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On the Production
by 井口健二
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■RED、男たちの挽歌、トロン:レガシー、ウルトラマンゼロ、学校をつくろう、わが心の歌舞伎座、KG+ニュース
しての実績を上げ始めた頃、兄が海外での刑期を終えて帰国
してくる。
ところが、以前に兄のいた組織は当時は駆け出しだった男に
支配されており、特に兄の弟分だった男はパシリのような生
活に落ちぶれていた。そんな状況で兄は堅気になることを決
心するのだが、新たな支配者は邪魔な兄とその弟分を始末し
ようと考えていた。
物語の展開自体は、オリジナルとほぼ同じと言って良い。ま
あちょっとした違いはあるが、それは映画を観てのお楽しみ
というところだろう。そこに本作では、脱北者という設定が
加わる訳だが、さて韓国の人以外にこれがどのように受けめ
られるものか。
それは兄弟の一方がヤクザ、他方が警官という設定の根拠と
してはオリジナルより現実的な感じもするが…。何かこの物
語については、僕の中で違和感のようなものも感じていた。
その違和感が何故生じるかは、実は僕自身もよく判らないの
だが。
出演は2009年11月紹介『霜花店』などのチェ・ジンモ、今年
11月に紹介した『食客2』のオリジナル版に主演のキム・ガ
ンウ、10月紹介『ゴースト』に主演のソン・スンホン。監督
は2004年『力道山』などのソン・へソンが担当している。
また、エンドクレジットに流れる主題歌を日本のCHEMISTRY
が担当しており、この歌は日本版では日本語だが、海外では
韓国語で吹き込まれているそうだ。
なおオリジナルの原題は『英雄本色』。『男たちの挽歌』は
日本のみでの題名で、添えられた“A Better Tomorrow”は
オリジナルの英語題名だったものだ。また今回のハングルの
原題は、漢字では『無籍者』となるようだ。

『トロン:レガシー』“Tron Legacy”
すでに9月に『美女と野獣3D』と共に7分間のフッテージ
と、10月には20分間の特別フッテージを紹介し、前回は記者
会見の報告もしたディズニー最新作の全編の3D試写がよう
やく行われた。その報告しよう。
その全編を観ての感想は、まずは予想通りというか、期待し
ていた通りの見事な迫力で電脳世界が描かれていた。それと
期待以上だったのが音響と音楽で、全身を圧するように轟く
サウンドには、久し振りに音を感じる心地よさがあった。
その音響は、現代エレクトロミュージックの雄と言われるダ
フト・パンクの音楽と、それに負けじと頑張った音響担当者
たちの見事なコラボレーションが、単純に耳を聾するのでは
ない、心地よいサウンドを作り上げている。
この音響の心地よさを感じると、イヤフォンやヘッドフォン
だけで音楽を聞いているつもりの、電車の中でシャカシャカ
言わせている連中が哀れになる。音楽とはやはり全身で聞く
ものだということがよく判るサウンドの素晴らしさだった。
物語は、10月紹介のフッテージで予想した以上に現実世界で
のアクションなどもしっかりあって、特に今回の主人公サム
の立場や、その父親フリンとの関係などがかなり丁寧に描か
れていた。
その一方で電脳世界と現実世界の関り方については、オリジ
ナルの時にもあやふやだったが、それは今回も充分には説明
されておらず、SFとしては多少不満は感じる。とは言え本
作はゲーム感覚のアクションを楽しむものだから、映画的に
はこれで充分だろう。
映像は『アバター』と同じくデジタル・ドメインがVFX担
当しているから、それはキャメロン作とは異なる映像が展開
されるものだが、こちらも欲を言えばもう少し都市の内部も
見せて欲しい感じもした。
それはサムが電脳世界に到着した直後に少しだけ見られるも
のだが、できればその空間でのアクションや、迫力のゲーム
が展開される闘技場と荒野との間での、プログラムたちの普
段の暮らしなども見せて欲しかったところだ。
でもまあ、本作はすでに上映時間2時間7分の作品だから、
これ以上のものを描くのは難しかったのかな。因に3D効果
は、その上映時間でも大丈夫な程度の描き方になっていたよ
うだ。なお、スタッフ・キャスト等の情報は以前の記事を参
照してください。


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12月12日(日)
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