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On the Production
by 井口健二
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■クロニクル、陽だまりの彼女、ゴースト・エージェント、エリジウム、パッション、今日子と修一の場合、ハウス・オブ・カード、鷹の爪GO
菅野友恵と「握った手」の向井康介が担当した。
実は、試写の行われた頃に昨年7月に紹介した『画皮 あや
かしの恋』の続編が一般公開されていて、この作品は試写が
行われなかったので映画館へ観に行ったが、本作はそれにも
通じる悲恋物。しかしそこに意外な展開が待ち構えているの
は、なるほどと納得もさせられる作品だった。
因に物語の舞台が江の島になっていて、それは原作とは異な
るようだが、地元を知る者にとってはいろいろな意味で納得
の背景だった。監督はそれも判っているはずだが、プレス資
料などで言及しないのは奥ゆかしいところだ。
映画の中には目に見える魔法のようなものは出てこないが、
ファンタシーであることは間違いない作品で、設定は外国で
も通じるものだし、海外のファンタスティック映画祭などに
も出品してもらいたい作品だ。
『ゴースト・エージェント』“R.I.P.D.”
2011年7月紹介『グリーン・ランタン』などのライアン・レ
イノルズと、2010年12月紹介『トロン:レガシー』などのジ
ェフ・ブリッジスの共演で、死後の世界に関わるアクション
作品。
原題の前半のR.I.P.は「rest in peace」の略で死者に贈る
言葉。一方、後半のP.D.は、L.A.P.D.やN.Y.P.D.などでお馴
染みの「Police Department」の略称というもので、つまり
死後の世界を司る警官が主人公のお話。
その主人公の生前は、ボストン警察のエリート警官。しかし
ドラッグの売人で警官殺しの凶悪犯を追い詰めたとき、何処
からか発射された銃弾で殉職してしまう。こうして生前が善
人だった主人公は天国に召されるはずが…。
警官としての才能を見込まれた主人公は、成仏できずに現世
をさまよう悪霊を取り締まる「R.I.P.D.」のエージェントに
スカウトされる。こうして自分の死に際にも疑問を持つ主人
公は、現世に留まってその謎解きにも挑戦することに。
しかしそれは霊界と現世を繋ぐ巨大な陰謀に立ち向かうこと
にもなってしまう。
「CSI:ニューヨーク」の製作総指揮などを務めるピーター・
M・レンコフがダークホース社から発表しているコミックス
の原作に基づく脚本は、2010年4月紹介『タイタンの戦い』
などのフィル・ヘイとマット・マンフレディが担当。
その脚本から2010年12月紹介『RED/レッド』などのロベ
ルト・シュヴェンケが監督した。
共演はケヴィン・ベーコン、『RED』にも出演のメアリー
=ルイーズ・パーカー、『アイアンマン3』のステファニー
・ジョスタク。さらにスーパーモデルのマリサ・ミラー、ベ
テラン俳優のジェームズ・ホンらが脇を固めている。
かなり異形になっている悪霊の姿や、それと闘う主人公らの
アクションがVFXを駆使して過激に描かれる。そこにさら
に天地を揺るがす大迫力のCGIなどが展開される。
それはそれで面白くはあるのだが、実はそこから先が何かピ
ンと来ない。それは例えばミラーとホンが演じる主人公らの
アバターの話はもっと面白く出来るはずだし、霊界と現世を
繋ぐ陰謀にしても、今ひとつその経緯が明確に描かれていな
いのだ。その辺が何となく面映い。
上映時間が1時間36分の作品で、もう少し脚本を練り上げて
大作にして欲しかったかな、そんな気持ちにもなった。ただ
まあお気楽に楽しむ分にはこれでも充分かもしれないが、折
角の設定がちょっともったいない気もする作品だった。
『エリジウム』“Elysium”
2010年3月紹介『第9地区』で鮮烈なデビューを飾った南ア
出身ニール・ブロムカンプ監督が、マット・デイモン、ジョ
ディ・フォスターを主演に迎えた本格未来SF大作。
時代背景は西暦2154年。世界は21世紀末から環境汚染と人口
増加による荒廃と混乱が進み。富裕層は地表から400km上空
に浮かぶスペースコロニー「エリジウム」に移住。地上に残
された人々は、上空に浮かぶコロニーを見詰めながら汚染の
貧困の中で暮らしていた。
主人公はそんな地上のスラム街に暮らす若者。彼は以前は犯
罪にも手を染めたが、現在はロボット製造ラインで過酷な労
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08月20日(火)
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