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On the Production
by 井口健二
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■津軽百年食堂、婚前特急、アメイジング・グレイス、ゲンスブール、塔の上のラプンツェル、リセット、グリーン・ホーネット+製作ニュース
ージシャンで2006年5月紹介『ハチミツとクローバー』など
に出演の浜野謙太。
さらに、榎木孝明、石橋杏奈、青木崇高、吉村卓也、吉岡睦
雄、宇野祥平、白川和子らが脇を固めている。
物語的には上記したように不満はあるが一応了解はする。し
かしその展開では、結論として相手は1人の男性に絞られる
のだが…、その理由付けが薄弱で、これは全く納得できなか
った。
その男性が選ばれた決定的な理由、それはもっと明確に提示
されるべきものだ。これでは主人公自身がますます駄目に見
えてしまうし、現代のヒロインであるはずの設定も生きない
感じもした。

『アメイジング・グレイス』“Amazing Grace”
18世紀に作られた賛美歌「アメイジング・グレイス」。その
歌を背景に奴隷貿易の廃止に立ち上がった政治家ウィリアム
・ウィルバーフォースの実話に基づく物語。
20代で政治家となったウィルバーフォースは、英国議会に奴
隷貿易の廃止のための法案を出し続けていた。ところが貿易
立国であるイギリスの議会は、人道的な問題は理解していて
もその廃止は貿易商たちの不利益になるという理由でいつも
不成立だった。
そんな彼の支えとなったのは、元奴隷貿易船の船長で、その
航海中のある出来事から神の恩寵を感じ賛美歌「アメイジン
グ・グレイス」を作詞した神父ジョン・ニュートンの存在だ
った。そして愛する妻の後押しも受け、活動を続けた彼に遂
に転機が訪れる。
映画の中でも戦争の英雄は称えられ易いが、平時の英雄はな
かなか人の目に留まらないというような台詞が出てくるが、
正にその通りだろう。しかも物語の背景にはフランス革命や
アメリカ独立戦争などが絡むから、日本人には一層馴染み難
いものになっている。
しかしこのような人物がいたからこそ現代の世界がある訳だ
し、その意味で我々も知っておくべきことのように思える。
こういう他国人にはなかなか目に触れにくい物語が観られる
のも、映画の存在意義の一つのようにも思えるものだ。
主演は2005年、07年のアメコミ映画化『ファンタスティック
・フォー』に主演していたヨアン・グリフィス。2006年製作
の本作は丁度その間に撮った作品のようだ。共演は、2007年
12月紹介『つぐない』などのモローラ・ガライ。
他に、『つぐない』などのベネディクト・カンバーバッチ、
2004年12月紹介『オーシャンズ12』などのアルバート・フィ
ニー、『ハリー・ポッター』シリーズなどのマイクル・ガン
ボン、2008年3月紹介『幻影師アイゼンハイム』などのルー
カス・シーウェル。
監督は、2002年11月紹介『イナフ』や、日本では2月公開予
定の『ナルニア国物語/第3章』にも起用されているマイク
ル・アプテッド。実話に基づく脚本は、2002年『堕天使のパ
スポート』でオスカー候補に挙げられたスティーヴン・ナイ
トが担当した。

『ゲンスブールと女たち』“Gainsbourg (Vie héroïque)”
僕の中ではヨーロッパでの放送禁止が話題になった『ジュ・
テーム・モア・ノン・プユ』が一番印象に残っているかな。
フランスの作詞作曲家・歌手で、映画出演や監督作品もある
セルジュ・ゲンスブールの生涯を描いた作品。
帝政ロシア・ウクライナ出身ユダヤ人の両親の許、パリで生
まれたゲンスブールは、幼い頃から容姿にコンプレックスを
持ち、真面な学校にも行けずに画家になる夢を持って絵画学
校に通うが、それも途中で断念してしまう。
ところが、キャバレーで上演されるミュージカルでのピアノ
伴奏の職を得て、やがて自分もステージに立つようになり、
1958年に歌手としてデビュー、ボリス・ヴィアンらの大絶賛
を浴びることになる。
その後もヒット作は続くが自分で歌うより他のアーチストに
楽曲を提供することが多くなり、そのスキャンダラスな歌詞
と斬新で美しいメロディを求めて、エディット・ピアフやフ
ランス・ギャル、アンナ・カリーナといった人たちが彼の許
を訪れた。
その中でもブリジット・バルドーとは瞬く間に恋に落ち、デ

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01月16日(日)
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