撮影は、1994年に“That Eye, the Sky”というファン
タシー作品も手掛けたジム・バートンの脚本によって行われ
たが、今回公開される作品では監督のシュルイツァーがリラ
イトとしてクレジットされている。
その公開作品では、「死」とか「墓場」などの台詞が出てく
るとドキッとさせられるが、砂漠で撮られた映像も美しく、
ある種の世捨て人であるフェニックスの役柄も魅力的な物語
になっていた。
しかしナレーションで繋がれる撮影未了のシーンでは、特に
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02月02日(日)
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