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On the Production
by 井口健二
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■幸福の黄色い…、グリーン・ゾーン、誘拐ラプソディー、スナイパー、川の底からこんにちは、てぃだかんかん、ねこタクシー、処刑人U
見と処理。しかし、軍情報部から提示された兵器の保管場所
は何処に行っても空振りばかり。そこで意見を上申する主人
公だったが、回答はいつも「情報は精査されている。黙って
従え」の一点張り。
そんな状況が続く中、主人公は情報に従っての出動中に、近
くでアラブ人の有力者たちが集まっているとの情報を受け、
急遽独断でその場所を捜索する。そして手配中の元将軍の人
相を確認するが、間一髪逃げられてしまう。
しかも、さらに捜査を続けようとした主人公の前に軍情報部
の兵士が現れ、主人公たちが確保した関係者を連れ去ってし
まう。しかしその行動に疑問を感じた主人公は、重要証拠の
手帳を隠し、独自の捜索を進めようとするが…
これにウォール・ストリート・ジャーナルやCIAなど実在
のマスコミや政府機関の人物も絡まって、正に世界の闇とも
言えるイラク戦争の裏側が明らかにされて行く。
原作は、ワシントン・ポスト紙の記者ラジブ・チャンヂラセ
カランが執筆。その原作から、1997年『L.A.コンフィデン
シャル』でオスカー受賞のブライアン・ヘルゲランドが脚色
している。
現実に嘘を吐いたのは、CIAの可能性が一番高そうだが、
この作品ではさらにそこにも疑問を投げかけ、より奥の深い
国際政治の闇が描かれる。それが真実か否かは、現状では全
く判断のしようもないが、それはフィクションとも言い切れ
ない微妙なものだ。

『誘拐ラプソディー』
金なし、家なし、仕事なしで人生に絶望した男が、最後の賭
けで見ず知らずの子供を誘拐するが、その子供はヤクザ組長
の一人息子だった…という萩原裕原作の映画化。
主人公は、長年務めていた工務店をちょっとしたいさかいで
飛び出し、その車で丘の上にやってくる。そこで自殺でもし
ようと思い立つが失敗。全てに絶望したところで1人の男の
子に出会い、その男の子は丘から観える大きな邸宅を自分の
家と指さす。
その状況に、以前入った刑務所で誘拐の極意を学んでいた主
人公は、自分と全く繋がりの無い金持ちの子供を誘拐するの
が成功の秘訣という教えを思い出し、咄嗟に誘拐を始めてし
まうのだが…
その誘拐した子供はヤクザ組長の一人息子で、警察と関わり
たくないヤクザは密かに組員を使って捜索を開始する。それ
は当然かなり手荒なものになって行くが、それが警察の目も
引くことになって、徐々に真相が明らかにされて行く。
一方、主人公と子供の間には、徐々に信頼関係も生まれてく
る。そんな物語が、携帯電話の発信地表示など最新の技術も
背景に展開されて行く。因に映画の製作には、NTTDoCoMoが
参加しているものだ。
この主人公を、『特命係長 只野仁』などの高橋克典、誘拐
される子供を『非婚同盟』などの林遼威、その父親を哀川翔
が演じ、他にYOU、菅田俊、榊英雄、木下ほうか、笹野高
史、ベンガル、角替和枝、船越英一郎、美保純、山本浩司、
寺島進、品川徹らが脇を固めている。
出演もしている監督の榊英雄は、前作2008年9月紹介『ぼく
のおばあちゃん』は多少トリッキーな作品だったが、今回は
ストレート。でもちょっと普通でないシチュエーションをそ
れなりにあり得そうに纏めている。
誘拐ものは過去にもいろいろあるし、基本的に卑劣な犯罪だ
から犯人の描き方などにも気を使う必要があるが、本作の場
合は、結末も含めて適切な感じのものだ。途中のおや?とい
う感じの展開も、納まるように納まるし、日本映画の脚色と
しては良い方だろう。
因に脚本は、2006年12月紹介『素敵な夜、ボクにください』
などの黒沢久子が担当していた。

『スナイパー』“神槍手”
プライベート写真の流出がスキャンダルとなり、香港芸能界
からの引退を表明した俳優エディソン・チャンによる香港映
画で最後の出演となった作品。台湾からリッチー・レン、本
土からはホアン・シャオミンを招いて壮絶なガンアクション
が展開される。
最初の登場でチャンが演じているのは警官。手配された不審
車の捜索中にとある家に赴いた彼は、ギャングと狙撃隊の銃

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02月28日(日)
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