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On the Production
by 井口健二
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■吉祥寺の朝日奈くん、CUT/カット、ウォーキング・デッド、月光ノ仮面、人喰猪、ミツコ感覚、宇宙人ポール、天皇ごっこ
主演は、2008年7月紹介『真木栗の穴』などの西島秀俊。共
演は常盤貴子、笹野高史、菅田俊。他に、でんでん、2010年
『ゲゲゲの女房』の監督鈴木卓爾らが脇を固めている。
またこの作品には、2007年「TVチャンピオン特殊メイク王
選手権」優勝者で現チャンピオンの梅沢壮一が関っていて、
その仕事ぶりもなかなかのものになっていた。
さらに映画には、主人公が思い浮かべる過去の名画のフィル
ムクリップなども挿入されていて、それは映画マニアには堪
らないものになっている。そしてそこにはベスト100のよう
なものも登場するが、その最後の10本には僕にとって嬉しい
驚きもあった。
ただし、本作の9月中に行われた試写では、上映時間が2時
間12分であったようだが、今回の上映は2時間のヴァージョ
ン。しかも僕が観たのは、エンドロールが未完成とのことで
1時間56分だった。
それに関しては試写の前に、作品中の引用の問題との説明も
あったが、確かベスト1の作品はすでにパブリックドメイン
のはずで、何が揉めたのか多少気になったところだ。

『ウォーキング・デッド』“The Walking Dead”
1994年『ショーシャンクの空に』などで3度のアカデミー賞
ノミネートを獲得している脚本家フランク・ダラボンが手掛
けるゾンビテーマのテレビシリーズ。日本では11月に衛星系
で放送開始、来年2月にDVDリリース予定の作品の第1話
の試写が行われた。
主人公は、ジョージア州アトランタ郊外で保安官を務めてい
た。ところがある日、逃走犯の追跡中に犯人の撃った銃弾が
命中し、意識不明の重傷を負ってしまう。そして主人公の意
識が戻ったとき、病院は無人で同僚が持ってきた花も枯れ果
てていた。
そんな主人公が病室を抜け出すと、そこには野積みにされた
遺体の山や、下半身を千切られても両手だけで這いずって主
人公を襲おうとする女、さらにふらふらと歩きながら主人公
に向かってる男などがいて…
やがて、夜は一軒家に立て籠る黒人父子に救助された主人公
は、世界中がゾンビに犯されて、生き残った人々は各所に隠
れ住むか軍施設に逃げ込んだという情報を得る。そんな世界
で、家に残した妻子の無事を案じながら主人公のサヴァイヴ
ァルが開始される。
ゾンビは、ジョージ・A・ロメロ風のふらふらと歩くスタイ
ルで、その点では違和感のない作品になっている。しかもテ
レビ用と高を括って観ていたら、予想以上のグロテスクなシ
ーンもあって、それにはかなり驚かされもした。
ただし今回の試写は飽く迄もシリーズの第1話で、本来は観
られるはずのサヴァイヴァルで繰り広げられる様々な人間模
様などは、まだその萌芽が描かれる程度に終っている。しか
しその中でも、仕掛けの大きさなどはかなり感じられる作品
だった。
原作には、ロバート・カークマン作グラフィック・ノヴェル
シリーズがあるようだが、本TVシリーズのクレジットは、
企画、製作総指揮、脚本、監督フランク・ダラボンとなって
いるようだ。
そして第1話の主演は、2003年4月紹介『ギャングスター・
ナンバー1』などのアンドリュー・リンカーン。他に、今年
7月紹介『ゴーストライター』などのジョン・バーンサル。
また2005年4月紹介『サハラ』に出演のレニー・ジョーンズ
がゲスト出演していた。
なおシリーズは、アメリカでは第1シーズンの6話が2010−
11年シーズンに放送されて、2011年度のゴールデン・グロー
ブ賞作品賞にノミネートされたもので、すでに第2シーズン
13話の放送も始まっている。

『月光ノ仮面』
2009年11月紹介『脱獄王』の板尾創路脚本監督による第2回
作品。前作では、第29回藤本賞・新人賞を受賞し、釜山国際
映画祭に正式出品されるなど高評価を受けている。その第2
作ということで、本作もモントリオール世界映画祭に正式招
待を受けたそうだ。
その内容は、前作以上にシュールというか…。お話は第2次
大戦後、米軍占領下の東京を舞台に、戦前には真打ち目前と
期待されながらも召集され、戦死公報も届いていた噺家が、

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10月09日(日)
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