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On the Production
by 井口健二
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■WAYA、ライオン・キング3D、クイック、スマグラー、RAILWAYS2、ネムリユスリカ、三銃士、サラの鍵
ただしキャラクターに関しては、元々3Dのモデリングはさ
れていなかったようで、その辺では多少物足りなさは感じら
れる。とは言え全体的には3D感はたっぷりの作品に仕上げ
られているものだ。
なお日本公開は主に吹き替え版になりそうで、試写も吹き替
えで行われているものだが、エンドロールによるとオリジナ
ルの声優には、ジェームス・アール・ジョーンズ、マシュー
・ブロデリック、ジェレミー・アイアンズ、ネイサン・レイ
ン、ウーピー・ゴールドバーグといった錚々たる顔ぶれが並
んでおり、特にザズーの声優がローワン・アトキンスンだっ
たのには、あの奇妙な手つきの謎が解けたものだ。
『クイック!!』“퀵”
2009年『TSUNAMI』を大ヒットさせたユン・ジェギュン監督
が製作を担当し、本作を演出したチョ・ボムグ監督と共に、
4年の歳月と日本円で10億円の製作費を掛けて作り上げたと
いう高速アクション作品。
元暴走族でバイク便ライダーの主人公が、ヘルメットに仕込
まれた爆弾で脅されながら、爆弾テロの配達人をしなければ
ならなくなる。そこには当然警察の阻止線や、パトカーとの
カーチェイスなども満載に、縦横無尽のバイク走が描かれる
というものだ。
また爆弾テロでは、工事現場から高層ビル、さらに列車まで
もが標的にされ、その中で主人公と、偶然事件に巻き込まれ
た彼の元カノを中心に、大規模なクラッシュシーンやスタン
トマンが体を張った爆破シーンなどが次々に展開される。
という作品で、とりあえず観客はそのクラッシュや爆破の凄
さにただ驚嘆していれば良いのかな。でも一歩下がってみる
とかなりシナリオの粗さも目立つもので、その辺は製作者の
前の監督作品でも指摘されていたようだが…。本作も変って
はいない。
それは、例えば主人公の腕時計と元カノの被ったヘルメット
が10m以上離れると爆発するという仕掛けは、確かに見た目
は面白いが…。犯人が何のためにそんな仕掛けを用意したの
か意味不明だし、その他にも展開上で無理のある設定は散見
された。
でもまあ、この種の映画の観客にはそんなことはどうでも良
いようで、試写会場でも、上映中はかなりの笑い声が上がっ
ていた。爆弾テロはかなりシリアスな問題だし、僕には本作
がコメディなのかどうかも、よく解らなかったのだが。
出演は、『TSUNAMI』にも出ていたイ・ミンギ、カン・イェ
ウォン、クム・イングォンが揃って再登場している。なおカ
ンは昨年10月紹介の『ハーモニー』に出演しており、キムは
同年7月紹介の『シークレット』に出演していたようだ。
また、撮影にはディジタルのREDカメラが使用され、さらに
マイクル・ベイが『トランスフォーマー』で採用したという
Doggiecamシステムが、アジア地区で初めて導入されている
そうだ。こういうものにいち早く挑戦できるのも、韓国映画
界が元気な証拠だろう。
『スマグラー〜おまえの未来を運べ』
真鍋昌平原作、月刊「アフタヌーン」で2000年に連載された
コミックスの映画化。原作からは1999年『鮫肌男と桃尻女』
などの石井克人が脚色・監督した。
主人公は25歳フリーターの男。そんな男が中国人の裏ROM
組織に誘われるが、警察に面が割れて組織に損害を与えてし
まう。そこでその賠償金を闇金から借り、さらにその闇金の
斡旋で危険な運送業の手伝いをする羽目になる。
その運送する主な貨物は、闇の稼業で発生した死体。その死
体や汚物などを山中の焼却場に運び込んで跡形もなく始末す
るのが、彼ら運送業者(スマグラー)の仕事だ。しかしそん
な仕事にはトラブルも付き物だった。
これに背骨、内蔵と呼ばれる2人組の中国人殺し屋や、中国
マフィアと日本の組織暴力団との抗争などが絡んで、アクシ
ョンというよりヴァイオレンスに満ちた物語が展開されて行
く。
出演は、妻夫木聡、永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤
政信。他に、小日向文世、高嶋政宏、島田洋八、テイ龍進、
我修院達也、阿部力。さらに津田寛治、寺島進、松田翔太、
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09月25日(日)
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