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On the Production
by 井口健二
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■聴こえてるふり、夏の祈り、ハンガーゲーム、東野圭吾“笑”、コッホ先生、強奪のトライアングル、プロメテウス、空飛ぶペンギン
たが、大学側がそれを拒否したという報道を思い出した。本
作を見れば放射能の末代に続く危険性は明らかになる。
そんな中で、どれだけの資金提供の結果なのか次々に原発の
再開が決定されて行く。この作品はそんな国に住む我々の未
来にも大きな警鐘を鳴らしている。
なお映画のナレーションは、2009年11月紹介『人間失格』な
どの寺島しのぶが担当。またサウンドトラックでは、『ネム
リユスリカ』にも登場したピアニストの小林愛実と、同じく
国際舞台で活躍するフルーティストの新村理々愛という2人
の10代の演奏家の初共演が実現している。
なお本作は、8月11日から東京渋谷アップリンクで一般公開
されるものだが、出来るだけ多くの日本人と、海外の人々に
も観てもらいたいものだ。
『ハンガーゲーム』“The Hunger Games”
アメリカでは2008年から刊行されて3部作の合計が2650万部
に達しているといわれるスーザン・コリンズ原作ヤングアダ
ルト小説の映画化。本作はもちろん第1巻に基づくもので、
以降の巻の映画化も計画されている。
物語の背景は何時かとも知れない独裁国家の時代。過去には
12の地区が国家に反旗を翻した歴史があり、それを鎮圧した
政府は毎年、各地区から10代の男女1名ずつを選び競わせる
「ハンガーゲーム」を実施している。それは、24人の男女が
1人になるまで殺し合いを繰り広げる熾烈なサヴァイヴァル
ゲームだ。
そして今年もその季節が到来し、主人公の暮らす第12地区か
らは主人公の妹とパン焼き職人の息子が選ばれる。しかしま
だ幼い妹にはゲームを勝ち抜き、生きて戻れる可能性はほと
んど無に等しかった。
こうして妹の身代わりになった主人公とパン焼き職人の息子
は、高速列車で首都へと向かい、様々な準備の末にゲームの
主戦場へと連れて行かれる。そして開始された「ハンガーゲ
ーム」の中で、主人公は様々な危機に直面するが…
作品の概要だけ聞いて、以前の日本映画のような無意味な殺
し合いのオンパレードだったら嫌だなと思っていた。しかし
さすがにハリウッドは、ただ殺しのテクニックだけを羅列す
るようなレヴェルの低い作品は作らなかった。
そこでハリウッドが描いたのは、適度なアクションと多彩な
VFXの加味されたアドヴェンチャーであり、その中に様々
な感情が交錯する正しくヤングアダルト向けの作品と言える
ものだ。ただまあ御都合主義はかなりのものだが、それも一
興という感じだ。
出演は、昨年8月紹介『ウィンターズ・ボーン』でオスカー
ノミネートを勝ち取ったジェニファー・ローレンス、前回紹
介『セブン・デイズ・イン・ハバナ』などのジョッシュ・ハ
ッチャースン、『マイティ・ソー』を演じたクリスの弟のリ
アム・ヘムズワース。
他に、2009年7月紹介『2012』などのウッディ・ハレル
スン、今年4月紹介『崖っぷちの男』などのエリザベス・バ
ンクス、2007年11月紹介『潜水服は蝶の夢を見る』などのレ
ニー・クラヴィッツ。
さらに、昨年8月紹介『キャプテン・アメリカ』などのスタ
ンリー・トゥッチ、昨年9月紹介『モンスター上司』などの
ドナルド・サザーランドらが脇を固めている。
監督は2003年11月紹介『シービスケット』などのゲイリー・
ロス。脚本はロスと原作者のコリンズ、それに2008年2月紹
介『アメリカを売った男』などのビリー・レイが担当した。
まあヤングアダルト向けの作品ではあるのだけれど、上映時
間2時間23分はヴァラエティに富んだエンターテインメント
が満載で、大人でもたっぷりと楽しめる作品になっていた。
『東野圭吾ドラマシリーズ“笑”』
2010年10月紹介『白夜行』などの人気作家・東野圭吾の原作
によるそれぞれ「黒笑小説」「怪笑小説」「毒笑小説」と題
された短編集から選ばれた3つの作品の映画化。なお本作は
J:COMオンデマンドで配信されるもので、鑑賞したDVDで
は3作が纏まっていたが、配信は、それぞれ8月1日、9月
1日、10月1日から1本ずつ行われるようだ。
第1笑「モテモテ・スープ」
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07月08日(日)
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