ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460095hit]

■道、シグナル、ザ・マペッツ、崖っぷちの男、だれもがクジラを愛してる、ヘソモリ、この空の花、ブレーキ
される。それは最近多い若者風俗の映画とは少し違う、何処
かノスタルジックな雰囲気も漂う物語だった。
出演は、新人の三根梓と2010年6月紹介『スープ・オペラ』
などの西島隆弘、それに前回紹介『苦役列車』などの高良健
吾。他に、井上順、宇津井健、2011年5月紹介『スノーフレ
ーク』などの白石隼也らが脇を固めている。
原作者の関口は作家デビューの前に映写技師のアルバイトを
していたことがあるそうで、その頃に観た映画でストーリー
テリングなどを学んだのだそうだ。そんな作者の思い出など
がほど良くブレンドされた作品とも言えそうだ。
なお新人女優の演技は、台詞などはまだ堅い感じがしたが、
西島と高良が良くカヴァーしていた。それに撮入前の練習に
1カ月掛けたという映写機の操作は中々様になっていて、そ
の努力は買えた。
女優は「ダイアモンドの瞳」というキャッチフレーズのよう
だが、次には2012年4月紹介『シグナル』の…と書きたいも
のだ。

『ザ・マペッツ』“The Muppets”
先日のアメリカアカデミー賞で主題歌賞を受賞したMuppets
Studio製作の最新作。
以前は『セサミストリート』の他にも、『マペットショー』
『フラグルロック』などのテレビシリーズで一世を風靡した
とも言えるマペッツだが、1990年に創始者ジム・ヘンスンが
急逝して以降、特に21世紀に入ってからは目立った作品はな
かった感じだ。
本作はそんなマペッツが久々に大集合した作品で、カエルの
カーミットやミス・ピギーらテレビでも人気のキャラクター
たちが、凋落した人気の復活を目指して人間たちをも巻き込
んだ大冒険を繰り広げる。
物語の発端はとある田舎町スモールタウン。その町で育った
ウォルターは、兄のゲイリーと大の仲良しだったが、何処か
自分が違っていることを感じていた。そんなある日、テレビ
で『マペットショー』を観たウォルターはその世界に憧れを
持つ。
やがて成長した兄弟は、今でも大の仲良しだったが、ゲイリ
ーの恋人のメアリーはウォルターばかり気に掛けるゲイリー
がちょっと不満だった。そして恋人同士のロサンゼルス旅行
にも、ウォルターが付いてきてしまう。
それでも最初にマペット・スタジオを訪問した3人は、そこ
が過去の栄光からは観る陰もない廃虚と化していることを知
る。しかも、その土地が石油王に狙われていることを知った
3人は豪邸に1人寂しく暮らすカーミットを訪ね、マペッツ
の復活を訴える。
こうして石油王に権利が移転する期日までに、その契約書を
無効にするための大作戦が開始されるが…。それには全国、
さらに全世界に散らばったマペッツの仲間たちを再結集する
必要があった。
出演は、4月紹介『バッド・チーチャー』にも出ていたジェ
イスン・シーゲル。因に脚本も手掛けるシーゲルは、2008年
11月紹介『寝取られ男のラブ♂バカンス』でマペッツのゲス
ト出演を成功させており、本作はそれに続いてのマペッツと
の共演になっている。
共演は、2009年11月紹介『ジュリー&ジュリア』などのエイ
ミー・アダムス。他に、2011年5月紹介『テンぺスト』など
のクリス・クーパーらが脇を固めている。
さらにアラン・アーキン、ザック・ガリファナキス、ウーピ
ー・ゴールドバーグ、セレーナ・ゴメス、ミッキー・ルーニ
ーらがゲスト出演。またジャック・ブラックはかなり重要な
役で出ているがアンクレジットだそうだ。
そしてマペッツはカーミット、ミス・ピギーに加えて、フォ
ジー、アニマル、ゴンゾ、スウェーデン・シェフ、ドクター
・ティースらが大挙して出演。また、ちょっと毛色の変った
マペッツたちも出演している。
映画の中ではマペッツ映画の第1作“The Muppets Movie”
を思い出させるシーンもあり、長年のファンには正に贈り物
という作品。すでに続編の計画も進行しているようだ。

『崖っぷちの男』“Man on a Ledge”
今月紹介『タイタンの逆襲』などのサム・ワーシントンの主
演によるかなり捻りの利いたサスペンスアクション。

[5]続きを読む

04月29日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る