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On the Production
by 井口健二
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■トワイライト、Gドクター、恋人たちのパレード、果てしなき路/断絶、ジョン・カーター(特)、ウタヒメ、ニュー・イヤーズ・イブ+Alice
いの新聞発行者役を演じていたJ・K・シモンズらが脇を固
めている。
脚本では、主人公の行動がちょっと短絡的に過ぎるかなあと
いう感じはするが、それで全体は統一されているからこれで
もいいのだろう。撮影は閉鎖された病院などを使って行われ
ており、演出はそれなりにリアルで悪くなかった。
ただ結末はこれでいいのか…、と思ってしまうところではあ
るが、制作者たちは現実はこんなものだと言いたかったのか
も知れない。そんな感じもしてしまった。

『恋人たちのパレード』“Water for Elephants”
2006年に出版され、NYタイムズ紙のベストセラーリストに
12週間に亙って掲載されたというサラ・グルーエン原作小説
の映画化。
1930年代の大恐慌の最中、主人公は名門コーネル大学の獣医
学科を卒業目前にして両親が交通事故に遭い、中退を余儀な
くされる。そんな主人公が都会に向かう鉄道沿いを歩き、疲
れてふと飛び乗ったのはサーカス列車だった。
そのサーカスには猛獣もいてさらに団長の妻は曲馬乗り。そ
の馬の病気を言い当てた主人公は団長の気に入られ、サーカ
ス団に雇われることになる。一方、不況によってテントを畳
むサーカス団も多い中、彼の団は潰れた団の出し物を雇って
拡大して行く。
そして彼のいるサーカス団に象がやってくるが…。良いとこ
ろもあるが、暴力を振るい出すと止まらなくなる団長や、そ
の妻、さらにその他の団員たちを巡ってドラマが展開されて
行く。
主演は、『トワイライト』シリーズでブレイクしたロバート
・パティンスン。そして団長の妻役に、本作では製作も務め
る2006年『ウォーク・ザ・ライン』でオスカー受賞のリーズ
・ウィザースプーン。因に日本では、上記『ブレイキング・
ドーンPart1』と同日公開になるようだ。
他に、2009年『イングロリアス・バスターズ』でオスカー受
賞のクリストフ・ヴァルツ、2008年5月紹介『イントゥ・ザ
・ワイルド』でオスカー候補になったハル・ホルブルック、
今年1月紹介『お家をさがそう』に出演のポール・シュナイ
ダーらが脇を固めている。
以前にも書いたと思うがバックステージものは好きだし、サ
ーカス列車は40年近くも前にロサンゼルスで貨物ヤードに留
まっているのを高架橋から観たことがあって、その中がどう
なっているかも興味津々だった。
まして本作が描くのは、アメリカ文化の中でも特異な時代の
1930年代。そんな古き良き(?)時代が見事に再現されてい
た。特に、背景にブルックリン橋とエンパイアステートビル
が観える景観は素晴らしいものだった。
脚本は、2008年『P.S.アイラヴユー』では脚本と監督も務
めたリチャード・ラグラヴェネーズ、監督は、2005年2月紹
介『コンスタンティン』と2007年12月紹介『アイ・アム・レ
ジェンド』のフランシス・ローレンス。丁寧な演出が見事な
作品を生み出している。

『果てしなき路』“Road to Nowhere”
『断絶』“Two-Lane Blacktop”
まず『果てしなき路』は、ロジャー・コーマン製作の1959年
『魔の谷』などで知られるモンテ・ヘルマン監督による長編
は21年ぶりという2010年の作品。
映画は、最初に本作と同じ題名の映像作品をCD-ROMで再生す
るところから始まる。それに連れて、作品を制作した監督が
映画製作の模様を説明し始める。その作品は、事故死した女
性を巡る謎を実話に基づいて解明して行くものだった。
映画の製作はまず脚本の完成とスタッフの招集、そして俳優
の選考から始まる。しかし主演女優の選考が難航し、その中
で監督は少し変わったオーディションテープを送ってきた無
名の女優に目が留まる。こうして主演女優も決まり撮影が開
始されるが…。
監督はその女優に魅了されて、徐々に親密な関係になって行
く。しかしその女優の経歴には謎の部分があった。一方、撮
影スタッフの中に元保険会社の調査員という男がいて、その
男は女優の謎に気付き始める。
事故死した女性と主演女優の関係、そして女性が事故死した

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12月18日(日)
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