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On the Production
by 井口健二
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■オース!バタヤン、スタンリーのお弁当箱、ジャックと天空の巨人、インポッシブル、容疑者X、DRAGON BALL Z、隣人、旅歌ダイアリー
てしまったところだ。
とは言え、インドには現在でも1200万人の児童労働者がいる
のだそうで、IT産業の発展では近い将来に経済大国になる
とも言われる国の、真の姿が見事に描かれた作品とも言える
ものだ。
脚本と監督は、長年児童映画の制作に携わってきたというア
モール・グプテ。実は、2007年にインドで1600万ドルを上げ
たヒット作の脚本家としてメジャーデビューをした人だが、
その作品も本当は監督する予定だったものが事情で降板した
とのことで、本作は満を持しての作品のようだ。
そして主人公のスタンリーを演じるのは、監督の息子のバル
ソー君。父親が脚本を務めた作品のワークショップに参加し
て演技に興味を持ち、その父親が母校で開いたワークショッ
プに参加したらそれが本作だったそうだ。
従ってそれは演技かどうかも判らないものだが、その自然さ
でインド最大の映画祭「ナショナル・フィルムアワード」の
最優秀子役賞や、イタリア・ジフォニー映画祭での受賞など
も果たしている。
映画には様々なお弁当が登場し、その一部のレシピはプレス
資料にも紹介されていたが、都内のインド料理店などで再現
キャンペーンを張ってもいいのではないかと思えるほどの、
美味しそうなものばかりだった。
『ジャックと天空の巨人』“Jack the Giant Slayer”
2006年7月紹介『スーパーマン・リターンズ』などのブライ
アン・シンガー監督が、大英博物館所蔵のアングロサクソン
民話に基づくとされる「ジャックと豆の木」に想を得たダー
レン・レムケの原案から、今年1月紹介『アウトロー』など
のクリストファー・マッカリーが完成した脚本で描いた冒険
ファンタシー。
因にマッカリーは、1995年『ユージアル・サスペクツ』など
シンガー監督の他の作品も手掛けている。
物語は中世のイギリスが舞台。そのとある王国には、過去に
天空の巨人が襲ってきたという伝説があった。しかしそれも
遠い話となり、今の王室内は冒険好きな姫を巡る世継ぎ問題
の最中だった。
一方、町外れの農家に住むジャックには両親がなく叔父の世
話になっていたが、叔父から頼まれた馬を城内に売りに行っ
た時、衛兵に追われた修道士から無理やり馬と豆とを交換さ
せられてしまう。
そして豆を持ち帰ったジャックは、当然叔父から叱られてし
まうのだが…。ある雨の日、雨宿りにやってきた女性(姫)
とジャックは、突然床下から伸びてきた天にも届く豆の木に
よって飛んでもない冒険に巻き込まれることになる。
「ジャックと豆の木」の映像化では、ディズニー・アニメー
ションの『ミッキーの巨人退治』が大好きで、その中では巨
人の食卓に並んだ巨大なゼリーの中を泳ぐシーンなどが羨望
だったものだ。
そんなおとぎ話に比べると、本作には金の卵を産むガチョウ
や、自ら歌う竪琴も出てこないし、銀貨を生み出す袋も登場
はしない。しかしそれに相応の物語はリアルだし、3Dの映
像も見事に描かれているものだ。
出演は、2002年7月紹介『アバウト・ア・ボーイ』で少年役
を演じたニコラス・ホルト、2008年3月紹介『幻影師アイゼ
ンハイム』に出ていたというエレノア・トムリンスン。
また、2011年8月紹介『キャプテン・アメリカ』などのスタ
ンリー・トゥッチ、2012年6月紹介『スノーホワイト』など
のイアン・マクシェーン、『POTC』などのビル・ナイ、
そしてユアン・マクレガーらが脇を固めている。
全米では、前々回紹介『オズ はじまりの戦い』の1週間前
に公開されて、翌週には後塵を拝する状況になったが、これ
から公開される海外では逆転の可能性もある。
実際にサム・ライミ監督のマニアックな作品は、アメリカ人
以外には厳しい面が有り、その点では本作の方が万人に理解
しやすく感じられるものだ。さて日本の結果は…
『インポッシブル』“Lo imposible”
ナオミ・ワッツが米アカデミー賞とゴールデングローブ賞の
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03月20日(水)
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