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On the Production
by 井口健二
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■A3DU、少年マイロの火星冒険記、ナチス偽りの楽園、はい!もしもし大塚薬局ですが、エクレール・お菓子放浪記+ニュース
そしてパフォーマンス・キャプチャーによる出演は、少年の
役に2002年8月紹介『オースティン・パワーズ』シリーズの
レギュラー出演や2003年6月紹介『ミニミニ大作戦』などの
セス・グリーン。
他に2008年2月紹介『燃えよ!ピンポン』などのダン・フォ
ーグラー、2009年3月紹介『お買いもの中毒な私!』などの
ジョーン・キューザック、2010年7月紹介『シングルマン』
に出演のエリザベス・ハーノイスらが共演。
パフォーマンス・キャプチャーだから直接容姿は観られない
が、グリーンは2004年『ポーラー・エクスプレス』のトム・
ハンクスと同様に少年らしい演技を観せてくれている。また
ハーノイスは、ディズニーが1990年代に製作した『不思議の
国のアリス』TVシリーズに主演していたそうだ。
ディズニーでは、来年3月9日の全米公開予定でエドガー・
ライス・バローズの原作による“John Carter of Mars”を
製作中で、実は事前に邦題の付いたポスターを試写室の壁で
観たときには、まさかそれかとびっくりしたが、本作は昨年
4月11日付のサイトでも報告していた別の作品だった。
でもやはりその前哨戦という感じはあるのかな、本作は純粋
にお子様向けのお話ではあるが、これでますます来年への期
待が盛り上がる感じの作品だ。
『ナチス、偽りの楽園』“Prisoner of Paradise”
ナチス政権下で、最後までドイツに留まったユダヤ人映画監
督の生涯を追ったドキュメンタリー。2003年度のアカデミー
賞長編ドキュメンタリー部門候補作品。
戦前ドイツで俳優・映画監督として活躍したクルト・ゲロン
は、元はキャバレー芸人の出身、映画では1930年マレーネ・
ディートリッヒ主演『嘆きの天使』の共演や、舞台は1928年
ベルリン初演『三文オペラ』の署長役などで知られ、特に、
『三文…』の中の『七首マッキー』の歌唱が有名だそうだ。
そんなゲロンは、『メトロポリス』のフリッツ・ラング監督
らとも親交があり、俳優のピーター・ローレをハリウッドに
送り出すことにも尽力したとされるが、本人は一時フランス
やオランダに逃れたものの、結局はナチスの手で収容所送り
となる。
ただし彼が送られたのはテレージエンシュタット。そこには
ドイツに対して功績のあったユダヤ人の代表や文化人などが
集められ、1944年にデンマーク赤十字社と国際赤十字社によ
る収容所の査察が行われた際の「偽りの収容所」にも仕立て
上げられた場所だった。
そしてその収容所でゲロンは、査察団に見せるためのキャバ
レーの演出や最後にはナチスがプロパガンダ用に製作を目論
んだ記録映画の監督にも起用される。
勿論それは、ガロンには自身や家族を守るための選択だった
が、同時にそれは他のユダヤ人からは糾弾されるのも仕方の
ない行為。一方それはナチスの迫害で映画を撮ることの出来
なかった監督にとっては、最後の才能の発露だったのかも知
れない。
そんなゲロンの生涯が、アーカイブ映像やホームムーヴィの
映像、それに現存する関係者の証言などによって綴られて行
く。それはただの好々爺であったかも知れない男が、歴史に
翻弄され落ちて行く姿を描いたものだ。
以前に、フリッツ・ラングや作家のエーリッヒ・ケストナー
がナチスを逃れて生き延びた状況を調べたことがあり、それ
はある種のドラマティックでもあったものだが、その一方で
ゲロンのようにそれを果たせなかった人物もいた。
それはゲロン自身の読みが甘かったところもあるが、そんな
ことで人間の生き様が変ってしまう。歴史の恐ろしさを今更
ながらに感じさせてくれる作品だった。
『はい!もしもし、大塚薬局ですが』
2007年に『青空夜空に星空』という作品でビデオフェスティ
バルのグランプリを獲得するなどしている勝又悠監督による
2010年の作品。因に本作は、昨年のゆうばり国際ファンタス
ティック映画祭ほか、世界各地の映画祭で招待上映されてい
るそうだ。
主人公は、田舎町の薬局を1人で切り盛りしている中年の女
性。その薬局に1人の女子高生がマニュキュアを買いに来る
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03月06日(日)
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