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On the Production
by 井口健二
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■さんかく、冷たい雨に撃て、シュアリー・サムデイ、ザ・エッグ、ソフトボーイ、矢島美容室、鉄男+製作ニュース
やコーエン兄弟の注目も浴びているようだ。
共演は、以前の『ザ・ミッション』『エグザイル』でも同じ
役クワイを演じてきたアンソニー・ウォン、同じく前2作に
出演のラム・シュ、そして『エグザイル』から参加のラム・
カートン。さらに敵役のサイモン・ヤム、主人公の娘役には
『エディット・ピアフ』に出演のシルヴィー・テステューら
が登場する。
主人公の記憶が徐々に失われて行くという設定が見事に活か
されていて、その明かし方や結末の着け方などにもうまさを
感じた。最近流行りの痴呆症テーマを見事にアクションテー
マに融合した作品とも言えそうだ。
因に、2004年9月紹介『ターンレフト・ターンライト』など
様々なジャンルの作品を手掛けるトー監督は、本作では見事
なガンアクションを描いてみせてくれたが、今後暫くはアク
ションテーマから離れる予定とのことだ。
『シュアリー・サムデイ』
昨年7月紹介『TAJOMARU』などの俳優小栗旬が監督
に初挑戦した作品。因にこの企画は小栗が長年温めてきたも
のだそうで、脚本家に『クローズZERO』などの武藤将吾
を入れて当初の計画とは多少違う物語にはなったようだが、
念願の企画を実現したものだ。
その物語は、高校時代に校舎の占拠事件と爆破事件を起こし
退学処分になった5人組が大人になってからのお話。彼らは
それぞれ父親の経営するバーを手伝ったり、大検に受かって
進学したりしていたが、そんな彼らが過去の事件の落とし前
を着ける羽目に陥る。
そこでは、やくざの資金の強奪事件や女性の誘拐事件、さら
に幼い頃の淡い恋心やそこで誓った将来の夢、さらに自分の
せいで刑事を退職した父親の姿など、さまざまな出来事が微
妙に絡み合い、時間を超えて繋がって行く。
それぞれの事件には直接の繋がりはないのだが因果が巡って
そうなって行く。その辺の経緯が、10秒間のフラッシュバッ
クなどを利用して手際良く説明されていた。当初の小栗のア
イデアがどういうものだったかは判らないが、この脚本はな
かなか良かった。
出演は小出恵介、勝地涼、鈴木亮平、ムロツヨシ、綾野剛、
そしてヒロイン役に小西真奈美。他に竹中直人、岡村隆史ら
が脇を固め。さらにモト冬樹、大竹しのぶ、津田寛治、妻夫
木聡、上戸彩ら多彩なゲストが登場する。
勿論、お話は相当に強引だし、御都合主義的なところも多分
にあるが、まあこれも映画というところだろう。それにこの
企画の全体が、取り敢えず観客を楽しませようという思いに
溢れており、その小栗の心意気にも拍手を贈りたいものだ。
2時間をちょっと超える上映時間は、多少思いが溢れ過ぎた
かなという感じもしないではないが、最近多くあるこの手の
長さの作品の中では、飽きさせることなく良く纏まっていた
ように思える。
特に、小栗が何度も頭の中で予習したというシーンのカット
割りなどは、変にくどかったりすることもなく、すっきりと
観やすい作品に仕上がっていた。1982年生まれ、まだ27歳の
初監督は良好だったと言えるだろう。
『ザ・エッグ』“Thick as Thieves”
オスカー俳優モーガン・フリーマンと、『ゾロ』などのアン
トニオ・バンデラスの初共演。『ER』『ディープ・インパ
クト』などのミミ・レダー監督によるheistドラマ。
プロローグは大きな浴室での殺人。続いて地下鉄での強盗事
件となる。ここまでにフリーマンとバンデラスが登場し、さ
らに地下鉄からの逃走アクションも描かれる。これはかなり
テンポの早い展開の作品だ。
因に本作の舞台設定はニューヨークだが、撮影は主に東欧の
ブルガリアで行われており、この地下鉄も実はソフィア市内
のもの。そのため車両はロシア製だったそうだが、僕はその
どちらにも乗ったことがないので判別は着かなかった。
こうして2大スターが顔を合わせ、泥棒とロシアマフィア、
さらにNYPDにFBIも絡んだ犯罪ドラマが展開される。
そして彼らが狙うのは、ニューヨークに店舗を構えるロシア
系宝飾店の地下金庫に秘蔵されたロマノフ王朝末期の宝飾品
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03月28日(日)
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