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On the Production
by 井口健二
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■クロエ、Paradise Kiss、スコット・ピルグリム、ビューティフル、ザ・ホークス、小さな池、ソウルのバングラ…、エンジェル・ウォーズ
原作を圧縮しているから仕方ない面もあるかも知れないが、
単純明快なものだ。しかしそれがこの物語の狙いである訳だ
し、それをとにかくファンの期待を裏切らないように映像化
した作品と言える。
それに、ここに登場する若者たちの活力みたいなものは、ど
ちらかと言うと今の若者から失われているものかも知れず、
そんなものを描いた作品は、ある意味今の時代に必要なもの
なのかも知れない。
大人の目で観るといろいろ言いたくもなるが、若い頃にこれ
を観れば、多分こんな世界に憧れも持つだろうし、それが実
現しなくても夢を持つことが、それからの人生にとっての糧
にはなるだろうとも思えるものだ。
出演は、2010年3月紹介『瞬』などの北川景子、同年4月紹
介『BECK』などの向井理。さらに3月紹介『きな子』などの
山本裕典、5月紹介『君が踊る、夏』などの五十嵐隼士。他
に大政絢、賀来賢人、加藤夏希らが脇を固めている。
監督は新城穀彦。テレビ演出のベテランで劇場用作品は4作
目とのことだが、東京上空の空撮なども見事に描かれて、な
かなか気持ちの良い作品に仕上がっていた。
『スコット・ピルグリムvs.邪悪な元カレ軍団』
“Scott Pilgrim vs. the World”
2008年5月紹介『ホット・ファズ』などのイギリスの注目若
手監督エドガー・ライトによるハリウッド進出第1作。
カナダ出身のコミックス作家ブライアン・リー・オマリーが
2004年に第1巻を発表したグラフィックノヴェルの映画化。
因にこの原作は2010年に出た第6巻で完結したが、2009年に
発表の第5巻ではComic-conで発表されるアイスナー賞も受
賞したそうだ。
アマチュアバンドでベース担当するスコットは、年齢22歳の
ちょっと冴えない男。そんなスコットも17歳の中国系ガール
フレンドが出来、バンドの練習に連れてきてもいたが、突然
別の理想の彼女を見付けてしまう。
そしてその理想の彼女にいろいろアタック、ついにはデート
にまで漕ぎ着けるのだが、そこに彼女の元カレたちの軍団が
襲いかかる。そこに現れるのはスタントチームを引き連れた
映画スターだったり、音楽業界の大物だったり…
そんな元カレ軍団を、演奏バトルや対戦モードになると突然
発揮される格闘の技で次々倒して行くスコットだったが…。
そんな展開がヴィデオゲームを思わせる映像や、いろいろな
楽曲を彩りに描かれる。
出演は、2007年『JUNO』などのマイクル・セラ、2007年
7月紹介『デス・プルーフ』などのメアリー・エリザベス・
ウィンステッド。他に、キーラン・カルキン、クリス・エヴ
ァンス、アナ・ケンドリック、アリスン・ピル、ブランドン
・ラウス。
さらに日本から、2009年2月紹介『鴨川ホルモー』や8月紹
介『風が強く吹いている』などに出演の斎藤慶太・祥太の双
子兄弟も登場している。
脚本はライト監督と、俳優として『デス・プルーフ』などに
も出演しているマイクル・バコールが担当。
正直なところは、脚本にサイモン・ペグが加わった前2作に
比べると映画センスが今一な感じで、VFXとジャッキー・
チェンのチームも参加したというアクションの派手さに比べ
て物語があまりにも弱い。
しかし帰りのエレベーターでは「こんな凄いの初めて」とい
う興奮した声も聞こえてきたから、最近の若者はこの程度で
も満足できるようだ。『ホット・ファズ』に続いてファンの
要望で公開されるという作品だが、そういうファンも大勢い
るのかな。そう言う僕も、『ホット・ファズ』には満足した
のだったが。
『ビューティフル』“Biutiful”
2007年1月紹介『バベル』などのアレハンドロ・ゴンザレス
・イニャリトウ監督による最新作。アメリカ・アカデミー賞
で外国語映画部門及び主演男優部門の候補にもなった。
舞台はスペインのバルセロナ。主人公は死者の魂とコンタク
トが出来るらしく、死体安置所でその言葉を聞き、遺族にそ
れを伝えて何がしかのお金を貰っている。その一方で彼は違
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04月03日(日)
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