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On the Production
by 井口健二
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■殺人犯、ウィンター・ソルジャー、大人になった夏、シーサイド・モーテル、ジョニー・マッド・ドッグ、ACACIA+製作ニュース
紹介『告発のとき』で描かれたイラク戦争での出来事とほぼ
同じものが含まれるし、結局アメリカ軍というのは全く過去
に学ばず、同じことを繰り返しているのだと言うことも理解
できた。
ただしその内容は、本作ではまだ「アメリカは絶対正しい」
と信じていた世代のものだから、それはそれで仕方ないか…
と思うところもあるが、それが今も繰り返されているという
現実は、さらに恐ろしいものであるとも言えそうだ。
この作品やその他の反戦作品を観る限り、アメリカ軍という
のは世界に犯罪をまき散らしてそれを正義と言い張る我儘で
最悪の存在であることがよく判る。しかもそれは、アメリカ
国民自身が認めていることなのだ。
しかしそんなアメリカ軍に対して、政権政党が変わっても合
いも変わらずに尻尾を振りながら、国民の不利益も考えず、
一所懸命に軍事基地の用地を探している日本という国家は、
一体何なのだろうかとも思ってしまったところだ。

『大人になった夏』
3人の女子中学生が夏休みに、その内の1人の祖母が経営す
る民宿の手伝いに行き、色々な経験の末にちょっと成長した
かな…と思う物語。
学校では陸上部に所属して中距離で秋の新人戦を目指してい
るが、今一つ記録が伸びていない藍は、同級生の桃子から夏
休みに祖母の手伝いに行くことを誘われる。それには桃子の
母親の考えで幼馴染みのさくらも同行するが、最近はあまり
付き合いがなかった。
そんな3人が、それでも仲良く民宿にやってくる。そこは昨
年亡くなった祖父が始めたもので、今年はすでに予約の入っ
ていた泊まり客だけのために開いており、客の数もさほど多
くはなかったが、それでも部屋の掃除や蒲団の上げ下ろしな
ど、馴れない3人にはきつい労働だった。
そんな中で少女たちは互いにぶつかりあったり、近所の若者
に仄かな思いを寄せたり、それが互いの確執を生んだり…。
さらに新しいことに挑戦する日々が、彼女たちを成長させて
行く。しかしその先にはさらなる試練が待っていた。
出演は、TBS愛の劇場「ラブレター」に出演の山谷花純、
映画『女の子ものがたり』などに出演の江野沢愛美、2008年
にavex主催キッズオーディションでグランプリを受賞しその
副賞として出演の小嶺燦羅。いずれも実年齢12〜13歳の女優
たちだ。
他に、CM「クレアラシル」などに出演の岸田タツヤ、映画
『チルソクの夏』などの松本じゅん、映画『MW』などの半
海一晃。それに、元キャンディーズの伊藤蘭が母親役で友情
出演している。
監督は、日本ではテレビのスペシャル番組や海外ではドキュ
メンタリー作品などを手掛け、昨年5月紹介『愛と青春の宝
塚』を担当した長嶋永知。前作の監督がどういう立場のもの
かは判らないが、今回は脚本も手掛けているものだ。
まあお話は有り勝ちなものだし、特にどうという作品ではな
いが、若い女の子たちが一生懸命頑張っている(物語上も、
恐らくは実際の撮影でも)というのは、観ていて親心も働い
て、それなりの評価をしてしまう。
ただ、これは他の人も言っていたが、僕らの世代だと若い女
性の顔の判別が付き難くなるもので、本作でも主演の3人が
時々区別できずに混乱したところもあった。それはこちらの
問題ではあるが、容貌や台詞などでもう少し区別し易くして
欲しかった気もした。
それに、物語の中心が藍なのか桃子なのかも、もう少し明確
にした方が良かったのではないかとも思えるところで、上映
時間85分の作品ではそのどちらもが充分には描き切れておら
ず、物足りなく感じられた。もっと長ければそれなりに描け
たのだろうが。
なお本作は、一昨年11月、12月に5本を紹介したavexニュー
スター・シネマ・コレクションのvol.2とされるもの。今回
は1本だけの紹介だが、他には篠原哲雄監督の『ラムネ』、
深作健太監督の『クロネズミ』、林雅貴監督の『カスタード
プリン』という作品が上映されるようだ。

『シーサイド・モーテル』
岡田ユキオ原作コミックスの映画化で、2005年公開『スクー

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04月04日(日)
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