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On the Production
by 井口健二
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■パーティは銭湯から…、虚空の鎮魂歌、サイバーゲドン、天のしずく、人生の特等席、最初の人間、ユニバーサル・ソルジャー+World's End
ーとミニモイ』シリーズではフランス語版の声優を務めてい
たマルク・ラヴォワースらが脇を固めている。
警察内部の正義と悪みたいなものが巧みに描かれ、さらにそ
れに並行したより深い人間ドラマも描かれる。そこに女性の
配し方も巧みで、近年は香港ノアールに押され気味だったフ
レンチ・ノアールもまだまだ健在を主張しているような作品
だ。
なお、すでに公開されている『漆黒の闇で、パリに踊れ』も
ロシュディ・ゼムの主演で、こちらも初老の刑事が主人公。
ただしこの主人公にはいろいろ問題があるらしく、彼が夜間
の歓楽街で行う巡回には、運転手として女性刑事が付けられ
ている。彼女が主人公の見張り役であることは主人公もお見
通しだ。そんな男女の刑事が巡回する1夜のパリで、様々な
人間模様が描かれる。
共演は、2011年9月紹介『風にそよぐ草』などのサラ・フォ
レスティエ、2001年10月紹介『ジェヴォーダンの獣』などの
サミュエル・ル・ビアン。
深夜のパリの風景が観光映画のようにも登場するが、これも
フレンチ・ノアールの真骨頂という感じの作品だ。
『サイバーゲドン』“Cybergeddon”
本作はすでに9月25日からYahoo!限定で世界25ヵ国個以上、
10以上の言語で無料配信されているもので、日本でもGyaO!
を通じて観ることができる。その作品の劇場での試写が24日
に1回だけ行われたもので、公開後ではあるが特殊な作品で
もあり、ここに記録として紹介しておくことにする。
タイトルはCyber+Harmageddonのつもりかな。物語は、サイ
バーテロによる究極の破壊工作を描くものだ。そして主人公
は、FBIのサイバーテロ対策部に勤務する女性エージェン
トのクロエ。彼女は違法スレスレの捜査で大物サイバーテロ
リストの逮捕に成功するが…
その1年後、一見関連のない膨大なサイバー攻撃を調査する
クロエたちの前に衝撃の事実が浮かび上がる。それは攻撃の
プログラムがかつてクロエの開発したものであり、さらにク
ロエの財政状態などが改ざんされ、彼女には攻撃の動機もあ
るとされたのだ。
この事態にFBIは直ちにクロエの拘束に踏み切るが、その
急場を巧みに切り抜けたクロエは、昔のハッカー仲間なども
引き込み、全世界規模のサイバー攻撃に対峙してゆくことに
なる。しかしそこにはFBIの追求も厳しさを増していた。
果たしてクロエは究極の破壊工作を阻止できるか?
主演は、TVドラマ『ルーキーブルー』や『ヒーローズ』で
もレギュラーだったミッシー・ペグレム。共演は2003年8月
紹介『S.W.A.T.』などのオリヴィエ・マルティネス、2008年
5月紹介『スピード・レーサー』などのキック・ガリー、ド
ラマのゲストや短編映画に出ているマニー・モンタナ。
製作総指揮は、ドラマ『CSI:科学捜査班』などを手掛け
るアンソニー・E・ズイカー。なお、本作の制作に当っては
ネットセキュリーのノートンが全面協力しているようだ。
作品は、1話10分の物語が1日3話ずつ3日間の計90分で構
成されているもので、その1話ごとに起承転結するものだか
らこれは目まぐるしい。実は試写は多少睡眠不足の状態で観
たが、その睡魔など吹っ飛ぶ勢いだった。
ただそれは基本がテレビドラマのノリで、じっくりと人間の
ドラマが描けているものではない。例えばクライマックスな
どは、せっかく主人公の行動が生中継されているという設定
なら、世界中が注目して応援しているようなシーンが挿入さ
れれば、それなりの感動もあったと思うものだが。
でもまあそれは無い物ねだりという事だろう。因に、物語は
次回があるように終っていたものだ。
『天のしずく』
料理研究家で作家の辰巳芳子を撮影したドキュメンタリー。
辰巳は「いのちのスープ」と呼ばれるポタージュスープを提
唱し、それは全国の生産者に支えられ、また鎌倉の自宅で開
催される料理教室には数多くの支援者も集まっている。そし
てそのスープは、終末医療の現場などでも関心を呼んでいる
ようだ。
そんな辰巳の姿とその周囲の人々、さらには辰巳の歩んでき
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09月30日(日)
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