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On the Production
by 井口健二
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■ソウル・キッチン、PA第2章、ザ・タウン、ベストセラー、イップ・マン、モンガに散る、ワラライフ、死なない子供+製作ニュース
されており、それはその手の現象を良く研究した成果とも言
えそうなものだった。
それに対して本作では、その演出自体はオリジナルをよく踏
襲していたもので、それによる恐怖感などは巧みに再現され
ていた。しかし日本版独自の新規な恐怖感のようなものはあ
まり感じることができなくて、良くできたリメイクという感
じになったものだ。
でもまあ本作の価値は、それで充分と言えば充分なものでは
あるが。
出演は、今年4月紹介『BECK』や9月紹介『大奥』などに出
演の中村蒼と、2006年のテレビラマ『逃亡者 おりん』に主
演の青山倫子。オリジナルとは違って、それなりに知られた
俳優を起用しているのも本作の狙いのようだ。
監督は、2007年7月紹介『阿波DANCE』や2005年のテレビラ
マ『富豪刑事』などの長江俊和。因に監督はテレビと映画で
『放送禁止』というフェイクドキュメンタリーのシリーズも
手掛けており、この作品には打って付けだったようだ。
なお、物語の中ではオリジナルとの繋がりにも言及されてお
り、その点で『第2章』という題名は正しいようだ。ただし
アメリカでは“Paranormal Activity 2”という別の作品も
作られていて、それとの繋がりがどうなっているかも気にな
るところだ。
『ザ・タウン』“The Town”
今年の東京国際映画祭でクロージングを飾った作品。
アメリカ・マサチューセッツ州の州都ボストン。その北東部
に位置するチャールズタウンは、アイルランド系の住民が多
く住む地区であると同時に、全米一多くの銀行強盗と現金輸
送車の襲撃事件が起きる場所とも言われているそうだ。
そんなチャールズタウンの一角にある銀行が朝の始業時間の
直前に襲われる。それは鮮やかな手口で、行員に負傷者も出
ないはずだったが、ちょっとした手違いから血気に逸った犯
人の1人が副支店長を殴打、一味は女性支店長を拉致して逃
亡することになる。
しかし警察の追跡も蒔き、女性支店長も無事開放して犯行は
成功裏に終結するのだが、その支店長から奪った運転免許証
に書かれていた彼女の住所は、犯人たちの住むチャールズタ
ウンの中のものだった。
その状況に一味の1人が支店長に近づき、彼女の思惑などを
探ろうとするのだが、それが思い掛けない結果を招くことに
なる。そして事件の捜査に動き出したFBIの捜査官も町に
現れて、事態は緊迫の度を高めて行くが…
脚本・監督・主演はベン・アフレック。1997年『グッド・ウ
ィル・ハンティング』でマット・デイモンと共にオスカー脚
本賞に輝いたアフレックは、2007年“Gone Baby Gone”で監
督デビューしているが、その第2作で正に大向うを唸らせる
作品を作り上げた。
なお脚本は、チャック・ホーガンの原作による“Prince of
Thieves”から、アフレックと、同じく俳優出身のピーター
・クレイグ、“Gone Baby Gone”にも協力したアーロン・ス
トッカードが共同で仕上げている。
共演は、2007年3月紹介『プレステージ』や、2009年3月紹
介『それでも恋するバルセロナ』などのレベッカ・ホール。
今年2月紹介『ハート・ロッカー』でオスカー候補になった
ジェレミー・レンナー。
他に、2000年の『スペース・カウボーイ』がデビュー作とい
うジョン・ハム。2005年9月紹介『旅するジーンズと16歳の
夏』などのブレイク・ライブリーらが脇を固めている。
先月紹介した『ソーシャル・ネットワーク』が東京国際映画
祭のオープニング、本作はクロージングを飾った作品で、こ
の2作が揃って来年のオスカー候補になったら、それは素晴
らしいことだ。
『ベストセラー』“베스트셀러”
今年8月に行われた第14回富川(プチョン)国際ファンタス
ティック映画祭で「アジア映画賞」を受賞した韓国製ホラー
映画。
女性のベストセラー作家が盗作問題を起こす。それから2年
後、再起を賭けた新作執筆のため、作家はとある村に建つ古
い洋館に籠もって仕事を始めるのだが、そこで同行している
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11月07日(日)
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