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On the Production
by 井口健二
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■NAVY S、ヤクザみたいな恋人、SHERLOCK、そして友よ、ロマンチック・ヘブン、ディーパー・シェイド、SEX&禅、ビッグ・ボーイ、コナン
特に後者では、途中に挟まれるタクシー運転手のエピソード
が捻りもあって面白く感じられたものだが。実はこのエピソ
ードだけが編集部内の話ではなく、多少浮いている感じなの
は残念なところと言えそうだ。
もっともこのエピソードでも話の展開がかなり強引で、その
辺が自分で共感できなかった原因でもあるかな。とは言えそ
ういった笑いを好む人がいることも確かなようで、これは案
外日本でも評価はされそうな感じの作品ではあった。
なお、この2作はすでに映画祭の初日に上映されているが、
映画祭の会期中には各作品でそれぞれ5〜6回程度の上映が
あるようだ。

『SHERLOCK』“Sherlock”
2010年にイギリスで製作された「シャーロック・ホームズが
現代に生きていたら」という設定による各話約90分のミニシ
リーズ。その第1話〜第3話がDVDリリースされることに
なり、第1話の試写と第2話、第3話はサンプルDVDで提
供された。
試写された第1話の副題は「ピンク色の研究」“A Study in
Pink”。「緋色じゃないの?」と突っ込みたくなるが、取り
敢えず物語ではホームズとジョン・ワトスンの出会いなどが
描かれる。
そして事件は、一見自殺と思われる事件を発端に連続殺人事
件の謎が推理される。ただし背景は現代で、ホームズはスマ
ートフォンやインターネット、eメールなどを駆使して事件
に挑んで行く。
一方のワトスンは、アフガニスタン帰りの軍医で杖を突いて
いるが、実は負傷は脚ではなく心因性だなど、物語は原作と
着かす離れずの感じ。それにホームズは名探偵というより変
人で、この辺は2010年1月紹介『シャーロック・ホームズ』
とも上手く重なっていた。
出演は、ホームズ役に2007年12月紹介『つぐない』や、昨年
12月紹介『戦火の馬』、今年2月紹介『裏切りのサーカス』
などのベネディクト・カンバーバッチ。彼は来年公開予定の
“The Hobbit”の第2作や“Star Trek”の続編にも出てい
るようだ。
そしてワトスン役には、今年12月から公開“The Hobbit”の
2部作で主人公ビルボ・バギンズを演じているマーティン・
フリーマン。2005年7月紹介『銀河ヒッチハイク・ガイド』
の主演でも知られる俳優がホームズに振り回される。
なお、DVDでは同時に、密室殺人に挑む「死を呼ぶ暗号」
“The Blind Banker”と、宿敵からの挑戦を受けて立つ「大
いなるゲーム」“The Great Game”がリリースされる。
本シリーズでは、最初からモリアーティやマイクロフトが登
場するなど、シャーロキアンにはどうなの…?という感じは
あるが、原作の全体を踏まえた作品ということでは、これも
ありというところだろう。
なお本作では、イギリスアカデミー賞のテレビ部門でフリー
マンが助演男優賞を受賞するなど好評を呼び、本国では今年
1月からシーズン2(3作品)の放映も開始。その副題は“A
Scandal in Belgravia”“The Hounds of Baskerville”と
“The Reichenback Fall”だそうだ。

『そして友よ、静かに死ね』“Les Lyonnais”
6月21日〜24日に東京有楽町朝日ホールほかにて開催される
「フランス映画祭2012」での上映作品の1本。
2006年10月紹介『あるいは裏切りという名の犬』などのオリ
ヴィエ・マルシャル監督による最新作で、元警察官という異
色の経歴を持つ監督が、1970年代に起きた実際の事件に基づ
いて描いたフィルムノアール。
物語は、1960年代と1970年代、それとその25年後という3つ
の時代を背景にし、幼い頃から兄弟のようにして育ち、共に
悪事も働いてきた2人の男の友情と、それに伴う苦難の生涯
が描かれる。
開幕は現代に近い時代、初老の主人公は孫の洗礼式に出席し
ている。ところがそこに、幼い頃からの親友が逮捕されたと
の報が入る。その主人公は悪事からは足を洗って久しいが、
親友はまだその渦中にいたようだ。
そして組織ともトラブルを抱える親友には、刑務所に入ると
命が危ないとの危惧もあった。そこで親友の奪還を考える主

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05月27日(日)
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