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On the Production
by 井口健二
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■桃まつり5、長ぐつをはいたネコ、誰も知らない基地のこと、311、レンタネコ、孤島の王、超能力者+Oscar/nomination
染みと再会する。しかしそれは2人の運命を左右するドラマ
の幕開けだった。かなり大きなドラマをよくこの時間に納め
たものだと感心する。でも結局はお話を繋いでいるだけとい
う感じは否めない。この物語はもっとしっかり時間を掛けて
描くべきもののように感じた。
以上、上映時間はプログラムごとに75分前後のものだが、内
容的には番号を追う順に少しずつ重くなっている感じかな。
気軽に楽しむなら「壱」、いろいろ観たいのなら「弐」、ド
ラマを観るなら「参」がお勧めというところだ。

『長ぐつをはいたネコ』“Puss in the Boots”
2004年6月紹介『シュレック2』に登場して人気者になった
欧州民話のキャラクターを主人公にしたスピン・オフ作品。
同じ民話からは東映動画でも1969〜76年に3作品が製作され
ているが、本作とは全く関係がない。
物語の舞台は、古い町が点在する荒野。因に設定はシュレッ
クの世界より少し南の土地だそうだ。その荒野でプス(長ぐ
つをはいたネコ)はある事情からお尋ねものになっていた。
そんなプスが魔法の豆の噂を耳にするところから物語は開幕
する。
その魔法の豆からは天空の城に続く豆の木が育ち、そこには
金の卵を生むガチョウがいる。そのガチョウを手に入れれば
一生を楽に暮らせるというものだ。ところがその魔法の豆を
狙っている奴がもう1人いた…。
ということで、本作では「ジャックと豆の木」をモティーフ
にした物語が展開され、そこに友情や裏切りなどの様々なド
ラマが繰り広げられる。『シュレック』もそうだが、お子様
向けと思って観ていると意外と深い物語に唸ってしまうもの
だ。
声優は、日本公開では吹き替えが中心になりそうだが、僕は
何とか内覧で観させて貰ったもので、プス役のアントニオ・
バンデラスを始め、2003年12月紹介『レジェンド・オブ・メ
キシコ』でも共演しているサルマ・ハエック。
さらに2010年11月紹介『デュー・デート』などのザック・ガ
リフィアナキス、2011年4月紹介『ファースター』などのビ
リー・ボブ・ソーントン、2004年2月紹介『スクール・オブ
・ロック』などのエイミー・セダリスらが脇を固めている。
監督は、『シュレック』シリーズの第1作のストーリー・ア
ーティストを務め、2007年の『シュレック3』では監督も担
当したクリス・ミラー。シリーズを知り尽くした監督がスピ
ンオフのキャラクターを存分に操っている。

『誰も知らない基地のこと』“Standing Army”
日本と同じく第2次世界大戦の敗戦国であり、戦後70年近く
経っても日本と同様にアメリカ軍による基地占領が続けらて
いるイタリアの若手監督が、アメリカ駐留軍の意味を問い掛
けたドキュメンタリー。
アメリカの小学生が歴史の時間に最初に習うことの一つは、
イギリスの駐留軍に苦しんだ植民地アメリカの住民が起こし
た独立戦争の意義なのだそうだ。そのアメリカは、現在公表
されているだけで世界の約40カ国に700箇所以上の駐留基地
を設置している。
それは第2次大戦の敗戦国である日本、イタリア、ドイツは
勿論、アフガニスタンから旧ソ連圏までの世界中が網羅され
ている。それは第2次大戦後の冷戦に始まって、冷戦終結後
は麻薬組織やテロ対策など常に理由を付けて占領が続いてい
るものだ。
1961年にアイゼンハワー前大統領は、その退任演説の中で産
軍共同体の危険性に触れ、彼らを絶対に暴走させてはならな
いと訴えたとのことだ。しかしその跡を継いだケネディはキ
ューバ危機を契機にベトナムへと突き進んでいった。
アイゼンハワーは共和党、ケネディは民主党。その民主党の
オバマも海外軍の撤収どころか軍事費は増強される一方。ブ
ッシュはただの馬鹿だったが、むしろアイゼンハワーのいた
共和党の方が現実をよく理解していたのかな。
作品では、主に沖縄の普天間と、基地のため原住民2000人が
故郷を追い出されたインド洋のディエゴ・ガルシア、それに
新基地の建設が強行されるイタリアのビチェンツィアなどが

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01月29日(日)
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