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On the Production
by 井口健二
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■ピュ〜ぴる、シリアスマン、お家をさがそう、ランウェイ☆ビート、ヨギ&ブーブー、四つのいのち、ブラック・スワン+ニュース
れた男性の、他人から観れば滑稽な姿を面白く観ていれば良
いだけのもののようだ。
ただその中で、主人公が授業で黒板に書き記す板書や、兄が
手帳に描いている記述などは、これは一体何なんだと言いた
くなるほど詳細に作られているもので、それもまたその度に
「へえ〜」と言いながら観てればいいのかな。でもそれなり
に楽しめたものだ。
出演は、2008年10月紹介『ワールド・オブ・ライズ』に出て
いたというマイクル・スタールバーグ、1994年『スターゲイ
ト』に出ていたというリチャード・カインド、ウディ・アレ
ン作品に常連だったというフレッド・メラメッド。
さらに、2005年2月紹介『最後の恋のはじめ方』に出ていた
というアダム・アーキン、また映画は初出演のサリ・レニッ
ク、アーロン・ウルフ、ジェシカ・マクマヌス。つまりほと
んどが無名と言っていい俳優たちだが、この不条理劇にはそ
れが填っていたようだ。
『お家をさがそう』“Away We Go”
1999年の映画デビュー作『アメリカン・ビューティー』で、
いきなりアカデミー監督賞を受賞したサム・メンデス監督に
よる2009年の作品。
主人公は、結婚はしていないが仲睦まじく愛し合っているカ
ップル。その女性が想定外の妊娠をし、2人はコロラドに住
む男性の両親の家の近くで出産の準備を始める。ところがそ
の両親が突然ベルギーに引っ越すと言い出し、2人は困惑す
る。
そこで2人は、全米からカナダまでの各地に住む親戚や知人
の家を訪ね歩き、出産と生まれて来る子供のために良い環境
を求めることにするのだが…。果たして2人は理想の環境を
見付けることができるのか?
舞台はコロラドからアリゾナ州のフェニックス、ツーソン、
ウィスコンシン州のマディスン、カナダのモントリオール、
フロリダ州のマイアミ、そしてサウスカロライナ。移動手段
もレンタカーから鉄道、飛行機と様々に乗り換えて旅の様子
が描かれる。
それは理想の環境を求めての旅だが、その一方でアメリカの
家族事情や社会の状況など、アメリカが抱えるいろいろな問
題も描いて行く。それはちょっと嫌味な部分もあるけれど、
それらを主人公2人が互いの愛情で乗り切って行く姿は心暖
まるものだ。
主演は、昨年1月紹介『恋するベーカリー』などのジョン・
クラシンスキーと、2000年から7年間「サタデー・ナイト・
ライヴ」のレギュラーを務めたというマーヤ・ルドルフ。因
に2人は、『シュレック3』のランスロット役と髪長姫役で
も共演していたそうだ。
さらに、ジェフ・ダニエルス、キャサリン・オハラ、ポール
・シュナイダー、メラニー・リンスキー、クリス・メッシー
ナ、マギー・ギレンホールらが脇を固めている。中でもギレ
ンホールのエピソードは強烈で、考えさせられた。
なお、前回紹介したようにメンデス監督には、次回作“Bond
23”が今年後半に撮影開始と発表されているものだが、こん
な素敵な作品を作る監督が一体どんなジェームズ・ボンドを
生み出すか、興味津々という感じだ。
『ランウェイ☆ビート』
2008年12月紹介『カフーを待ちわびて』などの原田マハ原作
の映画化。その映画化に『おくりびと』の製作者と『ソラニ
ン』の脚本家、そして『NANA』の監督が顔を揃えた。
主人公は東京の下町月島の高校に通う女子生徒。ある日、怪
我で入院した母親を見舞いに行って1人の若者と巡り会う。
難病で入院中の妹を見舞いに来ていたその若者は、奇抜なフ
ァッションを見事に着こなしていた。
そしてその翌日、彼女のクラスにその若者が転校生として入
ってくる。その若者は大手アパレルメーカーの社長の息子だ
ったが、その父親とは疎遠で、長らく祖父の許で暮らしてき
た。しかし妹の病気のこともあって東京に出てきたのだ。
そして彼女のクラスには、若年層に人気の出ている新進モデ
ルや地元のがき大将、クラブのDJをしながら実家のもんじ
ゃ焼き屋も手伝っている女子などもいて、クラスは文化祭に
自分たちでデザインしたファッションショウの出展を計画し
ていたが…
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01月23日(日)
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