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On the Production
by 井口健二
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■大恐竜時代、モンスター・ホテル、自縄自縛の私、ファースト・ポジション、アパートメント:143、長良川ド根性、ELEVATOR、4:44
まあ出てくるは出てくるは、ユニヴァーサルからハマーまで
世界中のホラー映画の主人公たちが続々と登場。それぞれが
キャラクターに合わせたギャグをかませてくれる。それはマ
ニア受けもあるが、ほとんどは定番のもので、その辺は多分
日本の観客でも笑えるものになっているものだ。
正直に言ってサンドラーのコメディは、アメリカ文化に根差
しているので日本の観客には多少難しい面もあるが、本作に
関しては最近の吸血鬼ブームにも乗っているものだし、多分
今回は大丈夫と思われる。
監督は、2003年‐05年放送の“Star Wars: Clone Wars”を
手掛けたゲンディ・タルコフスキー。脚本は2007年4月紹介
『ボラット』などのピーター・ベイナムと、『サタデー・ナ
イト・ライヴ』のロバート・スミゲルが共同で執筆した。
なお、日本公開は吹替版限定となるもので、その声優は山寺
宏一、川島海荷、藤森慎吾、クリス松村らが担当している。
因にオリジナルは、サンドラーの他に、セレーナ・ゴメス、
アンディ・サンバーグ、さらにスティーヴ・ブシェミらが当
てていたようだ。
『R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私』
2008年「女による女のためのR‐18文学大賞」を受賞した
蛭田亜沙子原作小説を、2009年6月紹介『山形スクリーム』
などの竹中直人監督で映画化した作品。
主人公の百合亜は、広告代理店でチームリーダーを任されて
いる女性。しかし部下は全くの新人の男性と中途採用の年上
の女性。さらに我儘な上司や冷淡な常務もいて、新たなコン
ペに参加を決めてからはストレスが溜まる一方だ。
そんな百合亜の密かな楽しみは自縛。学生時代にふと始めた
がある事情から自ら封印していた楽しみが、今はストレス解
消の手立てとなっている。そして同時に始めたブログでは、
同好の中年紳士ともネット上の交流を深めて行く。
そしてその交流の中で、徐々に互いの楽しみをエスカレート
させて行った百合亜は、それによって仕事場でも次々に成果
を挙げて行けるようになるが…。それが飛んでもない事態を
招いてしまう。
主演は、今年6月紹介『るろうに剣心』に出ていた平田薫。
共演は、2011年9月紹介『スマグラー』などの安藤政信、お
笑い芸人ピースの綾部祐二、2011年10月紹介『月光の仮面』
などの津田寛治。他に、山内圭哉、馬渕英俚可、米原幸祐、
銀粉蝶らが脇を固めている。
平田はナチュラルな雰囲気の中にかなり大胆なシーンもあっ
て、まあ元々が自縛癖という大変なテーマではあるが、それ
をある種の共感も持てるように巧みに演じていた。そこには
卑猥さも少なく、清々しさすら感じられたのは女優のキャラ
クターのおかげもありそうだ。
因に竹中監督の言葉によると、平田にはできるだけ喋らない
ように演出したのだそうで、そんな物静かだが大胆な女性の
姿が見事に描かれていた。それに結末にちょっとホッとする
気分になれるのも良い感じの作品だった。
それにしても最近は、7月に紹介した『ナナとカオル』など
SMを描いた作品を時折見掛けるが、そんなブームになって
いるのだろうか。
なお題名には「R-18文学賞 vol.1」とあるが、今年第11回を
迎えた公募文学賞にはすでに21の受賞作があるようだ。その
内、他の受賞作品も映画化する計画なのかな? ただし今回
の映画化は第7回の大賞受賞作だが、その翌年の第8回大賞
作品は窪美澄の「ミクマリ」で、これは今年7月に紹介した
『ふがいない僕は空を見た』の原作本に所載のものだ。
『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』
“First Position”
毎年4月にニューヨークで開催されるユース・アメリカ・グ
ランプリ。そこには世界有数のバレエスクールの関係者が集
まり、そこで各校の翌年の奨学生が選ばれる全世界に門戸の
開かれたバレエコンテストだ。そこに参加する若きバレエダ
ンサーたちの姿を描いたドキュメンタリー。
登場するのは、11歳から17歳までの6人の少年少女。因にグ
ランプリの出場資格は9歳から19歳までだ。
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09月23日(日)
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