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On the Production
by 井口健二
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■第193回(訃報,Pride and Prejudice and Zombies,A.I.P.,Doc Savage: The Man of Bronze,Ice Station Zebra)
るとしたグレアム=スミスの筆がなかなか進まず、結局ラッ
セル監督もポートマンもスケジュールの都合で降板する事態
になってしまった。
 その計画が再び動き出しているものだが、その監督には、
新たに2009年4月紹介『セブンティーン・アゲイン』などの
バー・スティアーズの起用が発表され、主演には、昨年6月
紹介『白雪姫と鏡の女王』などのリリー・コリンズが交渉中
とのことだ。因にポートマンはプロデューサーとして関って
はいるようだ。
 物語は、19世紀のイギリスの田園地帯で進む恋物語に不死
身のゾンビ軍団が繰り込んでくるというもので、アメリカ大
統領が実はヴァンパイア・ハンターというより、さらに強烈
な物語が展開されそうだ。
 なおmash-upというのは、文学では上記の定義によるもの
だが、今回の米紙の記事を読むと2011年8月紹介『カウボー
イ&エイリアン』などもその範疇に入れられているようで、
実はその2011年作の興行成績が芳しくなかったことから、営
業サイドでは躊躇もあったようだ。しかし本作が上手く行け
ば新たなジャンルの誕生ともなる訳で、そんな意気込みで計
画を進めて欲しいものだ。
        *         *
 1954年に創設され、1981年に終業するまでに500本を超え
る数のティーン映画やジャンル映画を量産/配給して若年層
のアメリカ文化を席捲したとも言えるアメリカン・インター
ナショナル・ピクチャーズ(A.I.P.)。
 その創始者の1人で2001年に亡くなったサミュエル・Z・
アーコフの息子ルー・アーコフが、2008年4月紹介『シュー
テム・アップ』などに参加した製作者のジェフ・カッツと、
2005年11月紹介『ホテル・ルワンダ』などの製作総指揮者ハ
ル・サドフと手を組み、A.I.P.最初期の作品10本をシリーズ
でリメイクすると発表した。
 計画されているのは、1955年“Day The World Ended”、
1956年“The She-Creature”“Girls in Prison”“Runaway
Daughters”、1957年“The Saga of the Viking Women and
Their Voyage to the Waters of the Great Sea Serpent”
“The Undead”、1958年“Teenage Caveman”“War of The
Colossal Beast”“The Cool and the Crazy”“The Brain
Eaters”
 この内の“Teenage Caveman”は、後に前回リメイク情報
も紹介したテレビシリーズ“The Man from U.N.C.L.E.”で
人気者になるロバート・ヴォーンが主演していたことでも知
られる作品だが、実はこれらの作品には共通の出演者もいて
全体が1つのワールドを形成しているのだそうで、今回はそ
の全体像が描かれることになりそうだ。
 シリーズ第1作の撮影は今秋スタートの予定で、以後は連
続して公開されるように製作が進められるとのことだ。
 なおルー・アーコフは、1990年代にスタン・ウィンストン
と組んでケーブルテレビ向けにA.I.P.作品のリメイクを手掛
けたことが有り、このような計画を進めるのは初めてではな
いようだ。
        *         *
 “Iron Man 3”の脚本と監督を担当して、作品を予想以上
の大ヒットに導いたシェーン・ブラックが次の作品の契約を
ソニーと結び、2010年3月7日付と2011年1月16日付でも報
告した1930年代に一世を風靡した“Doc Savage: The Man of
Bronze”の映画化を進めると発表した。
 この原作に関しては、以前の紹介記事にも書いたように、
1975年にジョージ・パル製作脚本、マイクル・アンダースン
監督による映画化が行われており、僕は当時旅行先のロンド
ンで観たものだ。ただしこの映画化は、1930年代のパルブ雑
誌のイメージだけに頼った、どちらかというと他愛ないお話
が展開されていたと記憶している。
 しかし原作は、北極に秘密基地を持つ科学に裏打ちされた
超能力を持つヒーロー=ドク・サヴェジが、仲間たちと共に
世界の敵と対決して行くもので、そこに登場する珍発明など
も結構楽しめる作品。これをハリウッド有数のパルプ雑誌の
コレクターとされるブラックの脚本監督でどのような作品が

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05月16日(木)
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