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On the Production
by 井口健二
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■B&W、[●REC]³ 、ウルトラマンサーガ、隣る人、ハローゴースト、残酷な弓、ハングリー・ラビット、ミッドナイトFM+Dark Tower
の作品ではなかなか描き切れなかったものを正面から扱って
おり、またその展開がちゃんと本作のテーマに沿ったものに
なっているのも感心した。
出演者は殆ど知らない俳優だが、中に2011年6月紹介『ペー
パー・バード』にも出ていたディエゴ・マルティンが出演し
ている。また第2作にはノンクレジットだが、全3作に共通
したキャラクターもいるようだ。
脚本と監督は前2作では共同監督の片割れを務めていたパコ
・プラサ。今回の監督は単独(その経緯は2010年5月9日付
で報告している)で、共同脚本には第1作のルイソ・ベルデ
ホが復帰している。
また、エンドクレジットによるとストーリーボードは、第2
作と同じくJun Matsuuraが担当していたようだ。
因に、前2作の共同監督のもう1人のジャウマ・バラゲロは
本作ではクリエイティヴ・プロデューサーという肩書きでサ
ポートに回っているが、彼には先に報告しているようにシリ
ーズ最終話となる第4作の監督が発表されている。
『ウルトラマンサーガ』
2009年11月紹介『ウルトラ銀河伝説』、2010年12月紹介『ウ
ルトラマンゼロ』に続く、ウルトラセブンの息子ゼロを主人
公にしたシリーズの第3作。
第2作で宇宙が多数のパラレルワールドで成立していること
が設定され、本作では前作で別の宇宙に残ることになったウ
ルトラマンゼロが、宇宙からの呼び声に応じて別宇宙の地球
に赴くところから物語が始まる。
一方、元の宇宙の地球人はウルトラマンダイナが最後の戦い
で敵と共に時空のねじれの中に消えた後は復興を遂げ、在火
星の基地には新たな隊員も配属されていた。その中の1人タ
イガ・ノゾムは天才的な戦略家だったが…。
突如襲っていた敵との戦いで別宇宙に飛ばされたタイガは、
人類の大半が姿を消して荒廃仕切った地球に辿り着く。そこ
でゼロとタイガは合身するが、タイガにはウルトラマンを受
け入れないトラウマがあるようだ。
そしてそこにはウルトラマンコスモス=春野ムサシも現れ、
彼らは僅かに残った子供たちを守る女性ばかりの地球防衛隊
と共に、圧倒的な敵との戦いに臨むことになる。しかし、そ
の地球にはかつてダイナもいたはずだった。
ダイナ以後の未来世界を背景にしつつ、現代の地球に似た世
界での戦いが描かれる。そこで描かれるビル群の中での戦い
のシーンなどは、昔からのファンにはこれぞ円谷特撮と言い
たくなる懐かしさも感じさせた。
出演はタイガ・ノゾム役にDAIGOと、杉浦太陽、つるの
剛士。またAKB48の秋元才加、宮澤佐江、梅田彩佳、増
田有華らが脇を固め、さらに黒部進、森次晃嗣、団時朗の元
ウルトラマンや布川敏和らの旧レギュラーが登場。そして、
東国原英夫が声優でゲスト出演している。
監督は『ダイナ』以降のシリーズを多数手掛けているおかひ
でき。特技監督は2006年『日本沈没』などの三池敏夫。脚本
は『ティガ』以降のシリーズで最多数を手掛けているという
長谷川圭一が担当した。
物語の中では、パラレルワールドを横断するさらに巨大な敵
の存在も仄めかされており、このシリーズはまだまだ続きそ
うだ。なお、マスコミ試写は2Dで行われたが、3月24日か
らの一般上映はウルトラマン初の3Dでも行われる。
『隣る人』
児童養護施設「光の子どもの家」で8年間に渡って取材され
たドキュメンタリー。
かつては孤児院と呼ばれたその施設は、法律の制定によって
名称が決まったようだ。しかしその名称は一般にはまだ浸透
していない。そんな児童養護施設は全国に約580施設。そこ
には約30000人の子供たちが生活している。
本作はそういう施設の1つで取材されている。それは災害や
事故、家庭の事情など、様々な理由で親と一緒に暮らせなく
なった子供たちの、正にドラマとしか言えない日々の姿が写
し出されて行く。
題名の「隣る人」とは、「光の子どもの家」の施設長だった
菅原哲男氏の造語で、聖書の中でイエスが述べたサマリア人
のエピソードに拠る。それは「絶対の窮地にある人に手を差
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03月18日(日)
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