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On the Production
by 井口健二
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■ピラニア、ウォールS、わたしを離さないで、恋とニュースのつくり方、WE DON'T CARE、ランナウェイズ、カンフーサイボーグ+ニュース
出演は、ゲッコー役を再演のダグラスに加え、ジェイコブ役
をシャイア・ラブーフ、ウィニー役にキャリー・マリガン。
他に、ジョッシュ・ブローリン、イーライ・ウォラック、ス
ーザン・サランドン、フランク・ランジェラらが脇を固めて
いる。
脚本は、2008年『ラスベガスをぶっつぶせ』などのアラン・
ローブと、1999年『トゥルー・クライム』などのスティーヴ
ン・シフ。製作は前作と同じエドワード・R・プレスマン、
監督もオリヴァ・ストーンが再び担当した。
因にゴードン・ゲッコーは、2005年12月15日付第101回でも
紹介したForbes誌選定による「フィクション世界の大金持ち
ランキング」で、今年4月14日の発表最新版では前回2008年
版の第4位から圏外に落選していた。
これはつまり、ゲッコーは2008年の金融クライシスを乗り越
えられなかったという判断だと思われるが、本作で見るよう
に彼は見事にその危機を乗り越えてさらに大儲けもしている
ようだ。この復活劇で、次回のランキングにはまた再登場す
ることになるのかな。

『わたしを離さないで』“Never Let Me Go”
すでに10月24日付「東京国際映画祭」の項でも紹介した作品
だが、日本公開が来春に決定して改めて試写が行われた。そ
こで物語の中の時間的なポイントなどをいくつかチェックし
たので追記しておこう。
まず、この物語が我々の世界からパラレルワールドとなる分
岐点は1952年、そして1967年には平均寿命が100歳を超えた
ということが巻頭のテロップで紹介されていた。さらに主人
公自身の物語の始まりは1978年で、彼らがコテージに住み始
めるのが1985年、そして物語の中の現在はその10年後という
ことになっている。つまり1995年ということだ。
それから2度目に観ていれば当然のことだが、物語の中では
数多くの結末に向かっての示唆がされていて、事前の知識を
ほとんど無しで観た1度目の時より、細かな点でいろいろな
ことに気付かされた。
さすがに原作者が製作総指揮を務めただけのことはあるとい
う感じもした作品だった。出来れば予備知識なしで観て、そ
れからもう一度観て欲しい作品だ。

『恋とニュースのつくり方』“Morning Glory”
2004年11月紹介『きみに読む物語』などのレイチェル・マク
アダムス主演で、テレビ界の裏側を描いたロマンティックな
作品。
主人公はローカルTV局でモーニングショウを手掛け、やる
気満々の女性プロデューサー。ところが上司に呼ばれ昇進間
違いなしと向かった彼女に突き付けられたのは、「クビ」の
一言だった。
そこで発奮した彼女は、ニューヨーク発全国ネットのモーニ
ングショウに挑むのだが、採用されたのは47年の歴史だけは
あるが、企画なしやる気なしで視聴率でも最下位に沈む末期
症状の番組。
それでも彼女は、これがチャンスと意気込んで番組の改革を
目指すのだが、新たに呼び入れたベテランアンカーマンは、
ここは自分のいる場所じゃないと逃げ腰で、視聴率はさらに
下がって番組の命運はあと1週間になってしまう。この危機
を彼女は挽回できるのか…
共演は、スーザン・サランドンとハリスン・フォード。他に
2008年12月紹介『パッセンジャーズ』などのパトリック・ウ
ィルスン、『ID4』などのジェフ・ゴールブラムらが脇を
固めている。
脚本は2006年『プラダを着た悪魔』のアライン・ブロッシュ
・マッケンナ、監督は1999年『ノッティングヒルの恋人』の
ロジャー・ミッシェル。この手の作品では実績のある2人の
初顔合せによる作品だ。また製作は、2009年版『スター・ト
レック』などのJ.J.エイブラムス監督率いるバッド・ロボ
ットが担当した。
まあお話は出来過ぎだし、マクアダムスは可愛いけれどなか
なかイメージの固定しない女優で、本作でもまあ可もなし不
可もなしという程度かな。それに対してサランドンの演技は
見事で、フォードとの渡り合いでは往年のマニーメイキング
スターがたじたじとなっているのは見ものだった。
まあカップルか何かで気楽に楽しんで見るには最適の作品と

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12月05日(日)
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