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On the Production
by 井口健二
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■キャリー、メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー、ザ・コール緊急通報指令室、ドラゴン・フォース、いとしきエブリデイ
ライヴの撮影はカナダのアリーナで行われており、アルバー
タ州とヴァンクーヴァの2ヶ所のコンサートの模様が収めら
れている。そのバックステージから始まる映像ではコンサー
トの初っ端から、正しくヘヴィーな演奏が92分の上映時間の
間中に鳴り響く。
そしてその満席の会場には少なくとも2台の大型クレーンが
設置され、その先端に付けられた3Dカメラが観客の上空や
頭スレスレの位置からアリーナ中央のステージに登ったメム
バーを縦横に捉えると共に、さらにステージ上にも2台のス
テディカムが居て演奏のアップなどを捉えて行く。
それは恐らく観客席にいる以上にメタリカの演奏を詳細に堪
能できるもので、観客席とは異なるが、これも正に臨場感と
言える映像が繰り広げられる。さらに会場の興奮も伝わって
きて、これならライヴ会場に行った人も、行けなかった人も
等しく楽しめる作品と言えるだろう。
しかもそこに本作では別の要素が加わる。それはプロローグ
のバックステージにいた若者のアドヴェンチャーで、彼はス
タッフに命じられてコンサートの会場を後にし、メムバーの
忘れ物を取りに行くのだが、これが尋常でない展開になる。
しかもそれがライヴのステージにも影響を与え…
出演は、メタリカのメムバーのジェームズ・ヘットフィール
ド、ラーズ・ウルリッヒ、カーク・ハメット、ロバート・ト
ゥルージロと、今年8月紹介『クロニクル』などのデイン・
デハーン。デハーンの魅力もたっぷり楽しめる。
監督は、2007年10月に紹介した『モーテル』などのニムロッ
ド・アーントル。脚本には、アーントルと共に、メタリカの
メムバー4人の名前も並んでいるから、描かれている物語は
メムバーたちのアイデアなのかな。それも凄い。
実は試写会の後ろの席にロックの関係者らしい若者のグルー
プがいて、上映が始まるまでは写メを撮ったり結構はしゃい
でいたのが、終わると真剣の口調で「これは異次元だ」と呟
いていた。
最近では、9月紹介『ザ・ストーン・ローゼズ:メイド・オ
ブ・ストーン』など、ロックコンサートの模様を撮影した作
品をいくつか紹介しているし、他にも試写は観て紹介は割愛
した作品もあるが、作品のコンセプトもいろいろある中で、
本作は一頭地抜けている感じのする作品だ。
メタリカのファンには当然だが、期待の若手俳優も出ている
ことだし映画ファンにも観てもらいたい作品だ。
公開は11月22日から全国で、3DとI-Max 3Dでも行われる。

『ザ・コール 緊急通報指令室』“The Call”
2002年6月紹介『チョコレート』でオスカーを受賞したハル
・ベリーと、2006年11月9日付「東京国際映画祭」で紹介の
『リトル・ミス・サンシャイン』により映画祭の主演女優賞
を受賞し、さらにオスカー候補にもなったアビゲイル・ブレ
スリン共演で、911=緊急通報司令室に架かってきた電話
を巡るサスペンスドラマ。
ベリーが演じるのはロサンゼルスの911で緊急通報の応対
をするベテランの係官。ところがある日、家に侵入者がいる
という若い女性からの通報に、一旦は危険回避の方法を伝え
たものの、その後の処理で集中を欠いてしまう。それがトラ
ウマになった彼女は、その後は受信台を離れていた。
ところが6ヶ月後、新人研修の教官として緊急通報司令室に
入った彼女の前で、誘拐犯に拉致された少女からの緊急電話
が鳴る。その少女は閉じ込められた車のトランクの中から架
けてきていた。そして不慣れだった係官に代ってその応対を
始めた主人公は次々に適切な対応を指示して行くが…
脚本は、2002年7月紹介『13ゴースト』などのリチャード・
ドヴィディオ。脚本家は妻がラジオで聞いたニュースに触発
されて本作を書き上げたそうだが、原案にはその妻の他に、
2004年にアンジェリーナ・ジョリーが主演した『テイキング
・ライブス』の脚色などを手掛けたジョン・ボウケンカンプ
の名前も並んでいる。
監督は、2011年1月に紹介したヘイデン・クリステンセン主
演『リセット』などのブラッド・アンダースン。前作は一風

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10月20日(日)
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