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On the Production
by 井口健二
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■神様ヘルプ、シークレット、花と蛇3、七瀬ふたたび、ルイーサ、nude、魔法使いの弟子、コップ・アウト+製作ニュース
が、そこにはさらに目撃者も登場してしまう。しかも何故か
一部が消去された防犯ヴィデオなど妻に不利な証拠は次々挙
がってくるが…
そんな中で、妻を信じて真相の究明に邁進する刑事の姿が描
かれる…と書くと、何だかただの熱血刑事もののようだが、
本作の物語はそんなに単純ではない。前作『セブンデイズ』
もそうだったが、犯人の真の狙いがどこにあるのかなど、そ
の複雑さは見事だ。
出演は刑事夫妻役にチャ・スンウォン、ソン・ユナ。他に、
2008年8月紹介『ファン・ジニ』などのリュ・スンニョン、
今年2月紹介『飛べ、ペンギン!』などのパク・ウォンサン
らが脇を固めている。
新人監督のデビュー作の手腕は、手堅くまとめられている感
じだが、さらにスタッフでは、撮影に2008年『チェイサー』
のイ・ソンジェ、編集に昨年11月紹介『作戦』のシン・ミン
ギョンらのベテランが参加。しっかりと脇を支えているよう
だ。
最初から最後まで緊張感に溢れた見事な作品で、続くホラー
と、SFテイストの作品も期待したくなった。

『花と蛇3』
団鬼六が1961年から発表を続けたSM小説の映画化。1974年
の日活作品からでは8作目の映画化となるものだが、東映製
作では2003年、2005年の杉本彩主演作に続く第3作となって
いる。東映の前2作は試写状を貰えなかったが、今回は送ら
れてきたので観に行った。
本作の主演は、元グラビアアイドルで昨年ストリッパーとし
てのステージデビューが話題になった小向美奈子。この順番
でエロティックな映画への主演は本人的には成功過程という
ことなのかな。
その映画は、物語は…というほどのものはあまりなくて、策
略でとある男のものにならざるを得なかった主人公が、その
男の別荘に拉致され、そこに住まう男女によって「調教」さ
れて行く姿が描かれる。
実は物語では、最初に主人公の前の夫の会社の乗っ取りなど
の話があって、それが最後の落ちに繋がって行く。しかし、
観客の方がそれに目を留めるかどうか。そんな話はなくても
ただ小向を含む女優たちの裸や調教シーンが観られれば良い
という作品ではある。
でもお話をよく観ると、落ちはそれなりに面白いものにもな
っているのだが…
共演は日野正平、本宮泰風。それにテレビ『星獣戦隊ギンガ
マン』の悪女役水谷ケイ、今年2月紹介『後ろから前から』
に出演していた琴乃、現役読者モデルの小松崎真理らが体当
たりの調教シーンを演じている。
監督は、テレビ『あぶない刑事』などを手掛けその劇場版も
担当した成田裕介。脚本は、1996年『岸和田少年愚連隊』や
2007年7月紹介『夢のまにまに』などの我妻正義が担当して
いる。
ということで本編の紹介は以上だが、本作の見所はそれだけ
ではなくて、実はエンディングクレジットに添えられた緊縛
の映像が見事だった。この映像は前2作に登場した緊縛師の
有末剛が手掛けているということだが、ロープや太い竹竿を
使って小向を吊り上げたシーンの数々は見事なもの。
僕は以前に招待されたパーティで、緊縛師によるパフォーマ
ンスを生で観た経験があるが、これはこれで一種の芸術に近
いものにもなっているようだ。その芸術性という意味でも、
ここに登場する映像は注目に値した。できればこれを本編中
でも観たかったものだ。

『七瀬ふたたび』
1972年〜1977年に単行本3冊が出版されている「火田七瀬」
シリーズ第2部の映画化。原作者筒井康隆の作家生活50周年
記念映画。
筒井原作の映画化では『時をかける少女』がアニメ版を含め
て4回あるが、『七瀬』が劇場用に映画化されるのは今回が
初めてのようだ。ただしテレビでは、『七瀬』が4回、他に
『家族八景』が2回と自主映画作品もあるそうで、火田七瀬
の映像化は8回目になる。
もっとも『時かけ』の方も、テレビまで含めると8回になる
ようだが。
そして火田七瀬を演じる女優は、多岐川裕美、水野真紀、渡
辺由紀、蓮佛美沙子、堀ちえみ、及び自主映画作品と来て、

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07月18日(日)
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