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On the Production
by 井口健二
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■奪命金、ホビット、王になった男、キャビン、ブレイキング・ドーン、クラウド・アトラス、レ・ミゼラブル、ライフ・オブ・パイ
ミティッジ、12月紹介『英雄の証明』などのジェイムズ・ネ
スビット。
さらにケイト・ブランシェット、イアン・ホルム、クリスト
ファー・リー、ヒューゴ・ウィーヴィング、イライジャ・ウ
ッド、アンディ・サーキスらが『LOTR』と同じ役柄で登
場する。なおサーキスは第2班監督も務めていたようだ。
ジャクスンは監督と脚本・製作も担当しているが、脚本には
『LOTR』のフラン・ウォルシュとフィリッパ・ボウエン
の他、一時は監督も予定されていたギレルモ・デル・トロの
名前も加えられていた。デル・トロにはプロダクション・コ
ンサルタントという肩書きも付けられていた。
なお撮影は、商業映画では初となる毎秒48フレームで行われ
ており、3D上映の一部ではハイフレームレート(HFR)
3D方式も採用される。因に完成披露試写はこの方式で行わ
れたが、確かに映像は緻密だったようだ。

『王になった男』“광해, 왕이 된 남자”
李氏朝鮮王朝の第15代国王であり、暴君として廃位されたと
いう光海君を、2004年10月紹介『誰にでも秘密がある』など
のイ・ビョンホンの主演で描いた作品。なお本作は、イ初の
王朝時代劇ということでも話題のようだ。
時代は17世紀。海を越えて来襲した豊臣軍との戦いで武勲を
上げた光海君は、前王の庶子であり次男という身分であった
が王位に着く。しかし嫡流を重んじる朝廷内では大北派と西
人派が対立し、大北派を支持する光海君は西人派を粛清して
王位を磐石なものとする。
だがその行為は、彼を暴君と言わしめることになる。そして
それでも西人派の報復を恐れる光海君は、ある手段を講じて
その攻撃をかわそうとするのだが…。
その一方で光海君は、江戸幕府との和議を結んだり、大同法
を導入するなどの改革を行い、戦乱で疲弊した国内の建て直
しを図る。また明と後金の双方との外交関係を維持する中立
外交政策を採るなど、国内の安定化を推進。このため現代で
は再評価も行われているようだ。
しかしその暴君と、民政・外交への貢献の二面性がなぜ生じ
たのか、光海君の日記に残された「隠すべきことは、残すべ
からず」の一文を基に、その「隠すべきこと」を巡って大胆
な仮説が構築される。
共演は、今年8月紹介『高地戦』などのリュ・スンリョン、
1月紹介『マイウェイ』などのキム・イングォン、7月紹介
『トガニ』などのチャン・グァン、5月紹介『サニー』など
のシム・ウンギョン。さらに2007年12月紹介『アドリブナイ
ト』などのハン・ヒョンジュが王妃役を演じる。
監督は今年10月紹介『拝啓、愛してます』などのチュ・チャ
ンミンが担当し、脚本は、2006年4月紹介『春の日のクマは
好きですか?』などのファン・ジョユンが手掛けている。
多分、物語は史実ではないのだろうけど、二面性を持った王
の謎を解くにはうまい手立てだったと言えるものだ。そして
その二面性をイが巧みに演じている。特に本来の姿に戻る一
瞬の演技はなるほどと思わせる。
虚実を巧みに織り合わせた作品。ただし史実に整合させるた
めに描かれる部分は、仕方がないとは言えかなり辛いものに
もなっていた。

『キャビン』“The Cabin in the Woods”
今年6月紹介『アベンジャーズ』を監督したジョス・ウェド
ンと、2008年『クローバーフィールド』の脚本を手掛けたド
リュー・ゴダードが手を組み、共同の脚本でゴダードの監督
デビュー作として完成されたホラー風味のSF作品。因にこ
の2人は、テレビの『バフィー〜恋する十字架〜』を通じて
繋がりがあるようだ。
舞台は森の奥に立つ一軒家。そこに男女5人の若者グループ
が休暇でやってくる。そして彼らに惨劇が襲い掛かる…とい
う、実によくあるホラーパターンで物語は開幕する。しかし
彼らの車がトンネルを抜けた時にチラリと何かが見えたりし
て、物語の背景が尋常でないことは明示されている。
宣伝コピーには「予想は裏切られる」というような言葉があ

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12月09日(日)
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