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On the Production
by 井口健二
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■マザーウォーター、ふたたび、レオニー、ビッチ・スラップ、裁判長!ここは懲役4年でどうすか、ドアーズ、義兄弟、リトル・ランボーズ
ぞれの場所での老人が迎えている現実の厳しさも描き出して
いる。そしてハンセン病と言うだけで、結婚式目前の婚約を
破棄されたり、恋人が去ったりという、今も続く謂われない
差別も描かれている。
出演は、今年3月紹介『シュアリー・サムデイ』などの鈴木
亮平、祖父役に財津一郎。他に、2008年9月紹介『252』
などの韓国人モデルMINJI。さらに古手川祐子、陣内孝則、
藤村俊二、犬塚弘、佐川満男。それに渡辺貞夫が演奏シーン
に登場している。
ただ映画では、祖母を襲った悲劇に関しては克明に描くが、
現在も続く差別に関してはさっと流している程度で、その部
分が多少綺麗事になってしまっている感じは否めない。謂わ
れ無き差別が今も続いている現実を描くことには、何か支障
があったのだろうか?
それに演奏シーンでは、渡辺、犬塚、佐川はよいが、鈴木、
財津、藤村は…頑張ってはいるのだろうがやはり多少は目を
瞑らなければいけなかった。編集のテクニックなどもあると
思うが、ここはもう少し何かしてほしかったところだ。
『レオニー』
第2次大戦後の日米で建築家・芸術家として活躍したイサム
・ノグチの母親レオニー・ギルモアの生涯を描いた作品。
レオニーはフランス留学の後にアメリカの大学で学んだが、
そこでは教授に真向反論するなど、ちょっと普通でない女性
だったようだ。そんなレオニーが就職したのはニューヨーク
の小さな出版社、そこは日本からやってきた野口米次郎とい
う詩人が経営していた。
やがて米次郎は、在米日本人少女を主人公にした小説の執筆
を始め、彼女はその編集者として英語表現に手を加えるなど
手腕を発揮する。こうして出版された本は評判になり、そん
な中で2人は結ばれるのだが…
その後の日露戦争の激化で米次郎は帰国を余儀なくされ、妊
娠していたレオニーは1人でその子供を生むことになる。そ
して日露戦争が終結し、レオニーは1人息子を連れて来日、
米次郎はその子供に勇=イサムと名付ける。
ところが米次郎は、レオニーに英語教師の仕事や編集者とし
ての仕事を与えて生活の面倒は見るものの、家にはなかなか
顔を出さない。というのも彼は、先の帰国時に日本人の妻を
娶っており、レオニーは妾の扱いだったのだ。
そんな中でもレオニーは懸命に子供を育て、さらにイサムの
妹も誕生するが…
元々はドウス昌代原作によるイサム・ノグチの伝記にインス
パイアされた脚本とのことで、原作の中に描かれた母親のエ
ピソードから再構築された物語のようだ。とは言えイサム誕
生の状況や日本に来てからの話などは実話に沿っているのだ
ろうし、この状況の許で敢然と生きた素晴らしい女性の姿が
見事に描かれている。
この女性がイサム・ノグチを誕生させた…、それがよく判る
物語だ。
出演は、2006年6月紹介『マッチ・ポイント』などのエミリ
ー・モーティマ。米次郎役に中村獅童。他に、原田美枝子、
竹下景子、吉行和子、中村雅俊、大地康雄、クリスティーナ
・ヘンドリックス、メアリー・ケイ・プレイスらが共演して
いる。
製作・脚本・監督は、2002年『折り梅』などの松井久子。撮
影は、2007年7月紹介『エディット・ピアフ』でセザール賞
受賞の永田鉄男が担当したものだ。
『ビッチ・スラップ』“Bitch Slap”
荒野の一角にお宝を捜しにやってきた3人の女性が、それを
邪魔する男たちと壮絶なバトルを繰り広げるという女性中心
のアクション作品。
ストリッパーのトリクシーと麻薬売人のカメロ、そして高級
娼婦のヘルの3人がキャンピングカーなどが放置された荒野
の一角に車でやってくる。彼女らは最初にキャンピングカー
の中を捜索するが目当てのものはないようだ。
その彼女らが乗ってきた車のトランクには1人の男が閉じ込
められており、3人は男を引き摺り出してお宝の隠し場所を
尋問し始める。そこにシェリフが現れたり、危険なヨーヨー
を操る日本人女性を連れたパンク野郎が現れたり…
そしてそれらバトルの間に、フラッシュバックで彼女たちを
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08月29日(日)
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