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On the Production
by 井口健二
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■サラエボ希望の街角、嘘つきみーくんと…、バスキアのすべて、ソーシャル・ネットワーク、極悪レミー、狼の時代/Date...+製作ニュース
あるが、それも東野ほどには完成はされていない。ただハネ
ケ/東野よりお話の詰めが甘い分、観客としては気楽に観て
いられるかな…?そんな風には感じられた。
しかし、いずれにしてもあまり気持ちの良い話ではないし、
一昔前ならこういう内容はタブーだったのではないかな。そ
れが最近では、このような内容でも描ける「自由」が映画に
は与えられているようだ。
出演は、まーちゃん役には1991年生まれ、2007年『ケータイ
刑事シリーズ』に6代目銭形海役で主演などの大政絢、みー
くん役は2006年7月紹介『フレフレ少女』や2008年2月紹介
『泪壺』などに出演の染谷将太。その脇を田畑智子、鈴木京
香らが固めている。
脚本と監督の瀬田なつきは、2009年1月に紹介した『kis
s!』に「あとのまつり」という作品が記録されているが、
僕は観られなかった作品のようだ。その他にもすでに長編が
何本もあってインディーズでは知られた監督、その商業作品
第1作となっている。
なお、主題歌を柴咲コウが歌っていて、また挿入歌では荒井
由実の「ルージュの伝言」を柴咲がカヴァーしているのも話
題になりそうだ。また本作と『白夜行』は、共に東京国際映
画祭で公式上映されることになっており、その際の特に外国
人観客の反応が楽しみだ。
『バスキアのすべて』
“Jean-Michel Basquiat: The Radiant Child”
1996年にジュリアン・シュナーベル監督が映画化した『バス
キア』などでも知られる27歳で夭逝した画家の生涯を描いた
ドキュメンタリー。
バスキアは、1960年にニューヨークのブルックリンで、ハイ
チ出身の父親とプエルトリコ生まれの母親の間に生まれた。
移民の子ではあったが、父親は公認会計士、家庭は中流で、
母親は幼いバスキアをよく美術館に連れて行ったそうだ。
そのバスキアは、7歳の時に自動車にはねられて入院、脾臓
摘出の手術を受けたが、その際に母親から贈られた解剖学の
本の図版が後の彼の作品のモティーフになっている。しかし
その年に両親は離婚。バスキアは2人の妹と共に父親に引き
取られ成長する。
17歳の時にバスキアは、友人と共に架空の宗教家のキャラク
ター<SAMO>を創り出し、ダウンタウンでその署名入り
の落書きが話題となる。そしてハイスクールを中退。家も出
て、手書きの絵葉書やTシャツなどを売りながらその日暮ら
しの生活を始める。
やがてクラブの常連となり、バンド活動などを経て若手芸術
家のグループ展に参加。そこで画商や評論家、そしてアンデ
ィ・ウォーホルらにも認められることになる。こうして瞬く
間にスターの座に登り詰めたバスキアだったが…
この作品は、バスキアの友人だった女性監督のタムラ・デイ
ヴィスが、彼の死の2年前に撮影したインタヴューに基づく
もので、実は監督はそのフィルムの公開については、友人か
ら個人的に贈られた作品を転売するような感じて、躊躇いが
あったようだ。
しかし2006年のサンダンス映画祭に短編映画として上映した
際に、これは自分の所だけに留め置いてはいけないと考え、
関係者への新たなインタヴューや、アーカイブ映像などの追
加編集を経て本作を完成させている。
その作品には、正に「バスキアのすべて」が描かれており、
特にバスキアが生の声で自分自身を語る姿は素晴らしいもの
だった。
その他にも、ストリートアートの先駆者キース・ヘリングや
ジュリアン・シュナーベル監督、それにアンディ・ウォーホ
ルらも登場する。そこにはまた1980年代のアートシーンも見
事に描き出されていた。
なお、今年はバスキアの生誕50周年に当っており、本作はそ
の記念作品。今年1月のサンダンス映画祭でプレミア上映さ
れたものだ。
『ソーシャル・ネットワーク』“The Social Network”
インターネットを通じて会員間の交流を促進するソーシャル
・ネットワーク・サーヴィス(SNS)の中でも、世界最多
の登録者数を誇る「フェイスブック」の創設者マーク・ザッ
カーバーグの姿を描いた実話に基づく物語。
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