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On the Production
by 井口健二
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■第191回(Transcendence,The Shining pq,Children of the Lamp,Morgaine,Atlantis: Revelation,True Skin,Shovel Ready,YUKIKAZE)
に、2004年に“Alice's Misadventures in Wonderland”と
いう作品を発表している脚本家・監督ロバート・ルーガンと
の交渉が報告されている。
 物語は、「アラビアン・ナイト」にも登場するランプの魔
人の子孫を主人公にしたもので、彼らは通常は人間社会に紛
れて暮らしているが、時々人の願いを叶えなくてはならなく
なる…というもの。シリーズは2004年に第1巻が発表され、
2011年までに7巻が出版されているようだ。
 概要を見るとヤングアダルトと言うより、もっと若年層向
けの感じがするが、作品はテーマが家族や冒険など多岐にわ
たっているとのことで、その辺は『ハリー・ポッター』にも
通じるところがあるのかもしれない。
 因に本シリーズの映画化権は、元々は2007年に当時はパラ
マウント傘下だったドリームワークスが契約したものだが、
2009年にドリームワークスはディズニーに移籍してしまい、
その際に本シリーズの権利はパラマウントに残されていた。
その権利をパラマウントが行使することにしたものだ。
 なお脚本は、2011年12月紹介『戦火の馬』などのリー・ホ
ールが手掛けた初稿から、現在は2010年ジェイ・ローチ監督
の“Dinner for Schmucks”という作品を担当したマイクル
・ハンデルマンが執筆中となっており、この本が完成すれば
キャスティングなどに進むことになる。
 ただし今回監督に決まったロバート・ルーガンには、昨年
秋にワーナーとの間で、“The Genius Files”というこれも
2011年に第1巻が発表された子供向けアドヴェンチャー・シ
リーズの映画化の契約も結ばれており、今回のパラマウント
の計画はその後になりそうだ。
        *         *
 続いてもシリーズで、1981年の『ダウンビロウ・ステーシ
ョン』と1988年の『サイティーン』で2度のヒューゴー賞長
編部門に輝くアメリカの女流SF作家C・J・チェリイ原作
によるファンタシー4部作“The Morgaine Stories”の映画
化が、アアロン・マグナーニというプロデューサーが主宰す
Water Bearプロダクションで進められることになった。
 物語は、中世風の世界を背景にしたもので、謎のヒロイン
に協力を強いられることになったハミ出し者の勇者の冒険が
描かれる。実はそのヒロインはタイムトラヴェラーで、彼女
の使命は世界を救うことだというのだが…。ヒロインと勇者
が登場するファンタシーで、さらにタイムトラヴェルが絡む
というのは、かなり凝ったお話のようだ。
 因に第1巻の“Gate of Ivrel”は1976年にDAW Booksから
出版され、これはチェリーの第1作でもあった。その後は、
1978年“Well of Shiuan”、1979年に“Fires of Azeroth”
と続けられ、ここで一旦は“The Morgaine Stories”として
纏められたが、さらに1988年に第4作の“Exile's Gate”が
発表されたとのことだ。
 一方、映画化権を獲得した製作者のマグナーニは、2010年
にドイツで“Iron Doors”という3Dファンタシー作品を発
表している他、現在は2014年の公開を目指して昨年2月紹介
『スーパー・チューズデー』などのエヴァン・レイチェル・
ウッド主演によるコメディ作品がpre-productionとなってお
り、経歴などは判明しなかったが、SF/ファンタシー系の
作品の実績はあるようだ。
 なお映画化の脚本は“Iron Doors”も手掛けたピーター・
アーネスンが担当しているが、こちらも経歴は不明だった。
因に“Iron Doors”の監督はスティーヴン・マヌエルという
人が担当していたものだ。
 まあこの先どうなるかも不明の作品だが、原作者のC・J
・チェリーは上記の受賞作品の翻訳もあるので、映画化が実
現したら日本公開も期待したいものだ。
        *         *
 お次は新たなシリーズの開幕で、今年10月にイギリスのペ
ンギンブックスから出版予定のマーカス・ブレイク原作によ
る新作“Atlantis: Revelation”の映画化を、出版社と前回
第190回でも紹介した元ニューラインのプロデューサー=ア

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04月16日(火)
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