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On the Production
by 井口健二
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■ムーンライズK、ダイナソーP、世界にひとつの…、マキシマムB、ジョニー・トー、シャドー・ダンサー、ゴースト・フライト、ザ・マスター
に乗っていたり、右腕だった隊員が突然功名心にとりつかれ
て殺人鬼になったりと、まずは恐竜に関係ないものばかり、
これでは本当に何が言いたいのか判らなくなってしまう。
しかもこの種の作品では、最終的に素材の回収が問題になる
が、ウェブカメラの映像は無線でハードディスクにリンクさ
れていたとしても、カメラマンのヴィデオテープはどうして
回収されたのかなど、詰めの甘い部分も多く見られた。
こんな風にツッコミどころは満載の作品だが、水中を泳ぐプ
レシオザウルスの姿や、登場人物と絡む小型恐竜の様子など
は、流石に一頭地を抜くと称されるCGIや合成も巧みで、
それは見ものになっている。それで良いのだろう。
出演は今年11月紹介『レッド・ライト』に出ていたピーター
・ブルーク、9月紹介『アルゴ』に出ていたリチャード・デ
ィラン、そして本作で長編映画デビューのマット・ケーン。
他に、2009年にアパルトヘイトを扱った“Endgame”に出演
のスティーヴ・ジェンキンス、昨年11月紹介『マシンガン・
プリーチャー』に出演のアベナ・アイヴォー、それに英国の
テレビ俳優ナターシャ・ローリングらが脇を固めている。
『世界にひとつのプレイブック』
“Silver Linings Playbook”
2010年4月紹介『ハングオーバー』などのブラッドリー・ク
ーパーと、2011年8月紹介『ウィンターズ・ボーン』や今年
7月紹介『ハンガーゲーム』で大ヒットを記録したジェニフ
ァー・ローレンスの共演によるヒューマンコメディ。
主人公は、妻の不倫現場に遭遇し、その相手を打ちのめして
しまった元教師。その傷害罪は精神病院に入院することで解
消されるが、退院しても接近禁止命令の出ている元妻の姿を
追い求め、精神的には不安定なままだ。しかも彼は、自分が
健康になれば妻は戻ってくると信じ鍛錬を続けている。
そんな主人公が友人の伝で知り合った女性もまた、夫を亡く
し精神の破綻を経験していた。そして彼女は性的欲求が過剰
となり、紹介された主人公に猛烈なアタックをかけ始める。
クーパーの主演でこの展開だと、飛んでもない話が始まりそ
うだが、映画は各賞の候補にも挙がる名品だ。
物語が精神病院で始まり、その後にも主人公の奇矯な行動が
続いて行く。その辺では正直には多少引いてしまうシーンも
なくは無かった。しかし、そんなどん底から立ち直って行く
主人公の姿がどこか愛おしく、応援したくなるようにも描か
れていた。
共演は、ロバート・デ・ニーロ、昨年11月紹介『アニマル・
キングダム』などのジャッキー・ウィーヴァー、『ラッシュ
アワー』シリーズなどのクリス・タッカー。
脚本と監督は、2005年5月紹介『ハッカビーズ』や2010年の
オスカー受賞作『ザ・ファイター』などのデヴィッド・O・
ラッセル。監督は、共にオスカー受賞監督のシドニー・ポラ
ック、アンソニー・ミンゲラから本作の原作を紹介され、以
来5年をかけて実現に漕ぎ着けている。
精神病が国民病のようでもあるアメリカ、近年の日本もそれ
に近い状況であるとも思えるが、そんな中で何時自分自身が
同じ状況に陥るかもしれない。そんな身近さも感じられる作
品。因にクーパーは名門アクターズ・ステューディオの出身
なのだそうで、名門仕込みの演技も魅せる作品だ。
それに出演作が連続するローレンスも、本作もまたキャラク
ターの異常さと女性の魅力を存分に見せつける名演技で、特
にデ・ニーロとの対決シーンは、内容の痛快さもあって見事
だった。
『マキシマム・ブロウ』“The Package”
2006年3月紹介『ロンゲスト・ヤード』が映画俳優デビュー
だった元プロレスラーのスティーヴ・オースティンと、今年
9月紹介『ユニバーサル・ソルジャー殺戮の黙示録』に出演
のドルフ・ラングレンが共演するアクション作品。
オースティンが演じるのは、闇金融の取り立て屋で生計を立
てているしがない男。その仕事には嫌気が差しているが、家
族のためには続けなければならない。そんな男にボスから新
たな仕事が命じられる。
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12月30日(日)
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