ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ガレキとラジオ、ボクたちの…、ゼロ・ダーク・サーティ、グレイヴE2/モスキートM、アウトロー、幕末奇譚、わすれないふくしま、約束
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『ガレキとラジオ』
東日本大震災関連のドキュメンタリー。あれだけの災害だと
実にいろいろなことが起きているもので、本作では震災後に
宮城県南三陸町で送信されたFM局の奮闘が描かれる。
放送開始は2011年5月17日。スタジオは南三陸町の避難所と
なっていた体育館の片隅。その放送局「FMみなさん」は、
元サラリーマンや元トラック運転手など、放送など未経験の
9人の男女によって運営が開始された。
このラジオ局は、基本的には町民に防災や避難情報などを届
けるための南三陸町の行政による事業のようだが、支給され
る給与は微々たるもの。しかしそれから10ヶ月、町民に笑顔
を取り戻そうと9人は奮闘した。
それはもちろん素人のやっていることだから、放送事故はあ
るし、取材に行っても反省はしきりだ。そんな中でも徐々に
手応えを掴んでい行く彼らは、町の財政の関係で放送の終了
が決まってからも最後のイヴェントに奔走する。
何故その放送に参加したかという問いに対する彼らの答えは
「他にすることがなかった」みたいな、通り一遍のものが多
かったようだが、実際にその通りだったのかもしれない。だ
がそんな彼らが使命感に目覚めて行く。
この作品は、そんな人間が今なすべきこと、何かを始めるこ
とで何かが変わって行く…そんなメッセージが伝わってくる
作品だった。それは被災地だけではない、日本の全国民に向
けたメッセージのようにも感じられる作品だ。
監督は、CMクリエーターの梅村太郎と、テレビ構成作家の
塚原一成。学生時代からの友人同士だった2人が震災の直後
に「兎に角、自分に出来ることをしよう」と思い立ち、本業
の傍ら1年を掛けて完成させた作品となっている。
なお、ナレーターを作品の趣旨に賛同した役所広司が務め、
主題歌は仙台に拠点を置くロックバンドのMONKEY MAJIKが担
当している。
作品の後半では、外にいる人間には判らない現実の厳しさみ
たいなものも描かれるし、イヴェントに参加するため訪れた
タレントが号泣する姿には、今更ながらと思いながらも改め
てその爪痕の大きさを突きつけられる感じもした。
東日本大震災関連のドキュメンタリーは、すでに何本紹介し
たかも勘定できない状況だが、その中でもまだまだいろんな
ことが起きているのだと感じさせる作品だった。
『ボクたちの交換日記』
2005年11月に『ピーナッツ』という作品を紹介しているお笑
いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良の脚本・監督
による第2回作品。2008年8月紹介『ハンサム★スーツ』な
どの鈴木おさむの原作「芸人交換日記〜イエローハーツの物
語〜」からの映画化。
主人公は、芸歴は結成12年だが売れているというには程遠い
お笑いコンビ「房総スイマーズ」。年齢も30歳目前となって
おり、10年以上もコンビをやっていると普段の会話もまばら
になっている。
そんな2人が現状打破のために交換日記を開始する。それは
最初はコンビの片割れから一方的に提案されたもので、もう
1人は当初は反発もするが、それが腹蔵のない意見の交換と
なり、2人は徐々にやる気を取り戻してゆく。
そんな折に2人は、彼らを駆け出し時代から知るテレビプロ
デューサーに、新たなお笑いコンテスト番組への参加を提案
される。それは起死回生のチャンスになるはずだったが…。
それが2人に決定的な転機をもたらしてしまう。
出演は、2010年3月紹介『矢島美容室−THE MOVIE−』など
の伊藤淳史と、2008年3月紹介『僕の彼女はサイボーグ』な
どの小出恵介。他に、2009年3月紹介『群青』などの長澤ま
さみ、昨年2月紹介『ポテチ』などの木村文乃、『桜蘭高校
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01月10日(木)
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