ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460102hit]
■COTE2、ゴーストライター・ホテル、M・サッチャー、不良少年、セットアップ、アンダーワールド4、桜蘭高校、ポテチ、ピラミッド
7月紹介『しゃかりき!』などの坂本真、昨年5月紹介『犬
飼さんちの犬』などの池田鉄洋。それに世界のナベアツ、ケ
ンドーコバヤシ、村上健志、かたつむり林、おかもとまり、
カンニング竹山が亡霊を演じ、さらに鈴木亜美、片桐仁、岡
田圭右、栗山千明らが脇を固めている。
監督は、「ミュージック・ステーション」などを手掛ける伊
東寛晃。笑いやオマージュに彩られた脚本は、アニメ「ワン
ピース」なども手掛けるますもとたくやが担当した。
演出には芸人たちの暴走も感じられるが、脚本をしっかり踏
まえた感じの部分もあり、全体としては面白く観ることがで
きる作品だった。特に、最初に登場するホテルの名称でまず
は掴まれてしまう感じの作品でもあった。
『マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙』
“The Iron Lady”
1979年に西欧圏では初の女性宰相となり、以後11年間、ヨー
ロッパの国家指導者としては戦後最長の在任期間を誇った第
71代イギリス首相の半生をメリル・ストリープの主演で描い
た作品。ストリープは本作で17回目のオスカー候補にもなっ
ている。
2008年に元首相が認知症に罹っていることが公表され、その
事実を基にドラマは描かれている。そしてそこには、国家指
導者として制度改革の断行やフォークランドで勝利した栄光
と、ヨーロッパ連合への参加を拒んでその座を追われた挫折
などが描かれ、その一方で先立たれた夫や家族への想いなど
が綴られて行く。
それは、表面的には報道(特にフォークランドの経緯)など
でも知られていたものだが、本作ではその陰での首相の心の
内の苦しみなども描かれている。そして老境に至った彼女に
訪れる最後の想いとは…
監督は、2008年『マンマ・ミーア!』でもストリープとコラ
ボレートしたフィリダ・ロイドによる第2作。脚本は、昨年
のヴェネチア映画祭で話題の『SHAME-シェイム-』も手掛け
るアビ・モーガン。
共演は、『ハリー・ポッター』にも出演のジム・ブロードベ
ントの他には、主にイギリス出身の俳優たちが脇を固めてい
る。
なお本作はアカデミー賞メイクアップ部門の候補にも挙げら
れている。この候補に関しては、予備候補の段階で『J・エ
ドガー』の落選を報告したが、本作の見事なメイクを観ると
それも納得できた。
特にストリープが、30代から80代までを1人で演じ切ること
ができたのには、このメイクアップの貢献は大きそうだ。こ
れにはディカプリオの老けメイクも勝ち目はなかった。
因に、ストリープ専属のJ・ロイ・へランドと共にこのメイ
クアップを手掛けたマーク・クーリアーは、同じく候補作の
『ハリー・ポッターと死の秘宝Part 2』ではメイクアップ部
門のスーパーヴァイザーを務めており(候補者には名を連ね
ていない)、『アルバート・ノッブス』と併せてイギリス同
士となるこの対決は興味深い。
『不良少年/3,000人の総番』
総番はアタマと読むらしい。2011年10月紹介『明日泣く』な
どの斎藤工と、2005年5月紹介『屋根裏の散歩者』などの窪
塚俊介の共演で、1970年代の工業高校を舞台にしたツッパリ
映画。
主人公は2学年の総番。と言っても前の総番の横暴を見兼ね
てタイマンを張り、そいつを倒してその座に着いたもので、
ツッパリではあるがそれなりに人格はあるようだ。そして彼
女からは「もう喧嘩はしないで」と言われ続けている。しか
し総番である以上、避けられない喧嘩も待っている。
そんな主人公は機械科の生徒だったが、その学校では代々総
番は建築科の生徒というのが伝統だった。そのため3学年の
番長グループには危機感が募り、やがてそれは主人公を追い
落として建築科の前総番を返り咲かせる画策へと進む。そし
てそれは、2学年vs3学年の全面対決へとエスカレートして
いった。
タイトルだけ観て地域社会も巻き込んだかなりの大スケール
の話なのかと思っていたら、学校が1学年1000人、3学年で
3000人なのだそうで、1970年代の工業高校ってそんなに大規
模だったんだと改めて感心した。
[5]続きを読む
02月12日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る