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On the Production
by 井口健二
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■ラルゴ・ウィンチ、海と自転車と…、スマーフ、MADE IN JAPAN、やがて来たる者へ、リミットレス、Capt.アメリカ、カウボーイ&エイリアン
因に第1章は、自転車クラブ会長のロングライドに先立って
交流があるという韓国の自転車レースを取材し、その中から
想起されたものとのことで、作品の全体が会長のロングライ
ドに関っているというものだ。
ただ、僕自身はそれぞれのテーマに興味も湧いたし、観てい
て面白くはあったものだが、それぞれのテーマに興味が湧か
ないと、全体としてはテーマがばらばらで多少独り善がりの
感じは生じてしまう。
それは逆に言えば、それぞれのテーマの追求に多少物足りな
さも感じてしまうところで、特に古代文化のテーマに関して
は、もう少し時間を掛けて突っ込んだ取材もして欲しかった
感じもした。実際このような失われた宗教に関しては大いに
興味を引かれた。
なお自転車クラブの会長は、2012年には太平洋側の列島縦断
ロングライドの計画も立てているそうで、そのとき監督には
どんな考察が生まれるか、それも楽しみなものだ。

『小さな青い妖精スマーフ』“The Smurfs”
1958年にベルギーの漫画家ピエール・クリフォール(通称ペ
ヨ)によって創造され、ヨーロッパではバンド・デシネ(コ
ミックス)の古典とされると共に、アメリカでは1980年代に
ハナ・バーベラが製作したテレビアニメーションでも知られ
る人気原作の映画化。
物語の発端は、何処とは知れぬ森の中で暮らしていたスマー
フたちが、仲間の1人クラムジーの失敗から旧敵の魔法使い
ガーガメルの襲撃を受け、止むなく滝にできたトンネルに飛
び込んでニューヨークに来てしまうというもの。
そのニューヨークでは、化粧品会社の広報担当のパトリック
が、気難し屋の女社長の許でキャンペーン企画の立案に四苦
八苦していた。そんなパトリックの家に偶然居候することに
なったスマーフたちは、帰りのトンネルを開く方法を探し始
めるが…
そのニューヨークには、スマーフたちの後を追ってガーガメ
ルもやって来ていた。そしてセントラルパーク内の古城に居
座った魔法使いは、猫のアズレールと共にスマーフ捕獲の作
戦を練り始める。
というお話で、リンゴ3個分の身長という小さな青い妖精ス
マーフたちの活躍が、CGIと実写の合成による3Dのスク
リーン一杯に展開される。
まあ、お話はお子様向けの他愛ないものだが、本作は2009年
12月紹介『スパイアニマル/Gフォース』なども手掛けたソ
ニー・イメージワークスがVFXの制作と3D化を行ってお
り、それは見事な3D映像が楽しめるものになっている。
出演は、パトリック役に1997年『スターシップ・トゥルーパ
ーズ』などに出演のニール・パトリック・ハリス、その妻役
に2006年『父親たちの星条旗』などのジェイマ・メイズ、そ
してガーガメル役には1998年『GODZILLA』に出演のハンク・
アザリアが扮している。
またスマーフたちの声優では、今年5月紹介『テンぺスト』
などのアラン・カミング、昨年8月紹介『キャッツ&ドッグ
ス3D』に出演のフレッド・アーミセン、昨年1月紹介『バ
レンタインデー』などのジョージ・ロペス、2009年5月紹介
『ターミネーター4』などのアントン・イェルチンらが登場
している。
なお、日本公開の吹き替えには、Hey!Say!JUMPの山田涼介と
知念侑李が参加して、彼らは日本版の主題歌も歌うようだ。
原作本の翻訳は現在絶版のようだが、テレビシリーズは今で
も時たま観かけるもので、日本での認知度はそこそこあると
思われる。日本では若い女性向けのキャラクターとしても人
気があるようだし、そこにジャニーズ系の吹き替えでヒット
を期待したいものだ。

『MADE IN JAPAN−こらッ!−』
2009年9月紹介『黄金花』に続く、京都造形芸術大学映画学
科を母体とする「北白川派」による製作作品の第2弾。今回
は学生の書いたシナリオを、その教官だった高橋伴明監督が
採用し、主演にも学生を抜擢して映画化している。
物語は、両親と父方の祖母と共に暮らしていた18歳の女性を
中心としたもの。その祖母が他界し、マザコンだった父親は

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08月21日(日)
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