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On the Production
by 井口健二
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■蠢動、セイフ・ヘイブン、トミカ・プラレール映画まつり
他に、昨年6月紹介『アベンジャーズ』と2015年公開予定の
続編にも出演するコビー・スマルダーズ、テレビ『ER』の
第15シーズンにレギュラー出演したデヴィッド・ライオンズ
らが脇を固めている。
観終ったときの率直な感想は、これは1本やられたなという
ものだった。スパークスという作家は、過去に映画化された
作品を観る限りではうまい題材を扱って、話題性は振り撒く
が、物語そのものは古臭い感じで好きではなかった。
そして本作は、そのスパークスが初めてサスペンスに挑んだ
という触れ込みで、これはお手並み拝見という感じだった。
その感想が上記のものだ。特に結末は涙を煽ることもなく、
実にスマートに感動させられた。
しかもそれがご都合主義や辻褄合わせでなく、正に納得のエ
ンディングなのだ。これは今までのスパークスに対する態度
を改めなくてはとさえ思わされた。そしてハルストレム監督
が、それを実に巧みに映像で表現している。
またハルストレム監督は、過去の作品でも物語の展開にファ
ンタスティックな表現を巧みに取り入れてきたが、本作では
正にそれが壺に嵌った感じで、これはファンタシー映画のフ
ァンにもお勧めしたいものだ。

『トミカ・プラレール映画まつり』
タカラトミーが販売する1970年誕生の自動車玩具トミカと、
1959年誕生の鉄道玩具プラレールを題材にした映画作品。
東宝本社試写室での試写会は、一般上映の時と同じ条件とい
うことで客席の明りを点けたままで行われた。つまりこれは
作品を観に来る幼い子供に配慮したもので、まずはそういう
点を考慮して本作は鑑賞しなければいけない。
そこで作品の内容は、3つの物語とその間を繋ぐ3つのヴァ
ラエティコーナーで構成され、その全体的な作りはNHKの
「おかあさんといっしょ」のような幼児向け番組の構成とさ
れている。
そして物語の1本目は、人間の子どもがデパートの玩具売り
場などで見られる模型の「トミカ・プラレールタウン」を訪
れるという合成もの。他の2本は、トミカとプラレールその
ものが活躍する人形アニメーションになっている。
因に3作目に登場するトミカとプラレールは、本作の公開に
合わせて新発売されるもののようだ。
一方、ヴァラエティコーナーでは、トミカで発売されている
工事用車両の実物を紹介するコーナーや、プラレール隊と称
するグループが実際の住居の中にプラレールを敷き詰めて走
行させるコーナー、そして歌や体操などが披露される。
これは正に「おかあさんといっしょ」の構成だろう。
出演は、NHK・Eテレなどに出演の他、ジャニーズ嵐に楽
曲なども提供しているミュージシャンのチーミーと、キッズ
ステーション「ハローサンリオ」MCの梅田みさと。それに
子役の須田瑛斗。
またプレス資料に脚本・監督などの紹介はなかったが、原作
はタカラトミー、総合演出は岡本智朗という人が担当してい
るようだ。
僕自身はプラレール世代より年上の人間だが、息子には買い
与えていたし、一緒になって組み立てもしたから、それなり
に思い入れはある。そういう目で観ると、お子様向けならこ
んなものかと思う反面、もう少し何か出来る感じはした。
特にプラレール隊のコーナーでは、実際に自分で組み立てて
きた感じで言うと、もっと驚かせるような作品も見せて欲し
かったし、もう少し裏技みたいなものも紹介して欲しかった
ところだ。
でもまあ作品は今回が第1作とのことで、試行錯誤もあるの
だろうし、取り敢えず今後の展開は見守りたいものだ。それ
にしても現在のトミカとプラレールがこんなに進化している
とは、それは驚かされた。

09月05日(木)
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