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On the Production
by 井口健二
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■おのぼり物語、エルム街の悪夢+製作ニュース
それに物語の全体に破綻が少なく、普通なら「これはない」
と思える部分が見当たらないから、正に論理的にも逃げ場が
ないという感じにもさせられた。そのくらいに良くできた脚
本に正直脱帽した作品だった。
そしてオリジナルからは何本もの続編とテレビシリーズも作
られ、中には矛盾する作品もあったが、概ねオリジナルの思
想は受け継がれて、その他のスプラッター作品とは一線を画
した作品は、僕にはお気に入りのシリーズだった。
そんな作品のリメイク。僕にとって再訪の世界は、手の内が
判っている分、昔の恐怖感は多少は薄れたが、それでもタイ
ミングの良いショックシーンの演出には嬉しくもなった。正
直には、もう一度「初めて」見たかったものだ。
出演は、2009年12月紹介『エクトプラズム』などのカイル・
ガルナー、今年10月に新作の“The Scial Network”が全米
公開されるルーニー・マーラ、昨年6月紹介『96時間』に
出ていたケイティ・キャシディ。
さらに2008年10月紹介『サラ・コナー クロニクルズ』でジ
ョン・コナー役のトーマス・デッカー、2009年1月紹介『ト
ワイライト』以降のシリーズに出演しているケラン・ラッツ
らが若者たちを演じている。
ウェス・クレイヴン創造のキャラクターを基にした脚本は、
2002年3月紹介『グラスハウス』などのウェズリー・ストリ
ックと、現在撮影中“The Thing”のリ・リメイクも手掛け
たエリック・ハイセラー。監督はMTV出身のサミュエル・
ベイヤー。製作は『トランスーマー』などのマイクル・ベイ
監督主宰のプラティナム・デューンが担当した。
本作では基本の世界に立ち返って、殺人鬼が再びシリーズを
歩み始める。心機一転の作品で新たなファンを獲得し、新規
のシリーズが発展することを期待したい。
        *         *
 今週はゴールデンウィーク明けで観に行った試写会の数が
少なかったので、今までに紹介しそびれた作品も含めて製作
ニュースを纏めて紹介しておこう。
 まずは続報で、前回IMAXから発表された“The Hobbit”の
上映計画に絡めて報告した“Batman 3”に関して、その全米
公開日を2012年7月20日とすることが、ワーナーから公式に
発表された。
 その発表によると、脚本は前2作の監督を務めたクリスト
ファー・ノーランのアイデアに基づき、『ダーク・ナイト』
を担当した実弟のジョナサン・ノーランと、『バットマン・
ビギンズ』で協力したデイヴィッド・S・ゴイヤーが共同で
執筆しており、それが完成し次第クリストファーの監督で映
画化が進められるとのことだ。
 因に、2005年に公開された『バットマン・ビギンズ』の興
行成績は全世界で3億5200万ドル、2008年公開の『ダークナ
イト』の成績はいろいろあって10億ドルにも達したとのこと
で、その第3作への期待は極めて大きいようだ。
 なお前回の報告の中で、この他に挙がっていた作品につい
ても説明しておくと:
 まず“Dark Shadows”は、2008年6月15日付第161回でも
紹介した往年のテレビシリーズの映画化で、以前の情報では
ジョニー・デップが主演を希望し、ティム・バートン監督の
期待もあるものだ。
 “Fury Road”は、2009年11月8日付などで紹介した“Mad
Max 4”のことで、ジョージ・ミラー監督が計画を進めてい
る。以前の紹介では、シャーリズ・セロンの出演の情報があ
ったが、それはキャンセルされたようで、前回紹介のトム・
ハーディ(今年3月紹介『ザ・エッグ』にも出ていた)の他
には、『タイタンの戦い』のニコラス・ホルト、2007年11月
紹介『ディセンバー・ボーイズ』などのテレサ・パーマー、
2007年9月紹介『ブレイブワン』のゾーイ・クラヴィツらの
出演が発表されている。
 “Gravity”は、今年2月頃にアンジェリーナ・ジョリー
主演のSF作品ということで突然話題になった作品で、実は
ここでも取り上げるつもりだったのだが、原稿を書き始めた
直後にジョリーの出演がキャンセルされたと報じられ、掲載

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05月09日(日)
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