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On the Production
by 井口健二
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■悪魔のいけにえ、ウォーム・ボディーズ、ダークスカイズ、ハートの問題、タイム スクープ ハンター、樹海のふたり、歌藝、ジンジャーの朝
のロブ・コードリー、2011年10月紹介『フライトナイト−恐
怖の夜−』などのデイヴ・フランコ、同じく10月紹介『ラブ
・アゲイン』などのアナリー・ティプトン、そしてジョン・
マルコヴィッチらが脇を固めている。
脚本と監督は、2011年9月紹介『50/50 フィフティー・フィ
フティー』などのジョナサン・レヴィン。因にレヴィンは、
監督を目指して米国映画協会に在学中に起用されたデビュー
作が『血まみれ金髪女子高生』というホラー作品だったそう
だ。
また特殊メイクアップ効果を、“Barney's Version”という
作品で2011年の米アカデミー賞にノミネートされたエイドリ
アン・モロが担当している。
ゾンビはロメロ風のふらふら歩くタイプだが、それが必死に
走る様はそれなりにうまい展開になっていた。『ロミオとジ
ュリエット』へのオマージュでは、バルコニーのシーンなど
が巧みに再現されて行くが、最後までRをロミオとしないと
ころも、見識という感じかな。おかげで結構ハラハラの気分
も持続された。
人間が避難した砦を囲む壮大な壁や、走り回るガイコツ軍団
などのCGI-VFXもなかなかうまく作られている作品だった。
『ダークスカイズ』“Dark Skies”
『パラノーマル・アクティビティ』シリーズの製作者ジェイ
スン・ブラムが、2010年4月紹介『レギオン』と2011年7月
紹介『プリースト』のスコット・スチュワート監督と組んだ
最新作。
舞台は郊外の住宅地。登場するのは2人の息子とそこに暮ら
す夫妻。一家の暮らしは平穏だが夫は失業中で、節約のため
防犯アラームは切られている。ところがある夜、しっかり施
錠された室内が荒らされる。
その後も室内に異様なオブジェが形成されたりもするが、警
察は子供を疑うばかり。そして防犯アラームを再開すると、
今度はそのアラームが誤動作を起こす。それは8箇所のセン
サーが一斉に何かを感知したというのだ。
そんな異様な事件が繰り返され、夫は室内に監視カメラを設
置し、昼夜の監視を開始するが…
監督が創作の基にしたのは、娘殺しの容疑者にされた両親が
最終的に無罪となった実話の事件だそうで、不確かな証拠の
みで容疑者とされ、社会から悪人扱いされた人の姿を描くこ
とを考えたのだそうだ。
そこに本作では、さらに想定外の超常的なものが介在してい
たら…という発想で、これこそは不確かな証拠の典型と言え
るもの。そんなこの種の作品を好きな観客の微妙な心理を突
いた作品とも言えそうだ。
その一方で監視カメラの設置などは、製作者の過去の作品を
知っているとニヤリとするところだった。ただそれで監督の
意図が明確化されているかというと、それは多少悩むところ
ではあったが。
出演は、妻役に2010年4月紹介『小さな命が呼ぶとき』など
のケリー・ラッセル、夫役に同1月紹介『お家をさがそう』
などのジョッシュ・ハミルトン、2人の息子役に2011年10月
紹介『リアル・スティール』のダコタ・ゴヨと、テレビの公
開オーディション番組で人気を得て今年3作品に出演という
ケイダン・ロケット。
監督は家族にリアリティを持たせることを念頭にこの配役を
選んだそうだ。他にライミ監督版『スパイダーマン』3部作
でスパイダーマン嫌いの新聞発行者役を演じていたJ・K・
シモンズらが脇を固めている。
超常現象の介在を悪と決め付けている辺で、ちょっと気にな
るところはあったが、プロダクションノートに掲載された上
記の創作の意図を読むと監督の視線はその方向にはなかった
ようで、それは仕方がないというところだろう。
『ハートの問題』“Questione di cuore”
2001年から開催されているイタリア映画祭で上映された作品
の中から3作品が選択されて特集公開される「VIVA!ITALY」
の内の1本。
登場するのは、共に心筋梗塞で緊急入院・手術を受けた2人
の男性。2人は集中治療室の隣り合うベッドで入院中に徐々
に親しくなる。
その1人は脚本家で、洞察力が鋭く知識も豊富だが、人付き
合いが下手で今も独身。もう1人は貧しい環境から叩き上げ
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06月10日(月)
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