ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459994hit]

■監禁探偵、タニタ…食堂、17歳のエンディングN、私は王である、ライジングD、燃える仏像人間、きっとうまくいく、ソラから来た転校生
そういうイメージなのだなあとは感じられたものだ。
他に、2011年1月紹介『婚前特急』などの浜野謙太、2006年
5月紹介『ハチミツとクローバー』などの宮崎吐夢、2008年
8月紹介『花は散れども』などの小林きな子、そして草刈正
雄らが脇を固めている。さらに話題の壇蜜も出演している。
その一方で、本作の本来の主役である料理は、2006年1月紹
介『かもめ食堂』以来、数多くの映画作品に登場する料理を
手掛けてきたフードスタイリストの飯島奈美が担当。原作の
レシピに従った美味しそうな料理を紹介している。
最初にフィクションですと明記されるが、会社の上層部をお
ちょくったような部分もあって、それを許す会社の度量にも
感心する。しかも会社名は実名だし、会社の玄関口などは現
地ロケのようにも見え、会社は全面協力のようだ。
ただし、映画の全体は前向きな作品で、そのメッセージ性も
しっかりと出ている。どのような観客層がいるのか今一つ掴
めない作品だが、美味そうな料理も沢山見られるし、それで
ハッピーになれること間違いなしの作品だ。

『17歳のエンディングノート』“Now Is Good”
ダコタ・ファニングの主演で、17歳で余命を宣告された女性
の姿を描いた作品。
実は昨年、若い知人をガンで亡くして、この作品を冷静に観
ていられるか不安だった。その知人は最後まで何も知らされ
ずに逝ってしまったが、本作の主人公は自らの選択で死期を
迎える。そのどちらが良かったのかも考えさせられた。
本作の主人公は17歳の少女。彼女は血液のガンに冒され、現
在行っている抗ガン治療を続けても大人になるまでは生きら
れないことを知る。そこで彼女は治療をやめ、余命の9ヶ月
を精一杯生きることを選択する。
こうして抗ガン剤を入れるチューブも引き抜いた主人公は、
残りの9ヶ月で一生分を経験するための「TO DO リスト」を
作成する。そしてそのリストを実行し始めるが…。そこには
普通の少女が考えるある項目だけはなかった。
死期を悟った主人公がリストを作って、それを実行するとい
う作品は、2003年8月紹介『死ぬまでにしたい10のこと』
や、2008年3月紹介『最高の人生の見つけ方』など、今まで
にもいろいろあったと思うが、本作は特に切ない。
僕自身は、さらにそれを現実的に受け止める状況だったとも
言える。しかし作品は単純なお涙頂戴で描くことはせず、む
しろそんな状況にもめげない主人公の強さを描いて、その姿
が残される者への贈り物であるような作品だった。
従って僕は、鑑賞中は涙することも少なく、温かい気持ちで
作品を観終えることができた。
物語はイギリスの文学賞を受賞したジェニー・ダウンハムの
ベストセラー原作に基づくもので、脚本と監督は、昨年10月
紹介『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の脚本を手
掛けたオル・パーカー。自身の監督は2作目のものだ。
共演は、2011年12月紹介『戦火の馬』で映画デビューを飾っ
たジェレミー・アーヴァイン。2011年の監督デビュー作『思
秋期』では各地の映画祭を席巻したパディ・コンシダイン。
2010年1月紹介『17歳の肖像』などのオリヴィア・ウィリ
アムズ。2010年11月紹介『月に囚われた男』に出ていたとい
うカヤ・スコデラリオらが脇を固めている。
因にファニングは、以前に妹エルとの共演で同じような役柄
をオファーされたが蹴ったことがあり、今回は満を持しての
挑戦かもしれない。撮影はロンドンとブライトンで行われ、
ファニングのセリフはイギリス風のアクセントになっている
そうだ。

『私は王である!』“나는 왕이로소이다”
現代に続くハングル文字の制定でも知られ、現行の紙幣の肖
像画にもなっていて、韓国史上で最も偉大な国王と言われる
世宗大王の誕生を描いた歴史ドラマ。
西暦1418年。国王の太宗は、王位継承者である長男・譲寧の
度重なる問題行動を案じ、三男・忠寧に王位継承者の地位を
与える。そして太宗は反対する重臣らを排除して決定を推し

[5]続きを読む

03月30日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る