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On the Production
by 井口健二
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■アンタッチャブルズ、キング・オブ・M、ヒステリア、ロイヤル・アフェア、旅立ちの島唄、セデック・バレ、ヒッチコック、恋する歯車
婦役で共演していたスーザン・サランドン、2008年9月紹介
『ファニー・ゲームU.S.A.』などのティム・ロス。
さらに2011年1月紹介『ゲンスブールと女たち』でブリジッ
ト・バルドーに扮していたレティシア・カスタ、1982年生ま
れで第2のジョディ・フォスターと称されるブリット・マー
リング、2012年に第2次大戦中の黒人飛行兵の活躍を描いた
話題作“Red Tails”に出演のネイト・パーカーらが脇を固
めている。
脚本と監督は、ドキュメンタリーの出身で本作が長編映画デ
ビュー作のニコラス・ジャレッキー。因にドキュメンタリー
では、2005年に映画監督ジェームズ・トバックらを被写体に
した“The Outsider”という作品で高評価を受けている。
映画の後半には警察の過剰捜査の様子なども描かれ、それが
主人公に感情移入をもたらす要素にもなっている。その辺の
構成も巧みな作品と言えそうだ。

『ヒステリア』“Hysteria”
以前は女性特有の病気とされ、一部は外科手術の対象にされ
たとも言われるヒステリーを巡る実話に基づく作品。
時代は1800年代、英国ヴィクトリア王朝の最盛期。未だに古
い因習が蔓延るロンドンでは、革新的な病原菌論を唱える若
き医師モーティマーは職場を転々とせざるを得なかった。そ
んなモーティマーが雇われたのは、女性治療では市中一と言
われるダリンブルの治療院。
そこには@すぐに泣く、A異常性欲、B不感症、C心配症と
いった女性特有の病ヒステリーに罹った女性たちが列をなし
ていた。そしてそこで行われていたのはある特別な治療法。
その治療院に助手として雇われたモーティマーは、さらに多
くの患者を集めるようになるが…。
熱心に治療を行ったモーティマーを腱鞘炎の痛みが襲う。そ
のため治療が不首尾になった彼は再び失職。その失意の中で
友人の発明家の許を訪れたモーティマーは、友人が発明した
電動器具の動きからあることを思いつく。その一方で革新的
な1人の女性がヒステリーを巡る裁判にかけられ…
出演は、昨年11月紹介『マーサ、あるいはマーシー・メイ』
などのヒュー・ダンシー、2008年8月紹介『かけひきは、恋
のはじまり』などのジョナサン・プライス、2008年7月紹介
『ダークナイト』などのマギー・ギレンホール。
また、2月1日付第186回“The Amazing Spider-Man 2”の
記事でも紹介した2011年5月紹介『テンペスト』のフェリシ
ティ・ジョーンズ、2003年5月紹介『Bモンキー』などのル
パート・エヴェレット、今年1月紹介『カルテット!』など
のシェリダン・スミスらが脇を固めている。
監督は、オスカー受賞撮影監督ハスケル・ウェクスラーの姪
というターニャ・ウェクスラー。監督は本作が3作目。脚本
は、2004年『ポーラー・エクスプレス』の脚本に関ったとい
うジョナー・リサ・ダイヤーと、兄で製作者のスティーヴン
・ダイヤーが担当した。
エンディングクレジットの横には、本作に登場する電動器具
のその後の歴史を語るコレクションも紹介されていて、その
中の1品は日本製だったようだ。それはプレス資料に掲載の
写真からはカットされていたが、何となく子供時代に見た記
憶もあったものだ。
そんなことも思い出させてくれる作品だった。

『ロイヤル・アフェア/愛と欲望の王宮』
                “En kongelig affære”
18世紀後半のデンマーク王朝を襲った歴史的事件の顛末を描
き、今年の米アカデミー賞外国語映画部門で、5候補の内の
1本に選ばれている作品。
物語の始まりは1766年。英国王太子の娘カロリーネは故郷を
離れ、デンマーク王クリスチャン7世の許に嫁いでくる。し
かし精神不安定な国王は、最初の晩餐会の席でカロリーネを
侮辱するなど、カロリーネの期待は裏切られてしまう。
それでも王子を誕生させたカロリーネだったが、唯一の友で
あった女官を追放されるなど、王宮での孤独を深めて行く。
さらに国王はそんな王妃を残し、視察と称する長期の外遊に
出発してしまう。

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02月05日(火)
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