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On the Production
by 井口健二
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■ユニバーサル・ソルジャー、タイタンの戦い、ボーダー、アルゼンチンタンゴ、ザ・ウォーカー、ハングオーバー+製作ニュース
が、本作では神と人間の対立と、神々同士の確執という構図
の中で、家族への愛や仲間へ信頼を謳い上げる物語に昇華さ
れていた。
そのためこのリメイクでは、ペルセウスの人間としての姿を
描くことにも重点が置かれ、彼の育ての親への思いなどが丁
寧に描かれる。そしてそこに、今回はCGIを駆使して描か
れた神話の怪獣たちが大暴れを繰り広げるものだ。
その怪獣の中では、特にクライマックスのクラーケンは、人
形アニメーションでは到底不可能だったと思われる大迫力で
描かれる。その一方で、ペガサスやメデューサなどは正しく
ハリーハウゼンの感触で、それも見事に再現されていた。
出演は、ペルセウス役に『T4』『アバター』のサム・ウォ
ーシントン、ゼウス役にニーアム・リースン、冥界の王ハデ
ス役にレイフ・ファインズ。他に、2009年8月紹介『パイレ
ーツ・ロック』に出演のジェマ・アータートン、2004年7月
紹介『リディック』などのアレクサ・ダヴァロスらが共演し
ている。
なお試写会の翌日には、監督ルティリエと主演ウォーシント
ンの来日記者会見が行われ、そこでは上記の子供時代の思い
出なども聞けたものだが、さらに僕は、本作にちょっとだけ
登場するブーボーがオリジナルに登場したのと同じ物かどう
か訊いてみた。
その答えは、「同じではなくダブル(替玉)だ。その理由は
サムが壊してやると言ったのでそれは困ると思ったから」と
言うもの。それを受けて俳優からは「監督が、俳優より大き
な控室を用意していてしゃくに障った」とのことだった。
つまり、オリジナルはそれほど大切に扱われているものだっ
たようで、いろいろな危険を考慮して映画には替玉が登場し
ているようだ。
なおハリーハウゼンとコンタクトしたかとも訊いてみたが、
監督は待ってましたとばかりに、「2回も面会した。彼はそ
の席で『好きなように作ってくれて良い』と言ってくれた。
『何かやり残したことはないか』と訊いてみたが、『すべて
やり尽くして満足している』との答えだった」と話してくれ
た。
因に唯一貰った実効的なアドヴァイスは、「出演者は最高の
人を選びなさい」だったそうで、その結果がサム・ウォーシ
ントンなのだそうだ。ルティリエ自身もハリーハウゼンに会
えたことが相当に嬉しかったようで、そのことを訊けて僕も
満足だった。
『ボーダー』“Righteous Kill”
アカデミー賞に6回ノミネート中2回受賞のロバート・デ・
ニーロと、8回ノミネート中1回受賞のアル・パチーノ共演
による警官バディ・ムーヴィ。
1974年『ゴッドファーザーPart 2』と1995年『ヒート』での
共演はあるものの、74年作では一緒に写ることはなく、95年
作でも同時登場はほんの数分だけだったという名優2人が、
初めて本格的にほぼ全編に渡って共演した。
物語の中心は、ニューヨーク市警に勤めるデニーロ扮するタ
ークとパチーノ扮するルースターの警官コンビ。どちらかと
言うと熱血型のタークといつも沈着冷静なルースターは長き
に渡って絶妙のコンビネーションを発揮してきた。
そのタークが、映画の中では監視カメラでの撮影と思われる
ヴィデオ映像で14件にも及ぶ殺人の記録を述べている。それ
は、警察が罰し切れない犯罪者を自らの手で罰してきたとい
う犯行の告白だった。
その発端は、幼女レイプ犯として捕えた男に対する裁判での
無罪判決。その判決にいきり立ったタークは、警察に保管し
てあった証拠品の拳銃をその男の部屋に隠して罪に陥れる。
しかしその行為は正義との境界(ボーダー)を破壊し、14件
にも及ぶ犯罪の引き金となる。
物語では、当初からタークに疑いの目が向けられている。し
かしデニーロがそんな役する訳ないよな…というのが大方の
観客の思いだろう。だからこの映画の結末にはあまり意外性
はないようにも感じる。
でも、この2人の共演の前ではそんなことは正にどうでも良
い話。2人が同じスクリーンに居るだけで、ファンには目の
離せない作品となっているものだ。特に終盤での対決シーン
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04月11日(日)
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