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On the Production
by 井口健二
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■戦火の馬、善き人、すべての女に嘘がある、ヒューゴの不思議な発明、三国志英傑伝・関羽、ハンター、英雄の証明、きつつきと雨+年末挨拶
モーテンセン。そのときに圧倒されたという俳優は、まさか
4半世紀後に自分がその役を演じるとは思っていなかったそ
うだ。
共演は、『ハリー・ポッター』シリーズなどのジェイスン・
アイザックス、2007年8月紹介『ヴィーナス』でその時は新
人ながら見事な演技を見せたジョディ・ウィッテカー。
他に、『グリーン・ランタン』などのマーク・ストロング、
『アンダーワールド』などのスティーヴン・マッキントッシ
ュ、『ハリー・ポッター』などのジェマ・ジョーンズらが脇
を固めている。
因に舞台は日本でも2度ほど公演されているそうで、その舞
台を僕は観ていないが、仮に舞台の観客からは批判されたと
しても、テーマを明確にした今回の脚色は映画化の方法とし
ては正しいと思えるものだ。
それほどに見事に、図らずも歴史を作ることになってしまっ
た1人の男の悲劇を、本作は明確に描き出していた。
『すべての女に嘘がある』
役者、アイドルからAV、風俗嬢まで様々な女性たちが集ま
る女優集団KU.RO.FU.NE.による第1回製作作品。
物語は、精神病院を舞台にしたもので、その病院内で起きた
殺人事件と3人の女性の監禁事件が描かれる。殺されたのは
病院長の後妻、監禁されていたのは病院長の先妻の連れ子と
患者、それに病院に出入りする製薬会社のMR。
そして、警察は監禁されていた女性たちの尋問を始めるが…
彼女たちの証言は微妙に食い違う。ただ一致するのは、殺さ
れた被害者によって監禁され、彼女は「罪を認めて懺悔しな
さい」と言ったという。
というとで、精神病院で殺人となればサイコ的なお話が展開
されるかと思いきや、これがちょっと外されるところは、案
外新鮮な感じではあった。もっともそれは、期待外れと感じ
てしまう人もいるかも知れない微妙な部分だ。
それに上映時間が70分の作品では、結局あまり多くは望めな
いもので、特に物語のかなりの部分が説明に費やされるのは
物足りない。やはりこれはもっとドラマを見せるようにして
欲しかった。
脚本と監督は、2009年3月紹介『腐女子彼女。』で助監督を
務めていたという宝来忠昭。最近はショートムーヴィなども
発表しているようだが、恐らくこれが長編第1回作品になる
のだろう。映像的には多少凝ったところもあって、それなり
に楽しめた。
出演者で、女優陣は上記の通り新人が中心だが、中には昨年
7月紹介『花と蛇3』の琴乃、同11月紹介『ギャングスタ』
に出演のめぐり。他に浅居円、範田紗々、長谷川ミク、かす
みりさ、周防ゆきこ、木村葵、新井花菜が集団の構成員のよ
うだ。
また、今年9月紹介『GARO』などの蛍雪次朗、2007年1月紹
介『saru』などの高野八誠らが脇を固めている。
正直に言って、ベテランの脇役陣に比べて主演の女優たちの
演技は覚束ないし、まだまだの感じだが、集団としてはこれ
以降も舞台や来夏には映画の第2弾も計画しているようで、
今後に期待して紹介しておくことにしたい。
『ヒューゴの不思議な発明』“Hugo”
アメリカの絵本画家で作家のブライアン・セルズニックが、
2007年に発表した児童文学小説(邦訳:ユゴーの不思議な発
明)の映画化。全米図書賞のファイナリストにも選ばれたそ
の原作を、2007年『ディパーテッド』でオスカー受賞のマー
ティン・スコセッシが監督した。
1930年代のフランス・パリ。主人公のヒューゴは、モンパル
ナス駅の壁の中に住む少年。彼は唯一の身寄りだった叔父と
共に、駅の各所に備えられた大時計の修繕やネジ巻の管理を
していたが、叔父がいなくなってからも人知れずその仕事を
続けていた。
その一方でヒューゴは、博物館の火災で亡くなった父親の残
した自動人形の修理も続けていたが、父親がメモ帳に書き残
した足りない部品を手に入れるのも一苦労だ。そんなヒュー
ゴが目にしたのは駅の片隅にあるおもちゃ屋だった。
駅には浮浪孤児を捕まえる鉄道公安官もいて、その目を掻い
潜って店から小さなおもちゃを盗もうとしたヒューゴは店主
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12月25日(日)
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