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On the Production
by 井口健二
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■沈黙の春…、夜明け…、LIFE IN A DAY、ウィンターズ・ボーン、地球にやさしい…、ラビット・ホラー、ホワイト、チェルノブイリ+Ranger
出演は、岸谷五朗、深田恭子、木村多江。他に石黒賢、萬田
久子、中村雅俊、黄川田将也、田中健。監督は2000年『ホワ
イトアウト』などの若松節朗。因に、石黒と黄川田は『ホワ
イトアウト』にも出演していた。
なお深田は、本作の中でアニソンを熱唱するシーンが登場す
るが、元々CDなどもリリースしているようだし、そう言え
ば、2009年2月紹介『ヤッターマン』でドロンジョを演じて
いたことも思い出した。今年は、劇場用アニメの主人公の声
優や7月紹介『こち亀 THE MOVIE』のゲストなど、硬軟取り
混ぜた出演で正に満開のようだ。
また、今だからこそ意味のあるエンディングロール後の一枚
のテロップが、本作の締め括りには最適だった。
『LIFE IN A DAY』“Life in a Day”
リドリー&トニー・スコット兄弟主宰の製作会社スコットフ
リーが、インターネットの動画サイトYouTubeとの共同で、
2010年7月24日の地球各地の映像を募集、応募された192カ国
4500時間に及ぶ動画の中から選ばれ編集された1時間35分の
作品。
作品は、今年のサンダンス映画祭プレミア部門に出品され、
ポーランドのドキュメンタリー映画祭で観客賞を受賞、ベル
リン国際映画祭のパノラマ部門にも出品された。
内容は時系列というか、実際には時差があるけれど、それぞ
れの場所の現地時間で夜明け前から日中を通して夜更けまで
の各地の様子が描かれて行く。その中には、前日の名残りの
酔っ払いに始まって、早朝から働き始める人々の姿なども取
り上げられている。
さらに日中になると、人間の誕生から死までの様々な出来事
が綴られている。そこでは闘病を続ける家族への想いや、家
族を亡くしたことの苦しみ。それに続く敬虔な祭礼や賑やか
な祭り、その中で起きた歴史に残るような惨事まで。
また、この日が土曜日だったということでレジャーに興じる
人々や、曜日に関係なく日々の労働を続ける子供から大人の
姿。その一方で、自転車で世界一周の旅をしている若者や、
ゲイのカミングアウト、ガールフレンドへの愛の告白。
正しくその日1日の地球の姿が描かれている。それは観てい
ると地球は広いというようにも感じるし、人間は何処に居て
もあまり変らないとも感じる。そんな様々な気持ちが心の中
に湧き上がってくる。
それは多分、今日の今現在も世界の何処かで行われているこ
となのだろうし、こんな風にして1日1日が積み重なって行
くのだろうと思うことも出来る。この作品はそんなことを考
えさせる切っ掛けにもなってくれる。
作品全体の監督は、2004年10月紹介『運命を分けたザイル』
などのケヴィン・マクドナルド。たたし個々の作品にはそれ
ぞれ監督がいて、それは日本人6人を含む332組342人の共同
監督によるそうだ。
この作品を観て、地球のことを考えるのも、人類にとって必
要なことではないかなあとも思える作品だった。
『ウィンターズ・ボーン』“Winter's Bone”
昨年の東京国際映画祭で鑑賞した作品の中で、僕の一番気に
入った作品が日本で一般公開されることになり試写会が行わ
れた。この作品は、アメリカでも映画祭以外では限定公開が
されただけだが、今年のアカデミー賞では主演女優賞部門な
どの候補になったものだ。
主人公は17歳の少女。幼い弟と妹、それに病弱な母親と共に
暮らしているが、保釈中だった父親が行方不明になり、保釈
金の立て替え業者から「裁判に父親が現れない場合は担保に
なっている家と土地から立ち退く」ことを通告される。
そのため父親の行方を探し始めた主人公だったが、まず父親
の兄弟からは探すなと忠告され、さらに彼女の前には幾多の
障害が待ち構えていた。それは麻薬の密造に関るもので、父
親はそのファミリーの掟に背いたようなのだ。
しかし彼女には、家族の生活を守るために父親の所在を知る
必要があった。たとえそれが死体であったとしても…。
出演は、1990年生まれで、本作でアカデミー賞にノミネート
されたジェニファー・ローレンス、2003年9月紹介『‘アイ
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08月14日(日)
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