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On the Production
by 井口健二
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■第184回 (Star Wars, Golden Globe Awards, Riddick, Jupiter Ascending, Alice in Wonderland sq., Best10)
れた。こちらはルーカスフィルムとディズニーの両社が公式
に認めたものだ。
 ところがその直後の11月21日には、“Episode VIII”の脚
本に“Star Wars: Episode V,VI”を手掛けたローレンス・
カスダンと、“Episode IX”の脚本には、2011年マシュー・
ヴォーンが監督を務めた『X-MEN: ファースト・ジェネレー
ション』などの脚本家サイモン・キンバーグが起用されると
の情報が流れた。つまり“Star Wars”の新3部作は、1作
ごとに脚本家が変わるということだ。
 しかしこの新3部作が以前と同じ3年1作のペースで製作
されるのなら、脚本家を3人も用意する必要があるのか?
しかも名前の挙がっている3人は、アーントも含めて全員が
シリーズ物には慣れている脚本家たちだ。
 このことから2015年にスタートする新3部作は、ピーター
・ジャクスン監督の『LOTR』“The Hobbit”と同じく、
一気に撮影して3年連続で公開されるのではないか…という
観測も登場した。さらには実際はアーントが全作の脚本を書
くが、それが間に合わない時のバックアップ用に2人が契約
されているという説まで出ている。
 一方、出演者に関しては、最初の3部作の出演者だったマ
ーク・ハミルとキャリー・フィッシャーが8月にルーカスと
会食し、その席でルーカスの口から新3部作の計画が話され
ていたことが、ディズニーによる買収発表の後で明らかにさ
れた。
 その情報によると、会食では最初にルーカス自身の引退の
話と、以前の2つの3部作の間を繋ぐ実写版TVシリーズの
構想が話された後で、突然「Episode VII-IXを作る」と切り
出されたのだそうだ。その瞬間ハミルは「何てこと言うの」
と口走ったそうだが、ルーカスは「誰よりも先に2人に知っ
ておいて欲しかった。でも公表されるまでは内緒だよ」と釘
も刺されたとのことだ。
 またルーカスは、すでに脚本家との話し合いが行われてい
ることと、ルーカス自身は監督はしないとも語ったそうだ。
そしてこの報道の後では、ハミルとフィッシャーが新3部作
に出演するという噂も登場していた。
 一方、最初の3部作の主役トリオの中のもう1人ハリスン
・フォードは、“Episode VII”の製作が発表された後で新
3部作に出演する意思があることを表明。その中でフォード
は、実は“Episode VI”の当初のシナリオではハン・ソロは
死ぬことになっていたと発言。撮影の開始後にルーカスが気
を変えてハン・ソロを生き延びさせたとの裏話を公開した。
 つまりこの証言は、その時点ではルーカスに続編の構想が
あったことの傍証にもなる訳で、それが何故「そのような計
画は最初から無い」という発言になったのか、一層の疑問が
湧いてきたものだ。
 そこで以下は僕の勝手な想像だが、ルーカスの頭の中には
ずっと全9部作の構想はあったものと考える。しかしそれを
公にできない理由があった。そこには以前のシリーズの配給
会社との間で確執があったのではないかといことだ。実際に
ルーカスと配給会社との間では、“Episode IV”の公開に際
して揉め事があったとも伝えられているし、それが尾を引い
て“Episode I”の製作が遅れたという説もあるようだ。
 そこで全9部作の構想が最初からあったとされると、今回
の“Episode VII-IX”に関してもその配給権が存在し、ルー
カスは元の配給会社以外ではその作品を公開できないことに
なる。これはハリウッドにおける「口約束」の原則として、
書面による契約がなくても守られることが裁判所の判例とし
て存在するものだ。
 しかしそれが嫌なルーカスは、「そのような計画は最初か
ら無い」との主張を繰り返し、それが既定の事実となった後
に、新たな構想として“Episode VII-IX”を作らなければな
らなかった。今回の新3部作の制作発表までの経緯は、こん
な風ではなかったかと想像するものだ。まあこの経緯はルー
カスの口からは絶対に明かされることはないと思うが。
 ということで、計画発表から2ヶ月経った12月21日には、

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01月01日(火)
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