ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460137hit]

■AVN、ザ・ウォード、モンスターズ、天国の日々、men's egg、スーパー8、スリー・デイズ+Thor記者会見
が出てきたが、本作でもその辺が背景になっている。ただし
本作ではその部分に相当の捻りが加えられたものだが…
出演は、2010年5月紹介『ゾンビランド』などのアンバー・
ハード、昨年10月紹介『ウッドストックがやってくる』に出
演のメイミー・ガマー、昨年10月紹介『キック★アス』に出
演のリンジー・フォンセカ。
さらに2008年3月紹介『Mr.ブルックス』に出演のダニエレ
・パナベイカー、それに新人のローラ・リー。また、2002年
4月紹介『アトランティスのこころ』などのミカ・ブーレム
が久しぶりに観られた。
内容的にはサイキック・ホラーで、『遊星からの物体X』の
ようなVFX満載の作品から考えると、カーペンターも円熟
したかなという感じもするが、ショッカー演出などの冴えは
衰えていない感じがした。
それに何とも若い女優たちを見事に揃えてくれたのも嬉しい
ところ。それは内容的に同列とは行かないが、1999年『17歳
のカルテ』を思い出させてくれたものだ。

『モンスターズ/地球外生命体』“Monsters”
総製作費1万5000ドル(約130万円)で作られたというモン
スター映画。本作の監督には2012年公開予定“Godzilla”の
リメイクに起用が噂されている。
発端は、NASAが打ち上げた地球外生命体調査のための探
査機。探査機はその採取に成功するが、帰還の際に機体が大
破。破片がメキシコの北部地帯に散蒔かれてしまう。
それから6年、探査機の破片に付着していた地球外生命体が
成長を始め、巨大生物が次々に誕生してメキシコ北部は危険
地帯になってしまう。それに対してアメリカは国境線に巨大
な防壁を建設してその侵入を防いでいたが…
主人公は、メキシコ側の危険地帯との境界線近くで取材中の
カメラマン。その漸く現地に辿り着いた主人公に思わぬ命令
が本社から届く。それは社長の令嬢がその地で足止めされて
おり、それを救出してアメリカに送り届けろというもの。
その命令に取材時間が奪われると最初は渋った主人公だった
が、本社には逆らえず令嬢をアメリカ行きのフェリーが出る
海岸線まで送る約束はする。しかしその旅は思わぬ障害続き
となり、主人公は令嬢を陸路でアメリカまで送らなければな
らなくなる。それは危険地帯を抜ける125kmの行程だった。
と言うことで、彼らは巨大モンスターに襲われた危険地帯を
進んで行くことになるが、発生から6年も経つと人々の暮ら
しも順応し、危険と隣り合わせながらもそこを離れることが
できずに留まっている人々も多くいる。
そんな人々の異様な生活ぶりなどが、廃虚と化した町の姿と
共に描かれて行く。
それにしても、廃虚の一部は実際の災害の跡で撮影されてい
るのかとも思えるが、そこに動き回る怪獣の姿や攻撃武器、
さらに巨大な防壁やフェンスなどがCGIで合成され、それ
らが見事な映像で描かれている。
実際にこれが130万円で作られたとは思えないほどのものだ
が、監督は自宅でパソコンに向かって1人でこつこつと作り
上げたのだそうで、その才能と努力には敬服するしかない。
他にも驚くような映像が次々に登場していた。
物語的には、主人公の危機感が薄過ぎるようにも感じられる
が、6年も経つとこんなものかな。まあ原発が大爆発しても
3カ月で危機感が薄れている日本人も変わりないから、実際
こんなものになってしまうのかも知れない。
出演は主にテレビで活躍しているスクート・マジュナリーと
ホイットニー・エイブル。実生活でもパートナーという2人
が、殆どアドリブという会話シーンなどに良い効果を出して
いる。その他は大半が現地で調達された素人だそうだ。
そして脚本、監督、撮影、視覚効果などを1人で行ったのは
ギャレス・エドワーズ。1975年生まれ、BBCやDiscovery
チャンネルなどでVFXのクリエーターを務めた後、Sci-Fi
チャンネルのコンテスト番組に応募。グランプリを獲得して
本作が実現した。
なお、物語がハッピーエンドだと思った人は注意力が無さ過
ぎなので映画を良く観てほしいものだ。


[5]続きを読む

06月19日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る