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On the Production
by 井口健二
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■ヒマラヤ、復讐捜査線、リメンバー・ミー、あぜみちジャンピンッ、幸せのパズル、赤い珊瑚礁、ワン・ヴォイス+Rendezvous With Rama
繰り返す。そして最初は妊娠ではないと笑っていた娘だった
が、突然病院に行きたいと言い出し、2人が玄関先に出たと
き、現れた男が「クレイヴン!」と叫んで銃を発射、銃弾は
娘に当ってしまう。
この事態に主人公は娘の救護のために犯人を追うことを諦め
るが、娘は彼の腕の中で息を引き取ってしまう。そして事件
は、最初は父親の刑事が恨みを買ったものと思われ、その線
での捜査が続けられていたが…
犯人を直接知る唯一の人間として捜査班に残った主人公は、
徐々に事件の裏側にある何かに気付いて行く。
作品は、1985年にイギリスのBBCで全5回に分けて放送さ
れた同名のミニシリーズをリメイクしたもので、オリジナル
ではおそらく回を追うごとに謎が深まって行く構成になって
いたものと思われる。
その作品から本作は、2008年10月紹介『ワールド・オブ・ラ
イズ』などのウィリアム・モナハンが1本の映画に脚色して
いるものだが、映画化ではギブスンの主演らしく、『リーサ
ル・ウェポン』を思わせるガンアクションやカーアクション
を中心に物語が構成されている。
そしてその映画化を、オリジナルのミニシリーズを手掛け、
その後に1989年『クリミナル・ロウ』でハリウッドに進出。
さらに2006年11月紹介『007カジノ・ロワイヤル』などの
マーティン・キャンベルがセルフリメイクしているものだ。
共演は、2009年9月紹介『スペル』に出演のボヤナ・ノヴァ
コヴィッチ、2007年3月紹介『こわれゆく世界の中で』など
のレイ・ウィンストン、2009年6月紹介『30デイズ・ナイ
ト』などのダニー・ヒューストン、2008年8月紹介『ダイア
リー・オブ・ザ・デッド』に出演のショーン・ロバーツらが
脇を固めている。
イギリス作品がオリジナルらしく、謎の深まり方や解決策な
どがハリウッド映画とは一味違う作品に仕上がっている。な
おギブスンにはこの後も主演作が続いているようだ。
『リメンバー・ミー』“Remember Me”
『トワイライト』シリーズのエドワード・カレン役でブレイ
クした若手俳優のロバート・パティンスンが、自らの製作総
指揮と主演により作り上げた青春ドラマ。
幼い時に目の前で母親を強盗犯に殺された女性と、憧れだっ
た兄に自殺されて自分の気持ちの整理が付けられない男性。
さらに女性には刑事なのに母を助けられなかった父親と、男
性には兄の悩みを真剣に聞けなかった父親がいた。
そんな、共に幼い頃のトラウマを抱える男性と女性が巡り会
う。それは偶然ではなくある事情から男性によって仕組まれ
たものだったが、2人の気持ちは純粋に育って行く。しかし
やがて嘘はばれる時がやってくる。
人生において許すことのできない出来事。それは他人との間
のことであれば忘れてしまえば良いのだが、肉親や恋人同士
の間では、いつかそれを許し合わなければいけなくなる。そ
してそれを許し合えたとき、互いの関係はさらに親密になる
のだが…
本作はそんな許しをテーマとした作品と言えるだろう。そし
て人間同士はいつか許し合わなければいけないものなのだ。
しかしこの映画を見終えたときに、彼らは本当に全てを許せ
るのか、それは必ずしも明瞭でないようにも感じられた。
脚本は2003年、当時ロウスクールを目指してデラウエア大学
で学んでいたウィル・フェターズが、授業の課題を勘違いし
て映画のアイデアを纏めて仕舞い、さらに大学卒業後にそれ
を脚本に仕上げたというもの。
その無名新人の脚本に、2005年5月16日付第87回で紹介した
“Zoom”などの製作者ニコラス・オズボーンが着目。2007年
3月紹介『ハリウッドランド』などのアレン・コールター監
督が参加し、さらに当時はまだ無名だったパティンスンが主
役を熱望して企画は立上がる。
しかし当初は製作資金を調達できない企画だった。ところが
2008年『トワイライト』が大ヒット。これで超多忙になった
俳優に、最初は出演もなくなったと考えた製作者だったが、
パティンスンが断固主演を希望、逆に製作総指揮を買って出
て実現させたとのことだ。
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06月26日(日)
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